高い理想を持つのはいけないこと?
こんにちは.最近就活を始めた大学2回生です.高い理想を持つことは,今の私にとって,間違っているのでしょうか?
私は高校では地元で有数の進学校に入れたのに,高校生活で勉強を怠ったため,
第一志望の大学に入れず,中堅大学に入りました.
大学合格時,高校の同窓生の華々しい進学先と自分のを比べて,劣等感を感じました.
私はこの思いを自己研鑽に昇華すると決意し,大学入学後は学校の授業を真面目に受け,部活動や留学など,積極的に挑戦するようになりました.
時にサボることもありますが,その際は自分を責めずに許してひたすら「これからどうしたら良いか」を考えてやり過ごしています.
また家族や友人等,周囲に応援してくれる人がたくさんいて本当に感謝しています.
しかし,最近,私の持つ劣等感は,高い理想を持っているから生じるものだと気づきました.
ふとした瞬間に,どうしても,私が知り合った高学歴で優秀で未来のために日々努力する人々を思い出し,「彼らみたいな高い学歴は手に入らなくとも,少しでも近づきたい!」と思ってしまいます.
実際のところ,それが今の私の原動力なのですが.
一方で,私が通う中堅大学の友人は,私のように高い理想を持たず,でもやりたいことには本気で取り組み,今を楽しんでいます.そして大半がこれまで卒業生が就職してきた地元や地方都市に就職します.
しかし,私が目指す業界・会社には,高学歴の割合が多く,私の大学から就職した人は1人しかいません.
かといって,私は高学歴でもなく,けっして優秀なわけでもないのです.
(むしろ同じ大学に私より優秀で尊敬できる人もいます)
でも将来は高学歴で優秀な,彼らのような人たちと働きたいという希望を捨てきれず,高学歴ばかりが集まる就活コミュニティにたくさん足を運び,繋がりを作ろうとしてしまいます.
自分と同じ大学レベルの学歴でそのようなコミュニティに入っている人がいなくて,孤独です.自分で足を踏み入れておいて,周囲の学歴と自分の学歴を比較して落ち込んでしまいます.
私の高い理想は身の丈に合わないものなのでしょうか?
高学歴でない自分は,自分と同じレベルの学歴の人が集まる,身の丈にあった職業にしか就けないのかと思ってしまいます.
つたない文章で申し訳ないです,ここまで読んでくださったこと,大変感謝いたします.
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
己を知る
慈陽院の平本と申します。
理想や目標を目指して進むにあたり一番大事なことは、「継続的に努力ができる才能」と「進みたい職業に必要な能力や才能」があるかどうかだと思います。
この2つのうち特に「進みたい職業に必要な能力や才能」があるかどうかが一番大事なことになってきます。この能力は、学歴では分からないところがあります。
学歴が高いけど仕事ができないという人を聞いたことがありませんか?
これは、学校の勉強をする能力は高かったが、とある分野においての仕事の能力がなかったということになります。
つまり必ずしも学歴=仕事成功には、ならないということです。
ただ学歴がある方が就職では有利に働いてしまう場合があるのも現実なので、今から仕事に必要な能力を高めて差を縮めていくしかありません。
まずは、自分の能力を知ることだと思います。自分の行きたい職種で活躍するには、どんな能力が必要なのかを調べたり、その職業に進んだ人に聞いてみてください。
そしてもう一つ知ってほしいことがあります。
目標を達成する。理想を成し遂げる=幸せではない。という現実です。
トントン拍子に目標や理想を達成し、社会的な地位や財産や家族や仲間を手に入れ、なに何不自由なく生きているように見える人でも悩み苦しんでいる人はいます。それどころかその苦しみに耐えきれずに命を投げ出す人もいます。
逆に失敗続きで、逆境の連続であっても、失敗をバネにして人生を楽しく生きている人もいます。
なのであまり力まずに、目標や理想を目指してみてはどうでしょうか。
それと幸せとは、何かということを少し考えてみると、目標や理想を達成する力になると思います。
あと人には、必ず得手不得手があり、比べれば誰でも欠点が見えてしまうことは、当然なのであまり人と比べることは、しないほうがいいですよ。
では、目標や理想を目指し頑張ってください。応援しています。
自分をプロデュース。健康に続けられる仕事を。
何かに挑戦するときに、その成功率が高いか低いかはあなた自身がなんとなくわかるでしょう。
たとえば、あなたが就きたい仕事のジャンルにおいて、高学歴の人に比べて能力・才能・知識で劣っていないという自信があるかどうか。
(そのジャンルのオタクであるとか。)
就職試験で勝ち残る自信がちょっとはあるかどうか。
たとえば独学で司法試験に挑む人は、「これだけ勉強したのだから合格する可能性がある」と少しは手応えがあるはずです。
陸上部の経験はなくてもフルマラソンに挑む人は、「普段からジョギングしているから完走はできるんじゃないかな」と少しは自信があるはずです。
音楽大学を出ていなくてもミュージシャンになる人は、その人なりに研究・練習して作曲のスキルを磨いています。
一方で、学歴のある人は「受験勉強のときに結果を出せたのだから就職試験でもライバルに勝てるんじゃないだろうか」という自信を武器に戦うかもしれません。
そのあたりはどうでしょうか?
ただ闇雲にチャレンジするのではなく、戦略的にチャレンジすること、出したい結果から逆算して今やるべきことを考えることが重要でしょうね。
自分をプロデュース、マネジメントしましょう。
能力に見合わない舞台に立ち続けると、心身を病んでしまう可能性もあります。
健康で長く勤められる仕事につけると良いですね。
浄土宗を開いた法然上人は、一部のエリートにしかできない難しい修行ではなく、誰にでもできる易しい修行方法を世に広めました。
法然上人は、自分独りの力で悟るのは難しいので仏様に教え導いてもらおうという「戦略」を選びました。
あなたも、そのジャンルの「師匠」(先輩や塾)をみつけるのはどうでしょうか。
質問者からのお礼
ありがたいお言葉をくださり,誠にありがとうございました.
・自分には,理想の職業に必要な才能があるのか
・そもそも,理想を叶えても幸せになるとは限らない
・目標となる道の「師匠」を見つける
以上のことに留意して,もう一度考えてみようと思います.
私の悩みに真摯に向き合い,丁寧に答えてくださって,
本当にありがとうございました.
お二人の言葉遣いがとてもお優しくて,お言葉を読んでいるだけで
とても落ち着くことができます.
就職活動中のため,職業に目を向けることが多くなったのですが,
お坊さんと言う職は,人々に救いの手を差し伸べる,
素晴らしい職業だと思いました.
本当にありがとうございました.