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遺骨について

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死んでしまった人の遺骨や遺品が全くなくてもお墓を建てたい場合どうすればいいでしょうか。またこういう場合はなにか歴史的に見てきまり事や風習はあるのでしょうか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

お墓は誰のためのものか。

質問読ませていただきました。

お墓というのはよく「亡くなった方のためのモノでもあり、生きている方のためのモノでもある」と言われます。

まず、お墓にお骨が納められますが、だからといって亡くなった方の魂がいつまでもそこに留まっているわけではありません。亡くなった方は何らかの形で次の命を受けています。ですので、厳密に言うなら、お墓に亡くなった方はいらっしゃいません。

しかしそこにお骨があるという事実が、生きている方々を導くのです。お骨が納まっているお墓という目に見えるモノがあるから、先祖への感謝の気持ちを忘れずにいられます。そして、ご先祖を大切にして手を合わせるという行為を通して、仏様へ感謝するということを学んでいくのです。
どうしても私たちは、視覚という刺激の強い事柄に強く影響されてしまうので、見えないモノを大切にし続けるということはとても難しいモノです。何か手を合わせる目に見える対象物がないと、仏様やご先祖への感謝の気持ちを保ち続けることは難しいでしょう。
よく最近では散骨といって自然に撒いてしまうような方法もありますが、これをオススメしないのは上記の理由によります。

そして、生きている方が仏様やご先祖への感謝を忘れずに、手を合わせ、お経を唱え、塔婆を立て、法要を営む、その様々な事を通じて、亡くなった方の苦しみを取り除き、詰まるところ亡くなった方のためにもなるのです。

ですのでお墓は「亡くなった方のためのモノでもあり、生きている方のためのモノでもある」のです。

さて、お墓の建て方ですがお骨があろうと無かろうと、建て方に違いはありません。墓地を管理されてるところに相談し、敷地を借り、墓石屋さんに墓石を建ててもらい、お坊さんに開眼供養していただくことです。そのお墓に亡くなられた方のお骨納めをするかしないか、それだけの差です。
また、お骨がないからといって特に何か決まりがあるわけではありません。

ただ、亡くなった方1人だけのためのお墓で、この先他の誰もそのお墓に入る予定がないということでしたら、お骨も遺品もないと言うことでしたらお墓という形にこだわらず、立派な位牌をこさえていただき、それを大切にしていくというのも1つの方法です。

もし、懇意にしているお寺さんがあるのであれば、そこに相談するのが一番確実です。

何か少しでも参考にしてみて下さいね!

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質問者からのお礼

貴重な話をありがとうございました。

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