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お釈迦さまの存在回答受付中

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有り難し有り難し 7

こんにちは。
とても前に自死を考えるほど悩み苦しんでいたときhasunohaを知り本当に救われ、またそれから仏教的な考え方が好きになり浅はかではありますが自分なりに勉強しております。
お坊さまなど皆、お釈迦さまのように悟りを得るために日々考え、生き、修行なされてると思いますが、それで、自分が考えれば考えるほど思うには、この世で悟りを得たのは釈尊のみで(仏陀の一人とも書かれているので他にもいらっしゃるのでしょうか…)人間がいくら考え修行しても悟りの境地になど到達できるはずもなく、それではなんのために修行し生きると言うことになるので、太古に実際に悟りを得た人が一人だけいるという憧れや目標のために仏教者がつくりだした偶像なのではないかと思ってしまいます。ゴータマ・シッタールダという人物はいらっしゃったかも知れませんが。お釈迦さまが言われたとされる言葉なとば大変好きなのですが、全て弟子から弟子へと言い継がれて文献になったのは亡くなって何百年も後だとお聞きしますし。
お坊さまにこんな事をきくのはいけない事だとは思いますがどう思われますか?

2025年6月24日 1:40

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

仏さまの智慧と慈悲 悟りの結果を頂いて生きている私たち

再びハスノハに大切な問いをお寄せいただき、有り難うございます。お釈迦さまの「悟り」について、深く考えておられるのですね。「人間がいくら考え修行しても悟りに到達できるはずがないのでは」という問いは、ひっぴーさんだけではなく、私自身多くの方からお尋ねを受けてきました。私自身、浄土真宗の僧侶であり煩悩を抱えた凡夫ですから、悟りの境地からは遥か彼方に位置していると実感しています。でも、悟れないから意味がないとは思っていません。私の場合は、「悟りを得るために日々考え、生き」という立場ではなく、「悟りの世界から届けられている智慧や慈悲に導かれて生きている」とお伝えした方がしっくりします。だから、私の人生においてお釈迦さまの生涯だけでなく、その言葉に支えられて生きた仏弟子方の存在は、大いなる支えとなっています。

ひっぴーさんは、「人間がいくら考え修行しても悟りの境地になど到達できるはずもなく」と、先に結果をイメージしてしまっているようにお見受けしました。本来、憧れや目標とは、生きる方向性を提示してくれるものです。少々の困難を乗り越える力になります。例えば、野球の好きな少年が大谷翔平にあこがれて毎日練習を重ねている姿を思い浮かべてください。当然、その少年が大谷翔平と同じになることは出来ませんね。でも、その少年は毎日のトレーニングで、心身共に大きく成長することが出来るでしょう。プロの厳しさも知るでしょう。だからなおさら、各方面からの研究をして見聞を深め、更なる成長が出来ますね。その全てのプロセスに、私は意味があると考える一人です。

hasunohaをとおして、ひっぴーさんに言葉を届け関わってくださったお坊さまは「悟っておられた」方ですか?でも、ひっぴーさんのことを我がことのように受けとめ、言葉を尽くしてくださったはずです。そのお坊さまにも、お釈迦さまの智慧と慈悲が届けられているのです。だから、ひっぴーさんは仏教にも興味がわいたのでしたね。お釈迦さま亡き現代であっても、お釈迦さまの言葉を通して、その智慧や慈悲の働きはあらゆる方法で一人ひとりに届けられているのです。(hasunoha誕生秘話も是非お読みください)どうか、「私が悟りに到達するかしないか」という点だけで仏教を受け止めるのではなく、「悟りの結果である智慧や慈悲に包まれて今の私がある」という視点を大切になさってください。

2025年6月24日 8:24
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おきもち

個別相談可能
1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。実家の西福寺で中高生を主体とする「るんびに太鼓」に所属、演奏・指導経験を通して、「人は、支えられてこそたくましく生きてゆける」と体感。青少年よみがえりの場「短期るんびに苑」にも関わる。   平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。ご法話や講演などをご希望の方は、遠慮無くお声かけください。  グリーフケアアドバイザー1級 発達障害コミュニ ケーション初級指導者 つどい・さんあい運営委員
ご相談時間はご希望をいくつかお知らせくださいね。 ◆「絵本のお坊さん」として、絵本を通じて人生を見つめ直す活動を行っています。◆死別、離婚、退職、不安など、様々な喪失を抱える方のお話に寄り添い、仏道の教えを分かち合いながら心を癒すお手伝いをしています。◆資格:グリーフケアアドバイザー1級、発達障害コミュニケーション初級指導者。

質問者からのお礼

げんさん様、
沢山の御質問がある中で私などが、ふと思ってしまった事に早々にお応え頂けて驚き、また感謝致しております。

悩みや苦しみが完全に無くなるなどという事はあり得ないと知りつつも人は皆それに向かって考えたり努力したり工夫して生きているいるのだと思います。
大谷選手のくだりはまさにその通りで、ああいう人がいらっしゃるのだから、自分もそこへ向かいたいというモチベーションが湧くと思うので、自分の努力がいつか報われるかも知れないという希望のために「仏陀」という存在がいつしかつくられたのではと、ふと思ったのでした。
しかし今となってはお釈迦さまが実際はどのような人物だったかは知る由もなく、またどうでもいい事で、おっしゃる通り、お釈迦さまやそのお弟子様たちの言葉や教えは自分をはじめ多く人の生きるささえとなっていると思います。

大変ご丁寧な回答を頂きありがとうございました。
 

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