漫画 聖☆おにいさん
私は「聖☆おにいさん」というブッダが出てくる漫画が大好きなのですが、愛読されているお坊さんいらっしゃったらこの質問に目を通して頂けたら嬉しいです。
作中で梵天と帝釈天が出てきますがブッダに対して「シッダールタ」と悟る前の名前で呼び、ブッダは敬語を使っています。シッダールタ時代に苦行している時にも「おー、頑張れよー!」とか言っていますよね。ブッダをプロデュースしてるみたいな場面も沢山出てきます。
私は手塚治虫の「ブッダ」も読んだのですが(フィクションもだいぶ盛り込まれているようですが)、その中で梵天はシッダールタの前にここぞという時に現れるので(迷っている時や悟った時など)、シッダールタの背中を押す師匠のような存在、と思っているのですが、
梵天や帝釈天はそもそも人間ではない存在なのですか?
シッダールタが誕生する前から存在してるという事ですか?
この漫画は私の仏教への興味を広げてくれた大好きな作品です。
初歩的な事と思いますし、ネットで調べればすぐ出てくるのでしょうが、ハスノハという場所があるのでお坊さんに質問してみようと思いました。
(帝釈天のスーツはアルマーニ、梵天のスーツはコナカというのはツボです)
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
私も全巻揃えています。
梵天、天、人
私は聖☆お兄さんは読んでないですが。
仏教では、生き者のレベルを3つ(三界)に分類します。
欲界の生き者、色界の生き者、無色界の生き者の三界です。
欲界とは、文字どおり欲にとらわれた生き者であり、身体も持っています。欲界の生き者とは、六道(天・人・阿修羅・地獄・餓鬼・畜生)のことです。
帝釈天は「天」であり、人よりはレベルが高いですが、やはり欲界(六道)の生き者です。
一方、梵天は、色界(物質の影響はあるが欲にとらわれていない生き者)又は無色界(物質に束縛されていない心だけの生き者)です。
つまり、梵天は、天や人とは違うランクです。
で、ブッダや阿羅漢と呼ばれる最高の悟り(全ての煩悩を滅した)に達した者は、三界すべてから解脱できる(涅槃に入る)ことができるのです。
ブッダは、六道(天や人など)からも梵天からも卒業したお方、三界から解脱できるお方です。
人が中学生、天が高校生、梵天は大学生、
阿羅漢(ブッダを含む悟った者)はそれら全てからの卒業生。
ただし、ブッダは卒業したけど教員として学校に残ってくれている先生、といった感じです。
で、おそらく梵天や天(帝釈天など)は、人よりはるかに寿命が長いので、シッダールタよりは先輩です。
でも、ブッダとなったシッダールタだけが悟った(卒業できた)存在です。
で、ブッダの弟子達の中には、たくさんの阿羅漢(卒業できた者達)が出現しました。
地球上で、卒業した人々はシッダールタよりも前にもたくさんいたかもしれませんが、教員となって弟子達を育てたのはシッダールタ(ブッダ)が初めてです。
梵天(ずっと留年している大学生)が、卒業した(悟った)ブッダにお願いして、教員として留まってもらったのです。
ちなみに、シッダールタの師匠の仙人二人は、阿羅漢(卒業資格者)ではなかったのです。
シッダールタが悟ったとき、二人の師匠に教えを報告したかったのですが、残念ながらすでにお亡くなりになっていたのです。
質問者からのお礼
願誉 様
分かりやすい説明ありがとうございます!
学生と教員の例え、スーッと頭に入ってきました。梵天は心だけの生き物と初めて知りました。六道という言葉などは漫画に出てきて知っておりましたが、とても分かりやすいお話をありがとうございます。
和田 様
ご回答ありがとうございます。全巻持ってらっしゃるんですね、今日も読み返しています!美術館で絵を観るのも好きで、たまに宗教画があるとやはりこの漫画を思い出します。
三宅 様
ご回答ありがとうございます。帝釈天は他の宗教、という見方もあるんですね。そういえば漫画には弁財天も良く出てきます。
大忍 様
ご回答ありがとうございます。バラモン教の神様なんですね!梵天がそんなに頼みこんだなんて知りませんでした。そういえば漫画の中でも、ブッダにグイグイ頼みごとをしています(笑)
知識が増えて嬉しいです!教えてくださった方々本当にありがとうございました。