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幸せだと思いたい

回答数回答 1
有り難し有り難し 6

物心ついた頃から、自分は周りに比べて劣っていると感じ続けてきました。
片親の長男で、過度に期待され、家督として叱責され、家も裕福でなく……。虚勢や虚飾にもいよいよ疲れ、現在は半ば自暴自棄に過ごしています。
 
幸か不幸か、英才教育の賜物でしょう。半端に頭が回るので、どうしても劣等感や希死念慮が拭いきれず、何をしていても「いっそこのまま」などと思ってしまう自分にもまた、情けなさが出てきます。
 
「好事魔多し」「塞翁が馬」などと自分に言い聞かせてはいますが、一向に人生の波乱が落ち着く事はなく、むしろ年月を経るごとに波が大きくなる一方に感じます。
 
職場を転々とし、借りられるところからは概ね金を借り、催促状や電話が鳴り止まず心が落ち着かない状況ですが、新たな就労先や趣味も見つけたので、遅くともあと半年経てば、好転とまではいかずとも、ささやかな安息を得られそうなのです。
 
しかしながら、もう一人では抱えきれないのです。かつて人に相談する度「お前が悪い」「やる気が足りない」「向上心がないだけ」と言われ続け、他人に期待せず自分一人で抱え込んで来ましたが、いよいよ年貢の納め時が迫っているのです。
 
少ないながらも私のことを「才能がある」「面白い」と(道化としか見られていないかもしれませんが)評価してくれる友人がいて、人並みに恋愛も経験し、最愛の人がとりあえず隣にいる状況……。
 
私は幸せだと思って良いのでしょうか。
ストレスを発散しようと深夜に歩けば職質され、車を走らせれば取り締まられ、色んな事に手を出すも出鼻をくじかれたりなんですよ?
 
それとも歪み切った私にはもはや、現世では餓鬼畜生の如く生きるか、自分に嘘をつき続けて修羅の道に進むしかないのでしょうか。
 
最後になりますが、私を救おうなどという好事家など、もはやこの世にいないとは思いますが、最後に掴む藁の幾ばくかとして、ここに質問した次第でございます。
 
ご意見・こ叱責のほど、何卒宜しくお願いします。
 
長文、乱文につきお目汚し失礼致しました。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

悩みを相談できることは幸せなことです 一人ではない証ですから

 仲間さん、お早うございます。仲間さんにお尋ねします。このハスノハに書き込む前と書き込んだ後では、心や頭がやや軽くなるなど、心身に何か変化がありましたか。私もお寺で「悩み事相談」を長年お受けしてきました。生育歴や現在抱えている悩み・今後の方向性は人それぞれです。一人の僧侶が、一人ひとりに的確に解決策を提示することは困難です。私の役割は、聞き役です。安心できる場所を提供すること。ご本人が心や頭の中でモヤモヤと抱えていた物事を、言葉にしようとする時間を提供すること。言葉にした時の気持ちやその時自分自身が気づいたことなどを受け止めること。ともに生きようとすること。これらを大切にしながら、「悩み相談」を続けてきました。
 信頼できる人に相談をすることは、相談した相手から答えをもらうという受動的な営みではありません。むしろ、言葉に出しながら自分自身を振り返り、これからの歩みを産み出そうとする、とても能動的な営みだと考えています。仲間さんの心の奥底には、「自分の人生を大切に生きていきたい」という願いが、しっかり息づいます。だからこそ、このハスノハとの出会いが整ったのだと、私も仲間さんの相談を大切に受け止めました。その文面には、辛く苦しい出来事もたくさんお見受けしますが、同時に仲間さんを評価してくれる友人がおられ、新たな就労先や趣味も見つかり、最愛の人もいらっしゃるとも伺いました。そのことを素直に「幸せだなあ!」と受け止めて良いのです。
 現実の幸せとは、自分の願いが100%かなった時に表現するものというよりは、数多くの不自由さの中にあって、些細な喜びや楽しみ・安らぎを感じた時に思わず表現するものだと思っています。実際に世界中が新型コロナ騒動の中ですから、100%自分の願いが叶っている人は、誰一人いらっしゃらないと思います。不幸(0)か幸せ(1)というデジタル思考ではなく、0と1の間にある無数の数を頭に思い浮かべてください。そして、日常生活で何気なく見過ごしてきた喜びや楽しみ・安らぎの一つひとつを、数え上げ受け止めながら歩んでみてくださいね。もし、自暴自棄になりそうになったら、静かな場所に移動すること、大きく深呼吸を繰り返すこと、絶え間なく動き続けてくれている心臓に両手を当てて感謝すること。これらを、思い出してください。ハスノハの僧侶一同、仲間さんのこれからを応援しています。

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有り難し
おきもち

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん...
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