変化
世の中は諸行無常とわかっていても変わりたくない、失いたくない、と変化をおそれ手放したくないとおもってしまいます。
私はもともと心配性で人見知りなので特に環境の変化の大きい春や新学期はいつも気が重くなります。今年から大学生になり、また大きな変化があることに不安が抑えられません。考えたってなるようになる、と頭ではわかっているのですが漠然とした様々な不安が堂々巡りしてしまいます。
私は弱くてさみしがり屋な人間なので1人でもいいや、って思えるほど強くありません。
あとはじめ会った時は緊張しすぎて借りてきた猫のように静かなので真面目で地味な人だと思われるのですが、仲良くなるとはじめと全然違うねと、たくさんの人にいわれます。
私的には精一杯明るくいつも通りしてるつもりなのですがたぶん無愛想で声も小さくなかなか普段通りに話せません。
どうしたらはじめからいつものように素を出して話せるのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
大学は人付き合いのトレーニングをする場所
世の中は常に変わりゆく、というのは相談者さまがおっしゃる通りで、それを理解すると気楽になるというのが仏教ですが、やはりいまの環境というのが変化してしまうのは辛いものです。
人見知りで最初はうまく話せない....とのことですが、慣れてくれば自然と話せるんですよね?
となれば、最初は人見知りのままでもいいんではないでしょうか。むしろ、人見知りくらいの方がややこしい人やめんどくさい人と関わらなくて済みますし....
(僕は愛想だけはいいので、苦手な人とも関わらなくてはいけないことも多かったのでしんどかった時期があります。笑
人間関係というのも、得意分野のひとつです。無理しても、最初から人付き合いがうまい人には勝てません。
なら、まずはじめに人付き合いがうまい人を見つけて、そのひとにさりげなく近づいてみてはいかがですか?
大学の講義でさりげなく隣の席に座るとか、同じサークルに入るとか、最初から、得意な人に任せてしまうのです。
あなたが頑張るのは、その最初のワンアクション。それができるだけであなたにとっては大きな成長ですし、もし仲良くなれればあとは自然に友達が出来ますよ。友達が増えれば、自然と人付き合いもうまくなっていきます。
あなたが変わりたいと思うなら、とにかく出会いを増やす事です。人付き合いは筋トレと同じです。出会いを増やして慣れて、やり方を覚えるしかありません。
大学は、そのトレーニングをするのにぴったりな場所です。
ぜひ、社会に出る前のトレーニングのつもりで、ガンガン出会いにチャレンジしていきましょう。
良きご縁を大切に
むつ子様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
「変化」・「無常」を受け入れられないお気持ち、誠にお察し致します。おそらく誰もが変化・無常に少なからず恐れや不安を抱いているのではないかと存じます。
この世のあらゆるモノ・コトというものは、全て、因縁(原因と条件)により、変化して無常であると、仏教では説明致します。
また、独立自存なるものというものはあり得ず、そのモノ・コト、それ自体で永久永遠に成り立っているものがないということを、「空」と仏教的には申します。
もちろん、「空」とは言っても、何もない「無」ではありません。
現に、私もあなたも確かに存在しています。目の前のモノ・コトもそうです。
但し、それらは、「縁起」によって成り立っているものとして、特には色々なモノ・コトに依存して、また、原因や条件によって成り立っている次第となります。
「不安」の原因というものは、何よりも、モノ・コトの正しい捉え方ができていないことから生じてしまっているため、難しいことですが、上記のように「空と縁起」を理解することにより、「不安」を取り除くために何をなすべきであるのか、ということも分かることとなります。
簡単には、変化する無常なるのはその通りではあるが、できるだけ良い変化へと向けるための良い因縁をしっかりと調えていけるようにしていく、ということになります。
それこそ、人は独りで生きていけるような存在ではなく、色々なモノ・コトに依存しなければなりません。助け合い、支え合い、分かち合いが大切となります。
そのためにも支え合う人、助け合う人との良いご縁も大切にしていくことが必要になります。
最初から素を出すことは、性格や状況にもよりますので、無理にまで出す必要はないかと思いますが、良いご縁を大切にしていくという気持ちにて接していくことで、あとは自然の流れに任せられると良いのではないかと存じます。
最初は、誰でも、何でも緊張するものだと思います。あまりお気になさられずに。
川口英俊 合掌