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輪廻があるなら、私は天界も地獄も見て来たのでしょうか?

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有り難し有り難し 27

こんにちは。

前回質問で、輪廻思想がどうも腑に落ちない、と主張した者です。
ただ、輪廻に限らず、事物が「ある」とも「無い」とも断定するのは中道の教えに反すると感じるので、輪廻思想の側からも質問させてください。

輪廻転生があるなら、私は六道あらゆる世界を見て、生きて来た事になりますよね。何しろ仏教の宇宙観は無数劫の時間スケールで成り立ってるのですから。
また、私は、いわゆる地球外生命というものも、必ずどこかの惑星で誕生し生を営んでいると信じています。

そうなると、私の魂(?)は天上界のめくるめく壮麗な世界も体験して来たし、地獄の底の恐ろしい責め苦も受けて来た事になりますよね?
また想像を絶するような異星の光景も目の当たりにしてきたのではないでしょうか?

輪廻転生が教えているものって、
「そういう一切合切の有情は、別個に生きているのでなく、過去、現在通して、物質から魂のレベルまで、密接に繋がって生きてるんや。天人も地獄の衆生も、あらゆる命も決して他人事じゃおまへんで。なにせアンタがそれ自身だったんだからな。」
と言っているようにも思えるんです。なぜか関西弁ですが。
そういう所から、いわゆる慈悲って生まれるのでは無いでしょうか?

生前や死後を無記とするのは「智慧」ですが、また輪廻をわが事として受け止めるのは「慈悲」の根源なのかな?とも思います。
この2つの考えは矛盾するものではないとも、私には思えます。

お坊様方は輪廻と言うものをどのように受け止めてるのか、気になったので再び質問させて頂きます。
お考えを聞かせて頂ければ嬉しいです。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

輪廻転生が信じられないならそれでいいでないですか

前回の質問と回答も含め読まさせていただきました。
やはりインドの伝統感が日本人には違和感があるというところにつきますかね。
>>輪廻を信じるかどうかは個人の判断で結構かと思います。
に同感です。釈尊は無記だから、三世はないというのもあなたのお考えなわけでしょう。
仏教は釈尊が説かれた教えですが、いわゆる二次創作がたくさんあって、どの教えをとるか
は個人次第です。八万四千の法門と言いますし。私も日本人の死生感に大きな影響を与えた
のは浄土思想だと思っていて、死後の世界が黄泉の国から極楽浄土に転換したのが大きかったと思います。まああなたのとおり、法然上人や親鸞聖人の真意からは外れていくわけですがね。法然上人は念仏すれば極楽往生できると説き親鸞聖人は信をきょうちょうして念仏を信じれば極楽浄土に行けるとといたのですが、だんだん時代が下るにつれて死ねば極楽浄土にいけるとなり、最近は死ねば天国にいけるというふうになり、(ってきたヨッパライが典型的だったと思う。)最近は風になっちゃうそうですね。(千の風になって)

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浄土宗僧侶です。 寺に生を受け、小学校5年で、得度(お坊さんになる儀式)...
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輪廻転生は苦しみの世界

輪廻転生は苦しみの世界です。
生きものには、必ず苦があるので。
仏教では、「涅槃寂静」と説きます。
煩悩を滅して輪廻転生から解脱する「涅槃」が苦のなくなった平安です。

インド文化圏の人は輪廻転生を前提に考えるので、たとえば目の前の虫が、亡くなったお祖父ちゃんの生まれかわりかもしれない等と考え、生き物への慈悲を重視します。
スリランカの蚊取り線香は、蚊を退けるだけで蚊を殺す効果はないと、テレビで聞いたことがあります。
輪廻転生は慈悲につながると思います。
また、輪廻転生とセットで自業自得・因果応報思想があります。
どんな不運や不幸も、自分の前世の行いが悪かったからだと明らめられれば、他人への怒りや八つ当たりがなくなり、平和になると思います。
もちろん、他人を差別したりするために因果応報を持ちだすのは良くありません。
あくまで、自分自身の怒り・憎しみを制御するために、因果応報をイメージするのです。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

ご回答ありがとうございます。

願誉浄史様
輪廻の思想は慈悲につながると言う、私が漠然と考えていた事を明言して頂き、嬉しいです。
併せて、因果応報や自業自得についても学ばさせて頂きたいと思います。

鈍阿様
そうですね。やっぱり自分にとっては「無記」がしっくり来ます。
あくまで「無」ではなく「無記」です。
ただ、私の妻や祖母などは、どうも浄土思想(と言うか天国思想)に近い死生観を持っているような節があり、死生観も人それぞれなのかな、と思う所があり質問させて頂きました。
安直な天国思想かも知れませんが、身内を何人か送り届けている身としては、故人にはなるべく幸せな後生を送って欲しい、と言う気持ちはわかるような気がします。

-追記-
お二方とも、ありがとうございます。
色々考えたのですが、いわゆる8万4千の法門は、それぞれ大変素晴らしく、見習うべき所が数多くある事は実感してます。
一方で、私自身は、やはり、自分にとって納得のできる教えから学んで行こうと思いました。

貴重な御示唆、ありがとうございました。

「輪廻転生」問答一覧

解脱する方法は確立されていますか?

