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宗派が違うとあの世でも別れ別れ?

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有り難し有り難し 29

仏教では 宗派が違うとあの世で別れ別れ
霊になっても生き別れになる
と言う解釈になるのですか?

私は歴史小説などを読むのが好きです
そこで出てきた話ですが

徳川家康が亡くなる前、病床で藤堂高虎(伊勢国津藩主)に対して
「宗派が違うからあの世では会うこともできない、今が名残惜しい」
のようなことを言い 藤堂高虎が 徳川家康と同じ宗派に改宗した
と言う話があります。
これは 仏教では当たり前の考え方ですか?
もし仏教ではなく、結婚や養子縁組などで
相手の宗派だけでなく宗教そのものまで違っていた場合
あの世ではもう会えないという考え方が一般的なのですか?

ちなみに 徳川将軍家の菩提寺は
増上寺と寛永寺があったと思うのですが
宗派は違います。
どちらに葬られるかはそれぞれの将軍が遺言を残していたと思うのですが
先代将軍と違う寺に葬ってほしいと遺言した場合は
父親、兄、養父などには会えないで構わないという気持ちだったのでしょうか?

そうなると 徳川家の血筋で 
かつ 江戸時代後期は 養子縁組を繰り返した 会津藩の場合は
代々仏教ではなく 神道でしたが
養子に出る→死後は親に会えない
と言う覚悟が必要でしたか?

2022年11月8日 11:42

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

こんにちは。

 藤堂高虎の事は存じ上げませんでしたが、調べますと、「来世でも大御所様(徳川家康)に仕えるつもりです。私は日蓮宗ですが、大御所様の宗旨である天台宗に改宗しますので、来世でもお仕えすることができます」(『西嶋八兵衛留書』)と言ったとされているようです。藤堂高虎さんが、徳川家康さんにたいへん入れ込んでいた様子がわかる逸話です。

※家康は天台宗に帰依し、天台宗寛永寺を建てたが、徳川家の菩提寺は浄土宗増上寺、家康の遺骨は日光東照宮(久能山東照宮の説も)とされます。

 死後の世界から帰ってきた人はいないのでわかりませんが、私は、どのような宗教宗派であっても、会いたいと思った人にはすぐに会えるような世界にいると思います。

 「相手の宗派だけでなく宗教そのものまで違っていた場合あの世ではもう会えないという考え方が一般的なのですか」という質問ですが、そのような事はないと思います。例えば、太平洋戦争中、兵隊さんの間では「靖国で会おう」と言い合っていたそうです。「靖国」とは靖国神社の事で、天皇陛下のために戦い亡くなった人は皆「英霊」となり、靖国神社にお祀りされるからです。兵隊さんたちはそれぞれに信じている宗教宗派があり、それが仏教ならばお寺でもお祀りしています(お寺で戒名を授けお寺のお墓に埋葬します)が、同時に靖国神社にもお祀りしている、という事になります。

2022年11月8日 17:18
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まるで、今晩どんな夢を見るのか寝てみなければわからないように。
天国の夢を見たいと常日頃願っていれば、天国の夢を見る確率が上がるかもしれませんが、100%ではない。
一方、阿弥陀仏という仏様は、南無阿弥陀仏と念仏を称(とな)える者を極楽浄土に往生(転生)させると誓いを立てられています。
徳川家康は浄土宗(阿弥陀仏の誓い・本願を信じる)なので極楽浄土確定。
阿弥陀仏信仰以外の人は、どこに転生するかわからない、虫や魚や地獄の住人になるかもしれないと、平安時代以降の人々は考えました。
だからこそ、阿弥陀仏信仰(浄土系)が貴族から庶民まで幅広く流行したのでしょうね。

2022年11月8日 12:45
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