人と自分を比べてしまいます
私はほとんどの能力が人より劣っています。読解力も理解力も低く、忘れっぽい。運動能力の低さで負ける気はしないし、不器用で社交が苦手です。
しかし、持ってないながらも何か得意なものがあれば、それを伸ばそうと、少しずつ頑張りました。結果、絵とピアノの技術ではほとんどの人に負けなくなりました。プロの世界となれば下の方ですが、それでも、一般の中で「あの子はダメダメだけど絵とピアノがすごい」という評価をいただくことが出来るようになったのはとても嬉しいです。
性能の低い私ですが、性能が低くても、自分のことは好きです。精神障害がありますが、寛解し、最近は自身の選択や人生を受け入れることが出来るようになりました。
ですが、どうしても、他人と比べてしまいます。前より前向きに生きられるようになったのは良いのですが、「あの子は勉強が出来ていいな」、「あの子は運動が出来ていいな」、「あの子は人気者でいいな」…と、考えてしまいます。ないものねだりをしています。そして、嫉妬し、強烈な劣等感に苛まれます。
とても苦しいし、誰かと自分を比べるのは人にも自分にも失礼だと思うので、やめたいのですが、気付いたら比較してしまっていて、どうすれば良いのか分からない状態です。
私は苦しみから逃れたいです。僭越ながら、何かアドバイスをしていただきたいです。よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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比較してしまうのは苦しいですね。私も心あたりがあります。
今でも私もつい人と比べてしまいます。一つ私が思うのは、基準を圧倒的に尊敬する人にする事です。浄土真宗の場合は、人間は皆それぞれ良い所も、悪い所もあるが凡夫であると説かれます。親鸞という人は「無明煩悩我らが身に満ち満ちて、欲も多く、怒り、腹立ち、嫉み、妬む心が常にあって、死ぬまで消えない、絶えない(唯信鈔文意)」と言っておられます。親鸞は仏教の歴史を変え、教科書に載るような歴史上のエリート僧侶です。そんな人が、人は誰もが愚かな凡人なんだと言っているのです。ぐうの音も出ません。この場合、親鸞は、他の人と比べて自己反省しているのではなく、悟りを開いた仏様と自分を比較して、こう言っています。仏様は常に真実の心で生きている方です。その方と比べたらちょっと良い事が出来たとか、能力が優れているということが問題にならないのでしょう。
あなたは「誰かと自分を比べるのは人にも自分にも失礼だと思う」と書いておられますが、親鸞さんの場合、まさにそうだと思うのです。他の人より修行が進んだ、今日も良いことしたと自慢する心が出ますが、仏様の目から見たら、人間はみんな間違ったこともし、いつか死んで行く、縁があれば病気にもなるし、他の生き物の命を奪ってしか生きていけない、罪深い存在なんです。だからこそ、仏様は人を悲しみ、救うと言っておられる。真実を見上げることで、謙虚な自分が与えられるのです。では、そんな自分がどう生きるかという新たな「問い」を頂くのです。そしたら少しは仏様の真似をして生きようかなと思うのですが、もはや出来たから自慢するということは意味がないと気づくのです。比べるなら、真実に生きる人と比べるのです。
これを応用して、圧倒的な神様のようなアーティストと自分を比較したらどうでしょう?そうすれば、その人に比べたらまだまだだ、と近くの人と比べる必要なくなりますし、少しの差で落ち込むことも馬鹿らしくなるかもしれません。音楽を伝えてくれた人、自分にまで音楽が伝わってきた歴史に思いを馳せれば、その中で人より優れてるとか、上手くできたとかはあまり問題にならない気がします。
もう一つは、人と比べることはそんなに悪いことではないかもしれないとも思ったりします。漫画家の手塚治虫なんかは物凄く嫉妬深かったそうです。自分より若い漫画家が良い漫画を描くと怒ってけなしたそうですよ(本当は尊敬しているのかも)。
比べても構わない。
他人と比較しない人は
この世に存在しないでしょう。
比較するから向上心が起きるのであり
それが今の人類の繁栄につながったのです。
でも
あなたも分かっているように
比較は嫉妬も招き
とても苦しいものです。
「人間だから仕方ないよね」
って思えるようになれたら
少しは楽になれるんでしょうね。
質問者からのお礼
お礼のコメントをするのが大変遅くなりました。今更ですが感謝の気持ちを伝えさせていただきます。
和田隆恩様
確かに、人間だから仕方ない…と自分を許すことは大事ですよね。自分のまま、たまに人と比べながら高みを目指して生きていこうと思います。
釈義行様
貴重なストーリーを教えてくださってありがとうございます。手塚治の件は初耳で、少し驚きました。
真実を生きる人を尊敬し、その方と今の自分を比べて生きる、という生き方を忘れないようにします。