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誕生の仕組み

回答数回答 1
有り難し有り難し 8

 輪廻転生が真実であるとすれば誕生の考え方が大きく変わります。
 まず結論から言いますと、「心は自分自身であり、親から貰ったものではない」と言うことです。 即ち自分の生老病死は自己責任であるということです。

 ことわざからはじめますと、
 「身体髪膚これみな父母より賜う。あえて損傷せざるは孝の始めなり」
 これは身体だけであり、心は別ということになります。
 「子は授かりもの」
  もし心も親譲りであれば我が子であって、授かるとは言わないでしょう。
 「とんびが鷹を産む」
 親子の気質は別物であるという事でしょう。
 「愚兄賢弟」
 もし親譲りであれば、兄弟でも性格が違うとは、遺伝子的には考えられません。
原則的には類を以って集まるはずですから、性格が似ていることは多々あります。

 臨死体験者(新堂のぶ子氏)の言葉(講演会にて)
 「親が子を生むのではなく、子が親を選択する。」
 ある宗教学者はネットで「龍樹と輪廻転生」と題し 
 「ブッダは、『大縁経』で、意識が母胎に流れ込むことによって、そして、そこで身心(名称と形態)が増大することによって、この世に転生するありさまを説明した。」と述べています。
 「意識」は心と同一と考えてよいと思います。

  以上が結論の根拠です。

2022年3月18日 15:52

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

意識は心としてとらえていいでしょう。

拝読させていただきました。

心は自分自身とは仏教では捉えないです。
心は基本十八による認識作用により、生じるものであり、すべては「空」である「一切皆空」なのです。

五蘊である「色・受・想・行・識」は存在すると上座部では捉えるので、自分自身的な感覚と捉えることは可能でしょう。しかし、日本に伝来する大乗仏教では、すべては空なのです。それは二辺にかたよらない中道であり、この中道を知覚するには二辺を知るようで、知らないものであります。二辺を知ることはかたよる対象となるからです。

遺伝子はあるでしょう。これは確かですね。しかし類似する身体的なものはあるだけであり、心を形成するサンカーラは十八界により個々の心の在り方は変化します。

環境、時代、教育により観念が植え付けられていく「種子」であります。この種子が縁により芽生えていくのですが、心の形成の在り方が開花していくということです。

善悪どちらにも転じることができる人の精神作用をどのご縁(原因+結果)によって自己の在り方という自覚をしていくものです。

ただ仏教では自我はなく、無我であります。存じていることと思います。
諸々は無我であり、すべては空なのです。
しかし、輪廻転生はあります。
上座部での最高位は灰身滅智であり、死ぬと完成となります。しかし、大乗では灰身滅智ではなく、徳を積み、徳を来世へもっていけるのです。
今、わたしたちは人間として誕生して居ますが、人間として有ることが難しいことから、「有り難う」が語源となります。
人間として生まれてくるには前世で、五戒十善を行ったからこそ、人間として生まれてきていると説きます。

彼岸を浄土ととらえる人が多いですが、彼岸は生まれ変わる浄土ではないものであり、昨今では現代語訳など多くが混同していることから解釈が難解な時代となります。
基本、すべての世界は理想により色である形となり、とどまることなき無常であり、真言宗では「大日如来」の元より生まれ、人の命を終えると大日如来の元へ還るのです。しかし、簡易に述べるものであり人は自身が仏であることを知ることが何より大切であると真言宗では説きます。
「本不生」であり、般若心経では「不生不滅」ともとらえます。

合掌

2022年3月20日 23:32
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質問者からのお礼

 法源 ご住職様 ご回答を有難うございます。
 お話は大変難しいですね。理解できないところも多々ありますが、気になったところをお話させてください。
 私は最初に「輪廻転生が真実であると」と前提を致しましたので、多分上座部の事で、現在の大乗仏教とは違うようですね。
 現在の大乗仏教は、宗教学者が龍樹の般若経の解釈で「色即是空」を唯一の真実であるとして論理を展開していますが、般若経は真理であって真実の一部です。真実のすべてはは般若心経の「色即是空 空即是色」です。空が真実であれば、色も真実です。
 色と空は違うものですから直接即是とはならず、縁起が加わって即是となります。 即ち色=空X縁起1 空=色X縁起2です。、
 それを無視して宗教学者は「空即是色」を直訳でなく意訳で解釈して「一切皆空」としたのです。その典型がNHKの「100分で名著 般若心経」です。
 色が真実でなければ、諸行無常の意味が解らなくなります。
 釈尊は平易に説教していますので、(勿論当時の社会状況で現在では不可解な説教もありますが)直訳でなければ誤ります。
 「輪廻転生」を認めて頂いて有難うございます。ただ釈尊は「輪廻転生」を仏教最大の災厄としてその解脱の方法を多岐に渡って説教したのです。
 「上座部での最高位は灰身滅智」とありますが、これは涅槃の事ではないでしょうか?滅智は「心」が「空」になることですね。縁起が無くなったのでしょう。
 あとはちょっと私の理解の外です。

 有難うございました。
 

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