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平常心を保ち、今この瞬間に向き合う方法

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有り難し有り難し 15

初めまして、どうぞよろしくお願いします。

7歳の飼い猫が末期の癌と診断され、手の施しようがないと言われ現在自宅療養をしています。すごく悲しい言い方ですが、自宅で緩和ケアをしながら最後の時間を私たちと過ごしてくれています。

今一緒にいられる時間の大切さを噛み締めて毎日を過ごしていますが、つい過去を振り返って後悔したり、いなくなってしまった後のことを考えて泣いてしまいます。
また、食欲が落ちて大好きなごはんを食べたがらない姿を見て落ち込んだり、歩くときにふらふらする姿や薬の副作用で苦しむ姿を見て悲しくなったりしてしまいます。

そこで、厚かましいですが以下3つの質問をさせてください。

1. この子が今まさに生きてくれているこの瞬間に感謝し、今一緒にいられる時間にきちんと向き合って悔いなく過ごすために、過去や未来に行きがちな意識を「いま、ここ」に集中させるにはどうしたら良いでしょうか?

2. 私が悲しんだり落ち込んだりすると、優しいこの子にも伝わって、きっと心配をかけてしまったり悲しませてしまうと思います。小さなことに一喜一憂せず、できるだけ平常心を保って穏やかで幸せな気持ちで接するためにはどうしたら良いでしょうか?

3. 猫は亡くなったあと生まれ変わりますか?それとも死後の世界(虹の橋?)で私を待っていてくれるでしょうか?生まれ変わりでも死後の世界でも、どんな形でも何年かかってもいいので、宝物のこの子にいつか必ずまた会いたいと思っています。

長くなってしまい大変恐縮ですが、ご回答をお待ちしております。どうぞよろしくお願いします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

無理せず自然に共にいては?

はじめまして。ご相談拝読しました。

愛猫ちゃんとの最後の時間になるであろう日々を過ごされていらっしゃるとのこと。言葉で言い尽くせないようなお気持ちであるとお察しします。

以下、微力ながら共に考えせていただいきますのでご参考にしていただき、あなたなりの素敵な時間を愛猫ちゃんと共にお過ごしください。

1、意識を「いま、ここ」に集中せる方法について
「いま、ここ」はよく聞くワードですから知識としては知って。いらっしゃるのだと思います。しかしそれが人間の現実を無視した理想論であるならば逆に苦しむばかりかもしれません。過去や未来から分断された今はありません。過去も未来も今のあなたの中を流れている時間です。過去を懐かしんだり、後悔したり、未来を憂いたりするのも今してることです。「いま、ここ」の自然な反応・感情を認めてあげませんか?どんな気持ちのままでもいいのでできることをする他ないのではないでしょうか。

2、感情の伝播について
そういうことはあるのかもしれません。でも愛猫ちゃんの立場からすると大好きな飼い主さんの自然な感情を共有できることはけして不幸ではなく、むしろ嬉しいのかもしれません。我慢したり取り繕うよりも、最後の瞬間まで泣き笑いを共にできることは素敵なことではないでしょうか。

3、生まれ変わり・再会について
愛猫ちゃんの自身の死後がどうなるかは悲しいですが誰にも実際に確かめることはできません。仏教では輪廻を説きますが、生まれ変わりがあると解釈することも、そうでなく心の有り様だと解釈することもできます。いずれにしろどこまでいっても推測の域をでません。
しかし、あなたが死んでからでなく、生きている間に愛猫ちゃんと再会することはできます。それは霊や魂という話ではなく、「存在・はたらき」としての愛猫ちゃんとの再会です。命の終わりとともに、亡き命と共に生きる私が誕生します。大切な命の死という事実から様々な問いや促しを受けて、私たちは生きていきます。そこに姿形声はなくとも、たしかに出会いがあると思うのです。その死が無ければ生まれなかった私との出会いという形で、愛猫ちゃんはあなたに寄り添い続けるのではないでしょうか。

あくまでも私見です。ゆっくりと感じ、確かめていただき、また何かありましたらいつでもご相談ください。

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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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質問者からのお礼

吉武文法様

こんなにも丁寧なご回答をいただき感謝いたします。何度も噛み締めながら拝読いたしました。

ご指摘のとおり、強くいなくてはと気を張って、そのことに囚われていたように思います。
「『いま、ここ』の自然な反応・感情を認めてあげませんか?」
「我慢したり取り繕うよりも、最後の瞬間まで泣き笑いを共にできることは素敵なことではないでしょうか。」
こちらのお言葉に救われ、心が軽くなりました。どんな感情であっても、愛猫と最後まで共有できるのは確かにとても素敵なことですね。
私が無理をすることでこの子に心配をさせてしまう可能性に気が付いていませんでした。気付かせてくださってありがとうございます。

「その死が無ければ生まれなかった私との出会いという形で、愛猫ちゃんはあなたに寄り添い続けるのではないでしょうか。」
確かに、この子のおかげで「死」について人生で初めて深く考え向き合う機会を得ました。
そのおかげで、わずかではありますが仏教の教えに触れ、こうしてhasunohaに出会うことができました。
いなくなってしまった後も、私の心の中で生き続けるこの子と共に歩んでまいります。そして、きっといつかまた出会えると信じたいです。

吉武様のご回答を、心の支えとしてこれからも繰り返し読ませていただきます。
たくさんの優しいお言葉をいただき、本当にありがとうございました。

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