僧侶のお仕事について質問させてください。
僕は中学生で、興味のある職業について調べています。
僕が選んだ職業は、趣味の仏像鑑賞にも精通する僧侶です。
質問の内容なのですが
・仕事内容
・その職業に就くためにどうすればよいか
・仕事中に心がけていること
・その仕事をしていてやりがいを感じるとき
この質問に答えていただけないでしょうか。宗派や、寺院によって変わることは、承知しております。
答えづらい質問は無視していただいて結構です。
よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
僧侶だからこそできること
こんにちは、初めまして。
僧侶に興味を持ってくれて嬉しいです。
趣味が「仏像鑑賞」とは、よほど仏教と縁の深い方なのでしょう。
・仕事内容
一般に「仕事」と言われるものを法務(ほうむ)といいます。
私は浄土真宗ですが、本堂の維持管理、ご門徒さん(一般には檀家さんといわれることもあります)宅へのお参り、研修、ボランティア、そしてこのような人生相談の聞き役などです。
・その職業に就くためにどうすればよいか
僧侶になるためには、身元引受になってくれる寺院が必要です。この引き受けてくれる寺院を訪ねて、日頃から法話会への出席や行事参加などをして、信頼関係が結ばれて住職に認可されて初めて僧侶としての基礎条件が整います。これに加えて、僧侶になるための学習研修が必要になります。これは我が宗派では、通信教育があります。
中央仏教学院
http://www.chubutsu-tsukyo.jp/
・仕事中に心がけていること
衣を身につけている時には、特に仏様に見られている自分を意識しますし、周囲の人からも注目されていると意識します。僧侶として仏教の教えや作法に則って生活、行動するようにしていますし、仏教徒としても教えを生活の中で考え感じるようにしています。
・その仕事をしていてやりがいを感じるとき
これはどの立場でも同じでしょうが、ありがとうございましたと感謝されるときは嬉しいです。葬儀、法事などの仏事は、言葉に出さないまでも近親者を亡くして悲しみの中に行われます。死という人間には避けて通れない悲しみに、心を落ち着けていく役割が仏事という儀式にはあります。その一翼を担えるということは僧侶ならではです。
また、法話をすることで、仏教を門徒さんと共に喜べるという場面は特に嬉しさが大きいです。法話をすることは、私から見ると多大な勉強と経験が必要です。仏教の教えを正確に理解し、自分なりの言葉で表現をし、かといって独りよがりにならず他者とも興味が共有できるような法話をすることはなかなかに難しいです。でも、その分、同じ仏教を考え、感じることを共有できたときの嬉しさは大きいと思います。
そして、何代にも受け継がれて、地域に根づき、人の日常の考え方にまで深く根を下ろした仏教とその伝統に今もって驚きます。
あなたも、よかったらこれからも仏縁を深められてください。
ご質問ありがとうございます。
答えはお坊さんそれぞれ違うと思います。私の場合は、、
・仕事内容
通夜葬儀、年忌法要、お盆やお彼岸のお参りなどを通じてご先祖様や亡くなられたご家族を遺族の方々と共に供養します。
そのようなことを通してご遺族の方々の人生を応援することだと思っています。
・この仕事に就くには
先ずは師僧を探すことです。
・仕事中心掛けていること
目の前の方々のことを一番に考え、仏教や自分の宗派に必ずしもこだわらないように。
・やりがい
無いです。目の前の病の人を救うこともできませんし、亡くなられた方を生き返えらせることもできません。ただ話を聞いたり、知っていることを伝えたり、そして悲しいことが多いす。
ただ、多くの人と触れ合えることは幸せなことかもしれません。
南無阿弥陀仏
僧侶とは
質問者様も言われている通り、宗派や寺院の形態、地域や歴史などによって、いわゆる僧侶としての役割は変わってくるのかもしれません。
私の宗派は「曹洞宗」です
総本山は無く両大本山として、福井県の永平寺と横浜市の總持寺があります。
先ず、
①僧侶としての仕事内容ですが…ひと言で言うと「布教活動」です。
もともと「僧侶」というものは仕事をするためになるのではなく、僧侶として生きる事を選んだだけの事です。
但し、現代では多くの場合お寺の住職が家庭を持ち、そこに生まれ、僧侶である「父親」や家族と暮らし、その収入により家族が養われます。従いまして、収入を得る手段を「仕事」というのであれば、葬儀をはじめとする各種法要や日頃の檀信徒さんに求められる月参り、又はお墓や納骨堂などの運営や管理をする宗教法人としての事業などだと思います。その収入が法人である「お寺」に入り、「僧侶」というより「住職」として会社員の方と同じように、給与&賞与を戴きます。
➁職業に就く為にどうするか?…「住職」になる為に「僧侶」になります。曹洞宗では、10歳になれば「僧侶」になる為の第一歩となる「得度(とくど)」を受ける事が出来ます。それにより、僧侶としての名前「僧名」をもらい、得度をして頂いた師匠の下で僧籍に登録されます。以後、修行道場で安居(あんご=多くの方は1年から5年くらい)し、段階を経て僧侶になります。僧侶として仕事をするには、ご縁を頂いたお寺の後を継いだり事業的に大きなお寺に勤めに行くかが、中心になります。
➂仕事?中に心掛けている事…私で三十代目になるお寺を良い形で後世につなげていけるように、どなたとも対立することのないようにお付き合いをしています。まず、人は誰でも自分を良く言ってくれる人と一緒にいると心地よく、その逆は居心地が悪く感じる事が多いと思います。しかし、私にとってはその両方の方の存在がとても大切で、短い人生せっかく出会ったすべての方々(実際はそうはいきませんが…)と良いお付き合いが出来るように心がけています。
④やりがいを感じる時…自分の考えを他の方に伝える機会が一般の方よりも多く、伝える場を与えて頂いていると感じています。又、「僧侶」として見られていることが多く、足りない自分に気が付けた時や、今相談者さんの質問にお答えしている時、お役に立てているならとても嬉しいしやりがいを感じます。