骨壷に水がたまる件について
父が亡くなり、一周忌を迎えるにあたって納骨することになりました。
いろいろと調べているうちに、「お墓に納骨すると骨壷の中に結露が生じて水が口いっぱいまで溜まる」、「骨壷を開けてみたら水がいっぱい溜まってました」という内容のものを多く見つけました。
現在、父の骨壷は陶磁器の切立で底に穴は開いてなく、ふたの周囲はテープでぐるりと留めてある状態です。購入した骨壷メーカーさんに問い合わせたら20~30年で水がたまるでしょう、とのことでした。ほかの骨壷屋さんにも問い合わせてみたら水がたまるのは普通のこと、と教えていただきました。
でも水がたまるのを知った以上、何か対策をしたいです。
『水がたまらない骨壷(素焼きや乾燥性の高い石を使ったものなど)』が販売されているので、入れ替えを行いたいと考えています。
お墓の場所は神奈川県横浜市で、湿度は平均的だと思います。
洋墓のスタイルで排水溝はありますが、通気口はありません(構造上作ることができないのと、雨が入るので一時期流行ったけど最近は作ってない、と墓石屋さんの説明でした)。
カロート内は四方が御影石、その左右外側は土で表面には芝生が植わり、骨壷を安置するところはサラサラな砂です。ちなみに横一列で他の方のお墓と連なっています。
午後2時ぐらいまではだいたい正面から陽が当たり、背面が高い壁になっているのでだんだんと陰ってきます。
知りたいのは
1、 陶磁器の骨壷の場合、そのほとんどは水がたまっていると考えてよいか。
2、 父の現在の骨壷で納骨すれば、やはり水がたまる可能性が高いかどうか。
3、 「水がたまらない骨壷」に入れ替えをするなら自宅で行ってよいか。
その時に注意することなど。
4、 そもそもお骨の入れ替えをするなんてもってのほか、なのか。
質問が多くて申し訳ありません。
インターネットで調べたり、業者さんに電話で問い合わせて確認したことを改めて質問してはいますが、お坊様のお話を聞かせていただきたいと思っています。
このたび初めてお墓を作り、納骨後の状態を知る術がありません。
他になにか気をつけたほうが良い点などがありましたら、
何卒ご教示よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
もう一つ、対処方法として・・・
大切なことは既に上記の三師が述べておられるので、別の対処法をお話します。今の御骨壷の底に排水用の穴を開けるのです。陶器製ですから割らずに穴を開けるのは難しいかも知れませんが、可能性のある方法だとお思いください。
四大仮和合して人は存在し、四大分離して去って行く。
火葬した遺骨を墓地区画内の墓石の下のカロートに埋葬する場合
1、骨壺のまま、埋葬
2、骨壺からお骨を取り出して、埋葬
ちなみに、私の居る仙台では、遺骨を骨壺から取り出して晒の布の袋に移し替えてカロート内に埋葬します。
納骨の際、石屋さんは墓石の蓋を外して遺骨をカロートの中に納め、蓋を元に戻し、後でセメントやコーキング剤で隙間をふさぎます。そのように雨水が入らないように注意しても、隙間が全く生じないようにはいきません。
大部分の墓地霊園では、造成工事の際カロートの下に暗渠を作り、水捌けを良くするようにしています。通常の降雨でカロート内に水がたまることはまずありません。しかし、台風や豪雨で大量の雨が降れば、排水が追いつかずカロート内に水はたまります。
通常の墓地の場合、雨水に全く濡れないということは不可能だと思います。そもそも人間はいろいろな元素が様々な条件の下で生成・合成・融合して形作られています。仏教教理学的に言えば、四大が仮和合して出来上がっています。そして、寿命が尽きる時、「四大分離し去る」と捉えられています。土に帰り、水に帰っていきます。ですから、雨が降る事は自然の摂理ですから、雨に濡れることを忌み嫌う必要は無い。と、私は考えます。でも、あなたがお父様の遺骨を濡らしては失礼だと思い、そのための方策を取ろうとすることは決して悪いことではありません。あなたなりの愛情表現だと思います。
知りたい点について、応えさせて頂きます。
1、 陶磁器の骨壷の場合、そのほとんどは水がたまっていると考えてよいか。
答え 結露した結果、水は溜まります。
2、 父の現在の骨壷で納骨すれば、やはり水がたまる可能性が高いかどうか。
答え 溜まると思います。磁器製の壺なら大丈夫でしょう。
3、 「水がたまらない骨壷」に入れ替えをするなら自宅で行ってよいか。
その時に注意することなど。
答え
他の方々に迷惑をかけない限り、自宅でも、墓地でも、どちらでも宜しいと思います。
