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亡くなった後も意識はありますか?

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こんばんは、夜分遅くに失礼いたします。

昨年末、とても大好きだった愛犬が虹の橋を渡りました。
皮膚の病気を長年患っていて、ある年からは50匹に1匹と言われる珍しい病気にもなって嘔吐する時、同時に倒れてしまうような病気でした。
最期はその病気による誤嚥ですぐにかかりつけの動物病院に連れて行って、その日の昼過ぎに仕事で他の家族はおらず私だけが看取りました。11歳と3ヶ月でした。

もういなくなってから早くも4ヶ月が経とうとしているけど、未だにあの日を思い出して心が痛くなります。

そして最近耳に入ったとある方の曲を聴いていて、ふと思ったことがあります。

死んだ人やペットに意識のようなものはあるの?

今まで私は死んだらどうなるんだろう?とか死の先には何があるんだろう?とぼんやりと考えてことはあっても、きっと死んでしまえば何も考えなくなるのかも、と考えていました。

けれど最近聴いたその曲の歌詞を見た時、もしも死んだ側に意識のような何かがあるのだとしたら、その死んだ誰かにも大好きで大切に想う誰かがいて、その誰かの傍にいるのなら死を悲しむその誰かに語りかけているかもしれない。と思ってしまい、それが虹の橋を渡った愛犬だったらと考えた時、とても苦しくなりました。

マイペースで甘えるのが下手な子だったけど、とても甘えんぼなあの子がもし私たち家族の近くにいてずっと話しかけてたら。私たち生きてる者には見えないし、声を聞いてあげることもできないのに、ずっとずっと近くで話しかけてたらどうしよう…と堪らなく悲しくなりました。

もし、死後も意識があってあの子が私に話しかけてるのに気付けないせいで寂しい思いをしてたらどうしたらいいのでしょう。

2024年4月23日 0:33

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

死後を託せる物語

ご相談拝読しました。

愛犬ちゃんのご命終に謹んでお悔やみ申し上げます。看取りは大変にお辛い経験であったことと思います。しかしだからこそ、そこからとても大事な問いを受け取っているのだとも思います。

死後の問題というのは誰もが抱える大変大きな問題でありながら、結局は解明し得ない問題なのでしょう。亡くなったいのちそのものにとっての死後は亡くなった本人のものでしかない。私たちが確かめることができるのはその死を「私が」どう受け止めるかという領域でしかありません。

私が死後を迷ったり苦しんだりするものであると受け止めるならば、死者はそのような存在として見出されますし、孤独な存在であると受け止めるならばそのように見出されますし、無と考えるならばそうなります。

結局は「私」の受け止めに過ぎません。でもどの受け止め方であろうと、そこに私にとっての死者はいるはずです。その時に「もう(私にとっての)死者は私と離れた存在ではない」のだという私における事実に気がつきます。そこには私とあなたという壁はもう存在しません。

ならばけして死者は孤独ではないでしょう。声は聞けなくとも声なき声は聞ける。それは私という存在の心を離れたものではないけれど、私だけの心は生じ得なかった声です。

亡き存在との関係がこれからも私の中に生きている。私に取り込めるようでそうでない、私の中において私から離れたものとしてはたらきかけてくれる。

そんな風に私は受け止めています。それは浄土という物語に死後を託した結果です。
浄土というのは、あらゆるいのちが死後にそこに往き生まれ、そこで仏様となって、また私のところに私を導きにやってくる。そういう永遠のはたらきを成り立たせる場所であると浄土真宗が大事にするお経には説かれています。

あなたもあなたの大事な存在を託せる物語に出会えますように。そしてそれによって物語を超えて、亡き存在と今出遇い直すことができますことを念じております。

2024年4月23日 14:29
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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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質問者からのお礼

こんにちは、回答ありがとうございます。

もし今も大切なあの子が私や私の家族の近くにいてくれてるなら、声は聞けなくても確かにお互い独りではないですね。

今もまだあの子を思い出す度涙が出てしまうけど、あの子が安心して新しい姿で我が家に帰って来れる準備が出来るように、笑って待ち続けようと思います。

もし出会えなくとも、きっと私の命が尽きる時、今まで私を幸せにしてくれた愛犬たちが迎えに来てくれることを願っていようと思います。

きっと死は寂しいけれど、悲しいことばかりではないですよね。
ありがとうございました。

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