私には、「もう二度と人に生まれたくない」という、漠然とした、でも強烈な願望があります。 生まれ変わった自分は今の自分とは関係のない赤の他人であり、そんなことを気にする必要はない、なぜそのような悲しいことを考えるのか、もっと楽しく生きなさい なんてことを言われたりするのですが、むしろなぜ他のみんなはそう考えないのだろうと思うくらい 私にとっては本当に強く願っていることが「もう絶対に、絶対に生まれてこないこと」です。 仏教には輪廻転生の考え方があり、その輪から外れる方法が解脱だと聞き齧りました。 まだ仏教について何も知らない人間の質問で大変恐縮なのですが、 つまり解脱することができれば、もう命として何かに宿ることは二度とないのでしょうか。 私にはそれがとても魅力的なことに感じます。そこで、解脱の方法とは、こうである、と言うものが確立されているのであれば教えていただきたいです。 でもきっと、そんな簡単な、うまい話はないのだろうとも思いますし、この質問自体どこかズレているのかもしれません。 もし回答できるものではないのだとしたら、自己研鑽として、仏教について学びたいとも考えておりますので、何も知らない人間がまず手始めになにをすべきかを教えていただけますと幸いです。 このような場を設けていただいていること、質問のご縁をいただけたことに感謝致します。

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神通力

 前回「釈尊の悟りは神通力を得た結果?」を投稿しましたが、当たりのようです。  駒沢大学学長を歴任された水野弘元先生の著書「釈尊の生涯」の「成道と三明六通」には「(前略) そして濾尽智通以外の五神通は、必ずしも仏教者だけでなく他の宗教家や鬼神狐狸の類に至るまでも、浅深の差はあっても、これも得ることが出来るとせられる」と書かれています。  三明六通の「六通」とは先ほどにに記述の「五神通」とあるように、「六神通」と考えることが出来ますので、「神通力」を得たと考えて差し支えないと思います。  古代インド社会では「輪廻転生」は常識であったそうですが、当時のインド宗教者は、互いに神通力を競い合ったと考えられます。  三明の最初の一明は「過去に関するすぐれた智慧の宿命通(宿命明)」となっていますから、釈尊だけでなく、それ以前の宗教者にもそこに到達して、「輪廻転生」が世間に広まったと考えられます。  余談ですが、阿含宗を創設した桐山靖雄師は、著書「輪廻する葦」のなかで、成仏法と称して、神通力を修練することを勧めたようです。私は読んでいませんので想像ですが、論理の「阿含経」ではなく実践法の「雑阿含経」を研究していたようです。

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輪廻転生の考え方について

質問が2つあります ①仏教では輪廻転生と言う考え方で生まれ変わると言われていますが 人口の増減についてはどう考えているのでしょうか? 今の日本の人口は1億人を超えていますが 奈良時代 大宝律令ができたころは310万人~320万人ほどだったようです。 日本史の教科書では 昭和初期の満州事変が始まった頃のことを 日本は中国人4億5千万人を敵に回すことになった と書かれていますが 今は中国の人口は軽く10億人を超えています 同じ国籍だけに輪廻転生するとは限らない 世界規模で考えるべきとしても 現在世界の人口は70億人程度いるようですが 1世紀に前に比べても数倍になっています もっと言うなら 数万年前の ~~原人 とかいたころはどうなのか? とか いろいろ説明がつかないことばかりです。 昔の 江原啓之さんが出てくるような心霊番組はテレビでやらなくなりましたが (便乗した霊感商法 悪徳商法がはびこるようになるとか、輪廻転生を信じた人が人生をやり直すために自殺するケースが出たなどの理由で弁護士などがテレビ局に抗議したそうですが) 当時の番組では江原さんは輪廻転生を言っていて 「あなたの前世は~」と言う話になると 全て人間であり、他の動物だったケースは見たことがありません。 しかし 全ての人間が また人間に輪廻転生をするとすると 個体数の関係で辻褄が合わないことになります。 これは仏教ではどう考えているのでしょうか? ②私は亡くなったら全て「無」に帰す 霊魂も輪廻転生もないインチキだ と言う考え方は好きではありません。 それは 大切な肉親を亡くし時点で「永遠の絶縁」を意味するからです。 死ぬことは怖いとは思いませんが、肉親と未来永劫絶縁になると想像するほうが怖いです。 霊魂や輪廻転生を完全否定する宗教家の方もいるようですが、肉親を亡くしたら情なんて捨てろ と考えているのでしょうか?

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誕生の仕組み

 輪廻転生が真実であるとすれば誕生の考え方が大きく変わります。  まず結論から言いますと、「心は自分自身であり、親から貰ったものではない」と言うことです。 即ち自分の生老病死は自己責任であるということです。  ことわざからはじめますと、  「身体髪膚これみな父母より賜う。あえて損傷せざるは孝の始めなり」  これは身体だけであり、心は別ということになります。  「子は授かりもの」   もし心も親譲りであれば我が子であって、授かるとは言わないでしょう。  「とんびが鷹を産む」  親子の気質は別物であるという事でしょう。  「愚兄賢弟」  もし親譲りであれば、兄弟でも性格が違うとは、遺伝子的には考えられません。 原則的には類を以って集まるはずですから、性格が似ていることは多々あります。  臨死体験者(新堂のぶ子氏)の言葉(講演会にて)  「親が子を生むのではなく、子が親を選択する。」  ある宗教学者はネットで「龍樹と輪廻転生」と題し   「ブッダは、『大縁経』で、意識が母胎に流れ込むことによって、そして、そこで身心(名称と形態)が増大することによって、この世に転生するありさまを説明した。」と述べています。  「意識」は心と同一と考えてよいと思います。   以上が結論の根拠です。

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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