もう治らないとわかったあとの生き方
去年体調を崩してしまい入院しました。
幸い短期間で退院することができましたが、その後体調が優れない日々が続いています。
これまで何度も検査を受けて原因を探りようやく原因がわかったのですが、もうこれ以上良くなることはないそうです。
これから先はこれ以上悪化しないように治療を続けていくということでした。
原因が分かってよかったと思いつつ、体調を崩す以前の状態に戻らないと分かってしまい正直辛いです。
食べたいものが食べれない、運動もやりたいようにできない。
仕事も減らさないといけないので収入も下がってしまいます。
そうなってしまった以上そういう生き方をしていくしかないと頭ではわかっていても、気持ちがついていきません。
入院してからいろいろなことができなくなったり制限されてしまいました。
この状態が生涯続くと思うと気持ちが沈んでしまいます。
とにかくできることをやっていこうと手探りでやっています。
これから先の心構えやどう向き合っていけばいいのか教えてください。
よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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体は老いても、心は歳をとらない。
拝読させていただきました。
体調が以前のように戻ることはないと医師より伝えられ、心身ともに疲弊されていることと存じます。
今まで活発に生活や仕事をできていれば尚のこと、在り方が大きく変化することに不安が襲来していることです。
仏教では長生きすることを教えとするのではなく、大切なことを知るのが仏の本質です。
檀信徒に乳がんの御方がおられます。発覚したのは20代後半ですが、現在もなお持病を抱えながら70代で生きておられます。
これは何を示唆できるのかと申しますと、「一病息災」なのです。一般的には「無病息災」を願うが常です。しかし、生きることには誰ひとりとして大小関わらず病を避けることが出来ない「病苦(四苦八苦)」を目の当たりにします。
この「一病息災」は、ひとつの病という原因を知るからこそ、かえって不摂生などをしなくなったりすることで病を悪化させずに過ごすことができることでもあるのです。
今まで出来ていなかったことが出来なくなることはとても辛いことです。それが早いか遅いならもちろん遅いほうが良いでしょう。しかし現実は変えれないのも事実であり、今をどのような心持ちをすることで、安心を得れるのかを念頭に置くことが優先順位となります。
過去は追ってはならず、未来の不安を願ってもならないのです。即今只今を生きることが大切なことになります。
わたしたちは寿命をまっとうしたいことが普通ですが、明日この身が天災地災などで身を奪われる事態もあることです。
人生は、単に説くと仏教では「今の連続が一生」なのです。この一生は一瞬です。
瞬間という今には不安や心配などを排除し、手の届く範囲の目標や夢をしっかり持つことが自身を支える強さとなります。
昨日までは過去、今日からまたすべての人は新しい一日であり、新しい人生としてとらえていくことが肝心となります。
どうぞ、治療など含め、思い通りにいかない身体に負担をかけず、自身の身体に「生涯いい付き合いよろしく」と言い聞かせることも大切です。
医者からよくはならないと宣告を受けたものの、常に医療も先進しているので諦めを決めつけないようにまだまだ希望は持っていてください。
合掌