変化すること
身近な人の死が怖く、環境が変化することがとても悲しいです。
人はいずれ老いて亡くなることは、自然なことだと理解はできますが、そのことを考えるだけで辛く悲しく涙が出てしまいます。
今を大切に生き、楽しく生きたいと思いますが、どうしても、いつかいなくなってしまうんだと思う気持ちが強く心を蝕めています。
どうか、少しでも心が軽くなる言葉をいただけたら幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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変わりゆく一瞬を大切に
こんにちは、初めまして。
あなたのお気持ちよく分かります。
私は自分の身内と楽しい時間を過ごしたときほど、よくそう思います。
「人はいずれ老いて亡くなることは、自然なことだと理解はできますが、そのことを考えるだけで辛く悲しく涙が出てしまいます」とのこと。そう、理屈では理解できても、心がついてこないということはありますよね。
諸行無常、という言葉をご存知でしょう。あなたが仰るように、「環境が変化する」ことに例外はありません。人の命も、心も、風景もすべて変わっていくということです。変わらないものはないのです。
ただ、この諸行無常の語は、反面変わり続ける物事の一瞬のきらめき、その貴重さを知らせてくれる言葉でもあります。
写真というのは、一枚一枚がとても味わい深いものだと思います。人生の何十年の内のほんの一瞬を切り取るのが写真でしょう。しかし、その一瞬に、当時の思い、年齢を重ねた今との落差、あふれる笑顔、輝く命が刻まれています。その一瞬は確かにあった、そのことを知らせてくれています。
生まれたからには死なねばならない。
人間の命の結論は決まっています。
では、結論が決まっているから、人生はつまらないものなのか。折角あった肉親とのご縁は空しいものなのか。否、です。むしろ、死に至るまでの途中を実りあるものにするために、そして愛しあう喜びを感ずるために生きている、と私は思います。
春、夏、秋、冬、四季それぞれに、それぞれのきらめきがあります。
寒さを知るから、暖かさを知ります。
荒天を耐えるから、陽光をまぶしく感じます。
喜、怒、哀、楽もまたかくの如しでしょう。
今を、大切に、丁寧に生きたい。
あなたのご質問を受けて、改めて私はそう思えました。
有難うございました。
質問者からのお礼
お返事遅くなりすみません。
気持ちがスッと楽になれた気がします。ありがとうございました。