hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

もう治らないとわかったあとの生き方

回答数回答 1
有り難し有り難し 12

去年体調を崩してしまい入院しました。
幸い短期間で退院することができましたが、その後体調が優れない日々が続いています。
これまで何度も検査を受けて原因を探りようやく原因がわかったのですが、もうこれ以上良くなることはないそうです。
これから先はこれ以上悪化しないように治療を続けていくということでした。

原因が分かってよかったと思いつつ、体調を崩す以前の状態に戻らないと分かってしまい正直辛いです。
食べたいものが食べれない、運動もやりたいようにできない。
仕事も減らさないといけないので収入も下がってしまいます。

そうなってしまった以上そういう生き方をしていくしかないと頭ではわかっていても、気持ちがついていきません。
入院してからいろいろなことができなくなったり制限されてしまいました。
この状態が生涯続くと思うと気持ちが沈んでしまいます。

とにかくできることをやっていこうと手探りでやっています。
これから先の心構えやどう向き合っていけばいいのか教えてください。
よろしくお願いします。

2024年1月18日 9:57

この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

体は老いても、心は歳をとらない。

拝読させていただきました。

体調が以前のように戻ることはないと医師より伝えられ、心身ともに疲弊されていることと存じます。

今まで活発に生活や仕事をできていれば尚のこと、在り方が大きく変化することに不安が襲来していることです。
仏教では長生きすることを教えとするのではなく、大切なことを知るのが仏の本質です。

檀信徒に乳がんの御方がおられます。発覚したのは20代後半ですが、現在もなお持病を抱えながら70代で生きておられます。
これは何を示唆できるのかと申しますと、「一病息災」なのです。一般的には「無病息災」を願うが常です。しかし、生きることには誰ひとりとして大小関わらず病を避けることが出来ない「病苦(四苦八苦)」を目の当たりにします。

この「一病息災」は、ひとつの病という原因を知るからこそ、かえって不摂生などをしなくなったりすることで病を悪化させずに過ごすことができることでもあるのです。

今まで出来ていなかったことが出来なくなることはとても辛いことです。それが早いか遅いならもちろん遅いほうが良いでしょう。しかし現実は変えれないのも事実であり、今をどのような心持ちをすることで、安心を得れるのかを念頭に置くことが優先順位となります。

過去は追ってはならず、未来の不安を願ってもならないのです。即今只今を生きることが大切なことになります。

わたしたちは寿命をまっとうしたいことが普通ですが、明日この身が天災地災などで身を奪われる事態もあることです。

人生は、単に説くと仏教では「今の連続が一生」なのです。この一生は一瞬です。
瞬間という今には不安や心配などを排除し、手の届く範囲の目標や夢をしっかり持つことが自身を支える強さとなります。

昨日までは過去、今日からまたすべての人は新しい一日であり、新しい人生としてとらえていくことが肝心となります。

どうぞ、治療など含め、思い通りにいかない身体に負担をかけず、自身の身体に「生涯いい付き合いよろしく」と言い聞かせることも大切です。

医者からよくはならないと宣告を受けたものの、常に医療も先進しているので諦めを決めつけないようにまだまだ希望は持っていてください。

合掌

2024年1月18日 10:58
{{count}}
有り難し
おきもち

祈るこころに佛心が宿る。 変化多き時代を生きる私たちにできること、それは...
このお坊さんを応援する

「癌・末期ガンと向き合う」問答一覧

癌の母、現実逃避の父

末期癌の母がいます。 あちこち転移していますが去年までは普通の生活ができておりました。ですが年始に足が腫れ歩けなくなり、骨転移が神経に障っているのと下肢の血栓で入院中です。 月末の退院後は元通りの生活とはいかず、幾分か歩行に問題が出るとのことです。抗がん剤も打ち切ることになるので、終末期の準備と覚悟も必要になります。 コロナ禍では入院すると面会もできませんので、できる限り在宅でと思っています。 なのでヘルパーさんを入れることも視野に入れ病院と相談をしておりますが、実家は物が溢れており、まず掃除から先にと思っているのですが、父が拒否します。 父は私と仲はよい方ですが、気持ちの弱い方で頑固。母が元通りになって帰ってくると信じて…信じようとしていて、掃除して手すりをつけることを退院してからと言い張って、話も聞いてくれません。 父が冷静に話を聞けないので病院との調整役は私が全て引き受けていますが、限界を感じ病院の相談機関には相談をしています。 退院前に父と私と看護師さんで面談をし、説明と説得をお願いしています。 多分今の時点でできることは全てできていますが、今後、父の気持ちを尊重しつつ母の生活の質を維持していけるのか?その調整が上手くできるのか不安です。 弟がおりますが、義妹は第二子妊娠中ですし、弟と父の仲が悪い為そこにも注意を払わないといけません。 今日もやんわり掃除の話をしましたが、退院したら!と話を聞いてもらえず、その度に無力感に襲われます。 向き合わない父に腹が立つわけではありません。ただ、困り果てています。 私だって、母がいなくなる準備なんて少しだってしたくない。全部投げ出してしまいたい。泣いて泣いて眠れない日もあります。 でも最後まで母が母らしくいられるように努力したい。 父に時間が必要なのはわかっていますし、ゆっくり進めるしかないのでしょう。 ただでさえ、父は一昨年長年介護してきた母(私の祖母)を亡くし、最近やっと立ち直ったところです。また失うことなど考えたくないのでしょう。その気持ちは痛いほどわかるのです。私も大好きな祖母でしたので。 でも、母について気持ちを共有できるはずの父がこの状態で、私一人先を考えなくてはいけない、この状況が叫び出したいほど辛いのです。 私はどのように両親と向き合うべきでしょうか。

有り難し有り難し 22
回答数回答 1

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