お題目とお念仏の両方
日蓮宗信徒です。
南無妙法蓮華経と唱える以上は南無妙法蓮華経に偽りなく生きていきたい。
たくさん人を裏切り、たくさん人に迷惑をかけてきた自分を悔い、これからは意地でも真心で生きていこう。その為にもっと仏法を学ぼう。
そう思い始めましたら、南無妙法蓮華経と唱えることは南無阿弥陀仏しており、南無阿弥陀仏と唱えることは、南無妙法蓮華経をすることになるのではないか?
あの美しい阿弥陀様の御前にて、ひたすらお念仏をお唱えすることにより、今の自分に足りない何かを得られるのでは?
そう強く思うようになりました。お題目の為のお念仏、お念仏の為のお題目。
そのようなことから、定期的に阿弥陀様にお参りしたいと思っているのですが、お題目とお念仏、二つを信仰することは芯のない信仰になりますでしょうか?
また、双方の宗派に失礼にあたりますでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
お題目とお念仏は違いますよ!
質問読ませていただきました!
宗祖であられる日蓮大聖人は、その御生涯においてお題目こそが一番素晴らしいのだ、ということを強く訴えて布教された方です。ですので、日蓮宗の信徒でありながら、お題目=お念仏という考えに至ることは、まさに個人的仏法の解釈となってしまいます。
何故一番素晴らしいのか、その理由を説明することについては、このハスノハのサイトの趣旨に反してしまうことになるので差し控えさせていただきます。
Lotoさんは、日蓮宗信徒とのことですので、おそらく日蓮宗の菩提寺をお持ちかと思います。
仏教で大切な事は、自分独自の解釈を生み出すことではなく、信頼できる師僧に習い、学ぶことです。
なぜなら、宗祖が亡くなられてから750年以上も化儀、教義、伝承、口伝などを通して宗祖の信仰が受け継がれてきて、それを修行を通して習い学んでいるのが僧侶だからです。
それらを無視して、自分の思い通りに教義を立てるのは、ただの新興宗教に過ぎなくなります。
一度、菩提寺のご住職にゆっくり相談して尋ねてみて下さい!
お念仏とは…
LOTOさん
ご質問読ませていただきました。
日蓮宗のことは専門のお坊さんが回答されていますし、私は浄土真宗の僧侶なので、お念仏のことを話します。
お念仏は、阿弥陀如来に「お任せする」ということで、何か自分に足りないものを得るためや、自分が偉くなるためにお念仏するわけではありません。
仏法を聞いたり、お寺にお参りをしたり、自分が何か努力をして偉くなるのではなくて、
その逆で、自分の愚かさに気づいていくのが浄土真宗の教えです。
たくさん人を裏切り、たくさん人に迷惑をかけてきた、そんな愚かで悲しみ苦しみが深い私たちだからこそ、そのことを見ぬいてくださって私たちが何もしなくても、阿弥陀如来の方から見捨てずに必ず救うと願い、働いてくださっています。
そのことにただ、「お任せします」というのがお念仏なんだと私はいただいています。
仏になるという目指すところは同じでもそのためのルートが違います。そもそも、大切にしている経典が違うので、全く別物になります。
参考にならなかったらごめんなさいね。
法華経にはお釈迦様の教えが書いてあります。
お題目をお唱えすることとは「南無妙法蓮華経」と唱えて、お釈迦様とその教えを敬うことでありますが、それだけではありません。この法華経に書いてあることを実践することも大切なのですよ。平等の精神を持ち、自ら持つ仏性に気づき、それを磨いていくこと。さらには、慈悲の心で他者に知恵を与えること、つまり、菩薩行を実践することも大切なのです。
また、お念仏は阿弥陀様を敬うことです。
それは、自らの命が終わった後、極楽浄土に連れて行ってもらい、仏道修行に励み仏様に成ることを願うことです。
いずれも仏様を敬い、その教えを信じ、あるいは、救いを願うことであり、あなた自身がより人としての成長を願い、その為の実践をすることになるのです。
お題目とお念仏は意味が違いますが、相反するものではありませんから、両方お唱えしても何も悪いことはありませんよ。
ただ、日蓮宗のお寺でお念仏をお唱えしたり、浄土宗のお寺でお題目をお唱えしたり、ということは余計な誤解を与える可能性があるので避けた方がよいでしょう。
南無妙法蓮華経
南無阿弥陀仏
質問者からのお礼
誠海様
ありがとうございます。表現が難しいですが、二つが違うと存じ上げているので、難しいなと。これからも精進したいと思います。
慶成様
ありがとうございます。
とても参考になりました。と同時に感動しました。「何か得られる」とは、ゆったりとした癒しのようなものを考えていたのですが、根本から間違っていました。
二つが違うのは存じ上げているのですが、ますますお念仏に魅力を感じました。
が、「二つを大切に」は難しいのですね。
三宅様
ありがとうございます。本当に尊いご助言、心より感謝申し上げます。お寺に出向くでもなく、こんなに有り難いお言葉を頂戴できるなんて本当に勿体ないです。
阿弥陀様が祀られているお寺さんにご縁があった時には、素直に感謝して、「南無阿弥陀仏」と唱えさせて頂きたいと思います。
そして仏様に恥じることのない日常を送れるよう、努力したいと思います。
心強いお言葉、誠にありがとうございました。