4、 そもそもお骨の入れ替えをするなんてもってのほか、なのか。
答え
頻繁にある事ではありませんが、墓地の区画整理や墓地改葬のために墓地から遺骨を取り出すことはあります。気にしなくても良いと思います。
土に還すまでがお勤めです。
はじめまして、一妙寺の赤澤と申します、ご質問とは少しずれてしまいますが私の意見を申し上げさせていただきます。ご参考になればよいのですが。
昔は人が亡くなると、そのご遺体を棺桶に納めて、地面に穴を掘り、埋葬しておりました。
しかし、そこに父が眠っているにもかかわらず、知らない人や家畜は上を歩いてしまいます。
そこで、棺桶を地下へ埋めた目印として、大きな石を地面の上に置いたのがお墓の由来です。
私たち僧侶は礼拝の対象は「遺骨」もそうですが、大切なのは『お戒名』です。
ですから、墓石の正面には『南無妙法蓮華経』『南無阿弥陀仏』または『倶会一処』と刻みます。
お墓ではご遺骨やご先祖様だけでなく、お釈迦様や阿弥陀如来様に感謝の気持ちを捧げることも大切です。
そして私たちの最後のお勤めは、その気持ちが込められた石塔、聖域の中において、ご遺骨を本来あるべき自然な形で土にお戻しする事です。
上記の意味から骨壷での納骨ではなく、土に還るものに包んで納骨してはいかがでしょうか。
拙寺では木綿100パーセントの布に写経をしてお渡ししています。
YOSHIさんやご家族のお気持ちを大切に
YOSHIさま
なごみ庵の浦上哲也と申します、よろしくお願いします。
ご質問の件、お墓の中を詳しく見ている数では、石屋さんの方が圧倒的に多いと思いますが、私の経験や聞いた範囲では、カロートや骨壷の中に水が溜まるというのはよく聞きます。
結露だったり、大雨が降った際に染み出してきたりということのようです。古い墓地では、カロートが水で満たされて、骨壷が浮いて蓋が開き、中身が散乱してしまうこともあるようです。
おそらくYOSHIさんのご質問の意図としては、お父さまのお遺骨が水浸しになるのが心苦しい、ということなのではないでしょうか。
「お骨はお骨だから、水浸しになっても問題はない」
「水に浸された方が分解されて、土に帰りやすくなる」
という理屈とは別に、お気持ちの上での問題なのだと思いますので、そのお気持ちを大切にした上で、考えてみたいと思います。
地域によっては、最初からカロートに散骨したり、布袋や和紙に入れてカロートに収める場合もあります。でも東京や神奈川では骨壷のままカロートに入れる場合がほとんどだと思います。
新しい墓地なら、上記の「古い墓地」のようにカロートが水で満たされてしまうことは少ないでしょう。ですから骨壷の中に水が溜まらないよう、お父さまのお骨を「水が溜まらない骨壷」に移すのが良いかと思います。
ご自宅で、ご家族で移しても、特に問題はありません。
もし気が引けるというなら、石屋さんやお坊さんにお願いしてもいいでしょう。
私が横浜(神奈川区)在住ですので、お困りでしたらお手伝いさせて頂くことも可能です。
ご家族とご相談なさってみて下さい。
質問者からのお礼
たくさんのアドバイスをありがとうございました。
お礼がおそくなってしまって申し訳ございません。
当初、“骨壷を入れ替える”ということを家族はあまりよく思っていませんでしたが、反対ムードの中、家族の承諾を得ることができて私の骨壷探しが始まり、こちらでの質問もさせていただきました。
ところがそうこうしているうちに、だんだんと家族の意見が「入れ替えはよろしくない」「脚から順に入っているお骨を動かさないで」という方向に傾いて、結果「やっぱり骨壷の入れ替えはしないで」となりました。
私は骨壷の中を水浸しにしたくありませんが、家族が言う「今のまま動かさないで」という気持ちも分からなくありません。
家族内で揉めて私は考え続けました。水に浸かってしまうことが悲しくて、想像しただけでたくさん涙が流れました。でもこのまま私の意見を押し通しても不和を生むだけのような気がしました。家族の意見には「良くないことが起きるかも・・・」というのもあり、私が説得して骨壷の入れ替えを行ったとしても、それが家族のストレスになって病気になったりされたら元も子もありません。
なので、とりあえず今回は今のまま納骨し、タイミングを見計らって骨壷の入れ替えを行うのがいちばん最良の道なんじゃないかと思いました。
お坊様のアドバイスは、私には本当に光でした。
なごみ庵様は実家から近いので、入れ替えを手伝っていただけるとのお言葉もとても心強かったです。お坊様の皆様、このたびはありがとうございました。