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勉強の目的とは

回答数回答 2
有り難し有り難し 21

お坊さん、こんにちは!
私は高校2年生です。

私は今まで進路に対する目標がありませんでした。ですが最近、自分が将来やりたい事が見つかったと同時に、両親のためにも勉強しなければならないな と感じるようになりました。

自分で言うのはあまり宜しくはないですが、他の家庭よりも私の家は裕福で、今まで日本各地様々な所へ連れて行ってくれたし、欲しいものは与えてくれて、何より沢山の愛情を両親は与えてくれました。
そんな中去年から、自分が親に対してできる親孝行ってなんだろう?と思い始めるようになりました。
良い進路にいけるように、と学業に関するお金も沢山出してくれてきたし、ならば自分の行きたい大学に入って自分のなりたい職を手にしたら親孝行出来るのかなと思いました。

ですから、自分のためというよりも親のために勉強したいと思うようになりました。
ですがこの考えは良くないのでしょうか?
私なりの感謝の伝え方と解釈して良いのでしょうか?

本当に両親のこと、妹のこと、家族が大好きなんです!!
文章が変ですがお許しくださいm(_ _)m


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ご家族とあなたは切っても切れない関係

こんにちは。

大変お幸せそうなご家族の様子が伺えます。
だからこそ、「親孝行」したいし「自分のためというよりも親のために勉強したいと思うようにな」ったのですね。私は、動機そのままに一直線で勉強に取り組んでほしいと思います。

人間は、一人で生きていけません。
人間は、縁起、縁によって起こっている存在です。
自分以外の誰か(親を含めて、友人、知人、他人も含めて)が私を私たらしめています。親がいるから、あなたは子である。「妹」がいるから、姉である。高校があるから、「高校2年生」である、のです。

つまり、ご家族とあなたは切っても切れない関係なのです。
人は皆、意識していても、意識していなくてもご家族のことがどこかしら心を占めているものです。「親のために」を強く意識する人もいれば、ほとんど意識しない人もいる。しかし、それはどこまでも程度の問題です。

だから、あなたは胸を張って「親のために勉強」して下さい。
そして、「親孝行」して上げて下さい。

ただ、あなたが気にしているように、「勉強」は自分自身のためにするものであることも事実です。親御さんの方向を考えて進路を考えすぎたり、受験の合否で「親孝行」できていないと悩みすぎるのも問題です。自分の責任において、自分の意志ということも十分見計らって下さい。

そして、「親孝行」は必ずしも「自分の行きたい大学に入って自分のなりたい職を手にしたら」に限らないことも念頭に置いておきましょう。希望の大学に入れなくても、なりたい職に付けなくてもあなたはあなたそのままでいい、と親御さんは思ってくれているのではないでしょうか。どんな未来があろうとも、あなたが「家族」を「大好き」なように、ご両親も妹さんもあなたを無条件で「大好き」であることを大切にしていって下さい。

家庭生活、学校生活共に充実するといいですね。

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釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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子どもの善行為、親の善行為

『シガーラ教戒経』(漢訳は「六方礼経」)というお経に、親子、師弟、夫婦、友人、仕事仲間、宗教者たちとの付き合いの六種類全部の正しい付き合い方が簡潔に説いてあります。スマナサーラ長老『成功する生き方』(角川文庫)という解説本が出ています。
 子どもが親に対してやるべき善は二種類だけ。一つは、自分を成長させるという意味で「勉強」。将来のために、親の庇護下にあるうちに学ぶべきです。学術、技術はもちろん、それに必要な体力と、何よりも、家庭でも社会でも必要不可欠な善悪をわきまえる道徳心、いわゆる心技体全部の学びです。自分を成長させることが、親に対してできる善の一つです。何でもいいので、庇護下にあるうちに堂々と学んでください。
 もう一つは、親孝行です。親が保護してくれるのにおんぶにだっこではいけません。子供のうちから親に感謝し、できることを手伝うのです。
 大人になったら、親に対してもう三種類。結婚して子供を作ること。何か仕事をして親を養ったり家庭(土地や財産の管理とか地域の役割とか)を支えることと、親が亡くなっても先祖供養することです。
 ちなみに、親が子供にすべき善も五種類です。子供のうちは育ててあげる。学ばせてあげる。大きくなったら結婚相手を見つけてあげる(2600年前のインドです。今なら結婚を認めてあげる)。家庭の役割を譲る(これを財産関連と地域での役割の二種類に分けます)。
 第二次大戦後の日本が西洋的な考え「個人の独立」でぶち壊そうとした古き良きアジアの家庭と社会の姿が、仏教では、普通に生きて普通に死ぬ、それこそが丸ごと善行為です、と、最初から定義されています。
 今のあなたの考えが、正しいと思います。マザコンとかファザコンとかは依存ならば間違いですが、親のおかげで成長し、真に独立できた人は、いつまでも親を尊敬し大事にしています。仕事は何でも構いません。自分に向いているものを選んで、そのために学び、学ぶ今も、お手伝いなど親孝行に励んでください。

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おきもち

初期仏教というか仏教本来の教えを学びつつ、その在家信者のあり方から見た日本...
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質問者からのお礼

皆さん、ありがとうございます。
少し気が楽になって、良い方向に自分が進めそうな気がします!全力で家族に尽くせるように、これからも頑張ります!

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