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浄土真宗本願寺派の方(特に関東の方)

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先日は、道を示して頂きまして有難うございました。

さて、今回は、この時期になるとフツフツと湧き上がるモヤモヤについてご教示願いたいと思い相談させて頂きます。

5年前に叔父(父の弟)が亡くなり父実家の宗派である浄土真宗本願寺派のお葬式をしたのですが、

叔父は此方の地元を離れ関東に住んでおりましたので、其方の浄土真宗本願寺派の導師様にお願いをしたのですが、お焼香の方が、まだ数十人単位
いらっしゃったのに『後は、ご自由に…。』と言って帰ってしまわれたのです。

お経も中途半端で、和讃を省いていました。
此方では正信偈の後に和讃が続くので、何だか
いい加減な感じがしたのは否めません。

やはり、何より一番、モヤモヤするのは、お焼香の方が、いらっしゃるのに帰ってしまわれた事
その時は、恥ずかしいやら、情け無いやら、腹立たしいやらで、叔父を悼む気持ちも吹っ飛んでしまいました。

ですが、冷静になって考えてみると同じ宗派だからと言って地域が違えば作法も習慣も違う事もあるのでは?と思い相談させて頂きました。

関東の浄土真宗本願寺派の方、実際は、どうなんでしょうか?
やはり、この導師様のように、お焼香の方がいらしても途中で帰るのが一般的なんでしょうか?
それとも、この導師様が間違っていたのでしょうか?

叔父の命日が近付く、この頃になると毎年思い出して、モヤモヤします。
どうか、其方での正しい作法を教えて下さい。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

焼香が終わらなければ待っています。

私は広島の浄土真宗の僧侶です。

葬儀の場合、参列が多く香炉の数が少ないと、読経中に焼香が終わらない場合があります。
事前の葬儀社との打ち合わせで、時間配分をすり合わせますが、どうしても読経中に終わらない場合があります。
私は終わりそうになかったら、少しゆっくりお経を読んでいます。
それでも焼香が終わらない場合は、読経を終えてそのまま座って待っています。
焼香が終わると、御文章の拝読し、最後に法話をします。
法話を終えて全員で合掌礼拝をして退出します。
葬儀は参列者と共に亡き人を偲び仏様とのご縁を繋ぐ儀式ですから、参列者全員で行いたいものです。
私はそう考えておりますので、焼香中ならば帰りません。

ちなみに葬儀中に全員が焼香をしなければならないという宗教上の理由はありません。
何故焼香するのかといえば、参列者がお金を置いて帰る理由がいるからです。
例えば「お悔やみ料」のような形で持ってくるならば、当家は快く受け取りません。
だから「御香料」「お香典」というものを持っていきます。
それは、『焼香をするときに使うお香の代金』という意味です。
『このお金はお悔やみではないよ。あなたが用意したお香を使うからその代金として持ってきたんだよ。だから断る必要はないよ。」ということです。
こういう理由で葬儀では焼香をすすめられます。
教えの上でいえば、全員で焼香する必要はありません。
しかし、葬儀を滞りなく執り行うための一つの知恵と言ってもいいかもしれません。

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始めまして、釈心誓と申します。 浄土真宗本願寺派の僧侶です。 若輩浅学...
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読経はお焼香のためのBGMではありません

ふさこにゃん様、こんにちは。

私は関西のものですが、お答えさせていただきます。
浄土真宗本願寺派の葬儀は、宗派が定めた「葬儀規範勤式集」というものに沿って勤められます。
さて、和讃が省かれていたとのことですが、正信偈は宗祖親鸞聖人が著された『教行信証』の「行巻」の最後に出てきます。
また、和讃はこの「行巻」とは別に「浄土和讃」「高僧和讃」「正像末和讃」という3帖の和讃が示されています。
ですので、正信偈と和讃は別々のものであって、正信偈を勤めたら必ず和讃を勤めなければならないというものではありません。
ただし、先に示した「葬儀規範勤式集」には、正信偈のあと念仏を唱えてから和讃2首を勤めるようになっておりますが、日常勤める和讃とは唱読法も違いかなり複雑な声明となっておりますので、非常に聞き取りにくいかと思われます。

もう一つのご質問、「お焼香の方が、まだ数十人単位 いらっしゃったのに『後は、ご自由に…。』と言って帰ってしまわれたのです。」
ですが、これは関東関西に限らずに「ある」と申し上げておきます。
タイトルに示したように、読経はお焼香が終わるまでのBGMではありません。私も「葬儀規範勤式集」に定められた読経が終わればお焼香の方が何人いようが退出します。
これに関しては事前に葬儀会場をセッティングしていただいた方と相談するのですが、たとえば読経時間が約20分、参列者が1000名いらっしゃる。じゃぁ香炉の数を20組用意しましょう。となるわけです。
それが香炉の数が5組しかなかった。これでは読経中にお焼香が終わるはずはありません。
事前の準備はとても大切です。
逆に参列者が5名でお焼香も数分で終わってしまった。じゃぁ読経も5分で終わろうか!とは、ならないわけです。

定められた儀礼・儀式に則って亡き人を偲び、お見送りをさせていただく心が何よりも大切です。
合掌

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おきもち

質問者からのお礼

なるほど‼︎良く、分かりました。
お経部分の話は、自分でもよく分からず同行していた別の叔父が非常に憤慨してまして、やはり命日近いこの時期になりますと、その件で親戚中に電話をしてくるので、このお話をしたいと思います。
お焼香に関しても、遺族、親族の焼香が終わると直ぐに、お帰りになられたので気にしてしまいました。

分かり易く、御丁寧なお答え有難うございました。

釈心誓様

また、違った御意見有難うございました。
私共の方でも皆が焼香を済ませた後に、御文章の拝読と法話を聴かせて頂いていたので
そう言ったお話が無かったので寂しい感じも致しました。
色々と状況によって変わってくる事もあると教えて頂いて納得がいきました。

御香料、御香典についてまで教えて頂いて有難うございました。
今迄、意味も考えないで使っていたので、この場で教えて頂けて良かったです。
改めて、この様な御縁に巡り会えた事に感謝します。
有難うございました。

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