お寺で働く方についての質問です
私はゲームなり本なり創作なりでお寺で働いているキャラクターをよく見ます。
私も創作物を書くのですが、お寺についていくつか疑問が湧いたのでお答え頂ければ幸いです。
1、お坊さんが世襲制だという話
親がお坊さんなので自分もお坊さんになる。というのはお寺では多い事なのでしょうか。
また、そのような家系にお産まれになった女性の方に、巫女になるという選択肢はあるのでしょうか。
2、お札について
初詣などでお札を頂く機会があります。
この「お札」というのを作るのに適切な時期のようなものはありますか?(例えば、仏滅を避ける……等)
また、お札を作成される方はお坊さんだけなのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
自分の見聞の範囲になりますが
曹洞宗の吉田俊英と申します。自分の見聞している範囲で回答させていただきます。
1、曹洞宗の場合でも、いわゆる世襲の寺院は多いと思います。私は岩手県の寺の生まれです。実家の寺は兄が住職をしております。亡くなった実父(大正14年生まれ)は寺の生まれではありません。小学校の時、お寺の小僧となり、僧侶になりました。戦前までは、生活苦のため幼くして子供を商家の丁稚奉公にだしたりお寺の小僧にだしたりすることは多かったようです。
曹洞宗でも、お寺によっては住職の息子が後継者になれない寺院もあります。いわゆる由緒があり格式があるいわれる寺院です。本山から派遣される場合も有ります。また、其の寺の法類会(師匠・弟子の関係で親戚的な関係者)から選ばれたり、末寺会(分家の寺のグループ)から選ばれたりする場合もあります。
2、お寺の住職の夫人のことを寺族・寺庭・坊守と呼ぶ場合が一般的です。通称として、「お庫裡さん」「大黒さん」と呼ぶ場合もあります。既に回答に有りますように、巫女(みこ)は神社の女性職員のことを指す場合が一般的です。
尚、歴史的には、「巫女=シャーマン」と理解される場合も多いようです。つまり、「依り祈祷を行い神託を伝える」「先祖や故人の霊を憑依させ、口寄せを行う」等の行為を行う女性の宗教者を、巫女と言ってます。宗教学や民俗学の分野では、そういう場合、巫女を「ふじょ」と呼びます。
こんにちは。曹洞宗です。
1、お坊さんが世襲制だという話
お寺の子供がお坊さんになる、というのはよくある事です。一方でお寺の子供だけどお坊さんにならない人もいますし、お寺の子供ではないけどお坊さんになる人もいますが少数派です。私の印象ですが、多くの檀信徒の方は、菩提のお寺の子供がお寺を承継する事を望んでおられると感じます。
「巫女」は古来は神託を得たり口寄せなどをするシャーマン的な存在でしたが、現在は神職の補佐などを行う役職の事をいうようです。お寺の娘さんがそのような職業についてはいけない、という事はないですので、選択肢としてはあると思います。女性ばかりでなく、お寺の子供として生まれた人がどのような性別であっても神職に就くことは選択肢としてはありだと思います。
2、お札について
特に決まった日はないです。仏滅などの「六曜」は占いの一種であり、仏教的には何の意味もありません。
曹洞宗では「立春大吉」「鎭防火燭」と書いたお札を貼りますが、私はこのお札を立春の日に書き、貼り替えるようにしています。
お札の他にも、卒塔婆とかご朱印とか、お寺には筆書きのものがたくさんありますが、私の寺ではお坊さん(私)が全て書きます。書法などに作法があるものもあるので、やはり僧侶が書くべきものだと思います。
浄土真宗方面からの回答
こんにちは。
このご質問は、宗派ごとによって事情も違うと思います。
私は浄土真宗方面から。
1、お坊さんが世襲制だという話
これは、我が宗派では最も多いです。
女性の場合は、一般家庭にお嫁に行くのはもちろんのこと、他のお寺に嫁ぐ(坊守と呼ばれます)ことや、女性住職になる場合もあります。「巫女」さんは、主に神社の方でしょう。
2、お札について
我が宗派では、御札、お守りは一切ありません。
阿弥陀如来様への帰依を第一に考えているためです。
また、お経にはない「仏滅」などの六曜に類することは、行動の指針にしていません。
ご参考まで。
宗派によって異なります。日蓮宗では
では、日蓮宗では・・
①他の方がお答えされたと、ほぼ同じです。
巫女さんも神社関係です。でも、妹が高校卒業後数年間、近くの神社で正式に働いていました。
②ご祈祷を行いますから、お札は常に作ります。お守りもあります。先日も節分祭でしたから、それこそ宗旨宗派問わず、参詣され祈願された方には祈祷後、授与致しました。誕生する前の腹帯から、初参り、七五三、厄年、地鎮祭、結婚式等あらゆることを行います。それは生きている人のためにが大前提です。その延長線上にご葬儀、ご法事があるのです。
ちなみに、お札等は専門業者がありますが、祈りを加えて初めて生きたお札となります。祈るのは私たちです。
暦もありますが、真言宗と日蓮宗は同じですが、一般的な高島暦とは内容が異なります。
六曜は、今の七曜のようなものです。
マイナーな話も…
1:浄土真宗は、
宗祖の親鸞聖人から結婚が認められているので、
その時から世襲で住職を務めています。
東西両本願寺のご門主(ご門首)は親鸞聖人の子孫です。
娘さんしかいないお寺は、
その女性が住職になるか、
養子を迎えてその夫が住職になります。
他の宗旨宗派は、
明治期から結婚が正式に認められたので、
それ以前は正式には世襲制ではありませんでした。
私のような在家出身者が
跡取りのいないお寺に入ることもあります。
質問者からのお礼
様々な宗派の方々からご回答頂けて嬉しかったです!
大変参考になりました。
ありがとうございました!