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医ですが、責任の重さに戸惑います

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20代の医師ですが、医師としての責任に少し戸惑いを感じてしまいます。

上手く治療が行けばとても嬉しいですし感謝されるしやりがいもあります。しかし少し治療が上手くいかないだけで責任感を感じてしまい、「自分だからこうなってしまった」とか、「他の人がやればこうはならなかったのでは」と思ってしまいます。

先日も手の手術をした患者さんに術後強い疼痛が出現して、手が麻痺したようになってしまうことがありました。
CRPSといって、手術など侵襲が加わった際にまれに起こる原因不明の疼痛症候群で、防ぐ手立ても、有効な治療法もないものです。同意書にも記載してあり、十分に説明しています。患者さんもとても良い人で、「しょうがないね、大丈夫ですよ」と言ってくれます。過失ではないしある程度しょうがないとは分かっていますが、「手術しなければこうはならなかった」とか、「他の人がやれば起こらなかったかもしれない」など自責の念にかられてしまいます。今は休日でも、病棟で苦しんでる患者さんのことを考えてしまって落ち込んでしまいます。

医療といえど完璧ではない、失敗も含めて目の前のことを一つ一つ学んで次に活かさなければならない、と分かってはいますが…

医者の仕事は非常にやりがいがあるし、これからも頑張って患者さんを助けてあげたいと思っています。

今後医者を続けていく上で、心構えや、何かお言葉などあれば賜りたいです。よろしくお願いいたします。

2024年7月18日 21:49

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

学び続けたい 人類の失敗と成功を

リスリースさん、今回のご相談は、医師としてだれもが必ず通る大事な関所ですね。「医者の仕事は非常にやりがいがあるし、これからも頑張って患者さんを助けてあげたい。だからこそ、失敗も含めて目の前のことを一つ一つ学んで次に活かしていきたい」というリスリースさんを、私は全面的に応援したい一人です。志を立てて長年の勉学と研修を重ね、無事に医師となられ、今こうして大切な現場に立ち続けてくださることに感謝を申し上げます。hasunohaでご自身の心の内を吐露できるリスリースさんは、素晴らしいです。私自身、リスリースさんの相談を通して医師の尊い葛藤を学ばせていただけるからです。

私は、日頃、地元小学校の絵本の読み聞かせに行っています。現在も止まないロシア-ウクライナ戦争が始まってしまった2日後のことです。その日は5年生の教室に入りました。子どもたちの1/3はニュースなどを通して戦争を知っていました。私は子どもたちに質問しました。「皆さんは何の勉強をしていますか?」子どもたちは口々に国語・算数・理科などと、教科の名前を挙げました。私は、「皆さんは、人類の失敗と成功を学んでいるのですよ。今回の戦争は大人の失敗です。とても悲しいことであると同時に、その失敗からも皆さんは何かを学ぶことが出来ます。私も学び続けたいです。」と話し、かつての戦争に学ぶ絵本を読みました。
リスリースさんは、もう充分ご存じですね。あなたが今まで学んできだことは、「人類の失敗と成功」であり、数多くの先輩医師たちの失敗と成功なのです。それは、「失敗なくして成功なし」ですね。

ただ、技術がどれほど発達したとしても人間の死を止めることができないように、人間の限界は必ず存在するでしょう。それは、人間に謙虚さという心を育ててくれるでしょう。他人に対する謙虚さ、いのちの対する謙虚さ、自然に対する謙虚さ、そして自分に対する謙虚さはとても大切なものだと思っています。その点でも、今回のご相談はとても大切なご相談でしたね。また何かの壁にぶつかったときは、この時の自分に立ち返って、またゆっくり歩み出してください。

リスリースさんの持つ様々な力が存分に発揮され、直接関わる患者さんだけではなくご家族の支えにもなり、そのことがリスリースさんをも支えていく日が来ることを、hasunoha 一同で応援していきます。また、ご相談くださいね。

2024年7月19日 8:32
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有り難し
おきもち

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん...
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自責の念を少しでも和らげるために

はじめまして、よろしくお願いいたします。

リスリースさんはとても優しくて繊細で真面目な感じがいたします。
それが長所であり短所なのかも知れませんね。

事例として適切ではないかも知れませんが。
私は腰痛が酷くて神経ブロック注射をしたことがあります。出産ぐらい痛い気がしました。その後、腰痛は改善しなくて治療を諦めました。私は主治医を責める気持ちは1ミリもなく。寧ろ、感謝しかないです。ほとんどの医療従事者様には感謝しかないです。
大学病院で原因不明と言われたこともありましたし、それでも今、こうして生きているのは関わってくださった皆様のお陰ですから。

カウンセリングの仕事をしていますと、リスリースさんと同じように反省や振り返りをよくします。
深夜に「今から薬を飲んで死にます」と言われたこともあります。
考えたらキリがないです。限界を感じたら上級カウンセラーにリファーをするしかない、定期的にカウンセリングを受ける、それでもその日のコンディションなどでクライエントさんを傷付けてしまいます。「言い過ぎてしまったなぁ」とか。

私はあるときに「ある程度は開き直るしかない、過去と他人は変えられないから」と腑に落ちて楽になりました(時間はかかりました)

リスリースさんも理想の先生がいますよね?その先生だったら辛いときはどうやって乗り越えるかイメージができますか?

