家族の死から立ち直りたいです。
つい先日、父が亡くなりました。
病気が発覚した時には既に進行した状態だった為、闘病生活は一年半にも満たなかったと思います。
覚悟はしておいた方が良いと他の方に散々言われてきてはいましたが本人は「大丈夫だからね」と弱音も吐きませんでした。
スマホの検索履歴を見ると、自身の病状についてたくさん調べてあって、本当は辛かったんだろうな……と考えると辛くて仕方がありません。
学校へ送ってくれたのも、料理を作ってくれたのも、何か欲しい物があった時「良いよ」と言ってくれたのも、「すごいね」と褒めてくれたのも、もう二度と無いんだなと考えてしまいます。せめて私が成人するまでは生きていてほしかったな……。
コロナの影響で面会にも行けなかった事も、少しだけ退院した時に全然会話ができなかった事、「治るんだろう」と思い込んで心配の言葉をかけられなかった事、後悔もたくさんあります。
父の死への向き合い方、立ち直り方を、教えてください。お願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
生きること死ぬことはこういうものだ
と、ちょっと無理やり客観的?に見る方法も、仏教にはあります。
親しい人の死を乗り越えるためにいろいろ策はありますが、ひとつ面白いのが、前世からの因縁を譬えに出す方法です。
仲の良い夫を突然毒蛇に嚙まれて亡くし、嘆き悲しんでいる妻のところをたまたまお釈迦様が通りかかって、「あなたは何を泣いているんですか?」と尋ねます。「最愛の夫を突然亡くしたのです」。
「しかし、あなたはこれまでの輪廻の中で、八万四千回も夫を蛇に噛まれて突然亡くしてますけど、今、どの夫のことで泣いているのですか?」
「えっ?チャンダナゴーミンというこの世の唯一の夫のことです」。
「しかし、その八万四千回のあなたの夫の突然死は、全部、チャンダナゴーミンという名前の人についてだけ言いました。他の名前の突然死した夫まで含めたら、さらには一生涯添い遂げた夫まで含めたら、私でも数え切れませんよ」。
それを聞いて、妻の心の中に、生きること死ぬことはいつもこういうものなのだという納得が生まれ、悲しみは変わりませんが、それを乗り越える力が出て、葬式の準備などをてきぱきと始めたそうです。
つらいことですが、この一回限りだと思うと余計につらくなるような気がします。また輪廻のどこかでお父様と出会ったとき、今度はうまくやるぞ、と、心を切り替えると、それは後悔ではなく反省になります。後悔は仏教では心で行う悪行為ですが、反省は心で行う善行為です。実際、後悔と反省では、心の状態がだいぶ違います。
悲しみを縁としてでも、心で善行為をすることができます。輪廻はこういうものだという知識を頭に入れて、悲しみを乗り越えられるように頑張ってください。
お父様とのご縁
拝読させて頂きました。
大切な愛するお父様がお亡くなりになられてあなたがとても辛い思いをなさっておられること、様々に深く後悔なさっておられることを読ませて頂きました。あなたがその様に思われるのももっともかと思います。あなたのそのお気持ちを心よりお察しします。
お父様が心安らかになり一切の迷いや苦しみや痛みから救われます様に心よりお祈り申し上げます。至心合掌 南無阿弥陀仏なむあみだぶつ
お父様は必ず仏様がお導きなさって下さり、先に往かれた親しい方々やご先祖様方がお父様をあたたかくお迎えなさって下さいます。お父様は仏様のもとで一切の迷いや苦しみや痛みからも解放されてて心穏やかになり、何も憂うことなく心から清らかにゆるやかになり、ご先祖様方と共に円満にご成仏なさります。お父様はご先祖様方と共にこれからもずっとあなたやご家族の皆様やご縁ある方々を優しくお見守りなさって下さいます。
あなたのその辛い思い悲しみや後悔のお気持ちは消えることはないでしょう。
どうかお父様が心安らかになります様にと心から願いご供養なさって下さい。そしてあなたの様々なお父様への思いをありのまま全て心からお父様にお伝えなさって下さい。お父様はあなたのその思い全てを優しく受け止めて下さり、あなたに寄り添いなぐさめて下さいます。あなたはこれからもずっとお父様に支えられ守られていくのです。
いつの日かあなたがその天寿を全うなさる時にも必ず仏様があなたを導かれ、お父様や親しい方々やご先祖様方があなたをあたたかくお迎えなさって下さいます。そして共に喜び合いながら心円満になっていくことができるのです。
お父様はあなたやご家族の皆様と共にその人生を幸せに生き抜かれて、そして自らの生命を全うなさっていかれたのです。そして今尚あなたや皆様を優しく支えていて下さるのです。
あなたやご家族の皆様がこれからもずっとお父様とのご縁を大切になさり、皆様がお互いを思いやり仲良く生活なさっていかれ、お健やかに幸せに生き抜いていかれます様に心よりお父様にお祈りさせて頂きます。
又宜しければあなたのお気持ちをここでもおっしゃって下さい。あなたを心よりお待ちしています。至心合掌
質問者からのお礼
遅くなりましたが、とても丁寧に答えてくださり、ありがとうございました。気持ちがいくらか楽になった気がしました。今でもふっと悲しくなりますが、同時に、どこかにまだいるような感覚も覚えています。
もうじき亡くなって一ヶ月になりますが、楽しく過ごせています。近くで見守ってくれている、きっとどこかでまた会えると信じて、家族皆で頑張っていこうと思います。
改めて、ありがとうございました。