また、エゴグラム診断もされてみては?
アダルトのAとフリーチャイルドFCを上げることを意識をしてみると自責の念が和らぐかも知れません。

ストレスがある時はクリティカルペアレントCPとアダプティッドチャイルドACが高くなっています。

「こうあるべき」を緩めたら楽になる気がいたします。

ご参考になれば幸いです。
また何かありましたらいつでもhasunohaにお越しくださいませ、お待ちしております。

2024年7月19日 3:05
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有り難し
おきもち

はじめまして、薫衣(くのえ)きみこと申します。 私は、これまで心理...
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質問者からのお礼

おふたりともありがとうございました。失敗から学ぶことが間違ってなかったことが再確認できました。また理想の先生ならどういう風に乗り切るかイメージする、というのがとても参考になりました。
まだ時間はかかるかもしれませんが、目の前のひとつひとつに集中して頑張ろうと思います。ありがとうございました。

「病気と向き合う・看病」問答一覧

難病でつらい日々です

私は去年の12月に間質性肺炎という難病だと診断されました。 歩くなどの軽い動作でも息が苦しくなる病気です。治療法はありません。 診断された当初はまだ自覚症状もなかったのですが、去年の12月末に気管支に内視鏡を入れて調べる検査をしたところ急に症状が出始めて日常生活を送るのが困るようになりました。検査をしなければよかったと後悔しています。 この病気は坂道などで息切れを自覚するということから始まり、日常生活でも息切れを感じるまでに普通は数年かかるそうです。 私は診断されるまで坂道などで息切れを感じることもなく、山登りやウォーキングをしたりと元気でした。それがたった8か月で家の中を歩くだけで息切れをするようになり、仕事も求職中でしたが、到底できるような状態ではなくあきらめないといけなくなりました。それなのに障害者としてはまだ認められず、障害年金の申請もできないそうです。 検査後急に自由に動けなくなったことに心がついていきません。医師はあきらめろと言いますが、受け入れられません。進行するにしても早すぎるからです。 友達にも彼氏にも会えなくなりました。毎日何をするにも息切れしながら過ごす日々です。楽しみも何もなく、ただ息が苦しいと思うばかりです。家にいて誰とも話すことなく一日が終わります。正直、楽になりたいです。こんなに苦しいのなら死んでしまいたいです。 どうしたらよいでしょうか。

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肌の病気が辛いです

24才からずっと皮膚炎です。それからはずっと友達とも遊ばず暗い日々を過ごしています。肌が綺麗だったころバイトをムリせず食生活に気をつけていれば皮膚炎にならずにすんで今頃もずっと楽しく人生を謳歌してたとおもうと後悔し悶え苦しんでしまいます。そして前回質問したことの引き出物なんですが結局親ももう年なため実家にはもどらず家のなかで一人で仕事ができる在宅のテレアポのバイトで生活費を稼ぎながら治療していくことにしました。私と同期の人は病院で働きスキルアップをしていくのに私はバイト。この差はなんなんですかね。私は何かわるいことをしたのでしょうか?これは罰なのですか?肌のことなんてきにしなければいい?無理です。自分の肌が綺麗だからそんなことがいえるんです。どうして私だけこんな目に合わなきゃいけないんですか?楽しそうに話をする人達やカップルをみて自分の悲惨さに絶望してしまう毎日。頑張らなきゃって思ってもその酔いはすぐ醒めまたネガティブモードになる。いっそもうしんだほうが楽なんじゃないかと思います。でも今はまだその勇気がでませんし死ぬのはやっぱり怖いです。一生私は死ぬこともできず老いて死ぬまで生き地獄を味わうのでしょうか?この先もずっとこの状況は続くのでしょうか?もう生きていくのが辛いです。苦しいです。でもやっぱり病気は治したいのでテレアポのバイトしながら治療も頑張りたいです。お坊さんが私の立場ならどうしますか?アドバイスや後悔してしまうときの対処方法、なにか励みになるような言葉をかけていただけませんか? お願いします。

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透析が必要と言われた1人暮らしの父

以前父親の体調の相談をさせて頂きました。その節はありがとうございました。2年前に検査してわからなかった不調が今になって腎臓が悪いと言われ、しかも透析を考えなくてはいけない程悪いらしいです。2年前から定期的に採血して色々不調の原因を探してもらった時になぜ腎臓を注意してくれなかったのか…と思いますがもう仕方ないです。それより透析をそろそろ考えてと言われてますが、父親は1人暮らしで85歳なので透析は耐えられないし、自宅でする透析も覚えられないし1人暮らしでは無理だと言ってます。私は結婚して車で高速で1時間の場所に住み、弟は1人暮らしで車で1時間以内に住んでます。弟は毎週日曜日に様子を見に行ってくれてますが、透析となると毎日は実家には行けませんし弟の生活もあるので同居もすぐには難しいです。毎日どうしたらいいのか悩んでばかりで、でも後数ヶ月以内には決めなくてはいけないと思います。病院の先生も頼りないですし、近くに他に通える病院が無いので病院を変える事も無理です。なんかずっとモヤモヤして毎日生きた心地がしません。父親の方がもっと不安だろうから私もネガティブにならずに過ごしたいのに悩んでばかりです。 どうしたらいいでしょうと言っても恐らく答えは出ないとは思いますが、誰かに言いたくて聞いてもらいたくて相談してしまいました。不安が少しましになり前向きになれるお言葉を頂けたら嬉しいです。

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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