医ですが、責任の重さに戸惑います
20代の医師ですが、医師としての責任に少し戸惑いを感じてしまいます。
上手く治療が行けばとても嬉しいですし感謝されるしやりがいもあります。しかし少し治療が上手くいかないだけで責任感を感じてしまい、「自分だからこうなってしまった」とか、「他の人がやればこうはならなかったのでは」と思ってしまいます。
先日も手の手術をした患者さんに術後強い疼痛が出現して、手が麻痺したようになってしまうことがありました。
CRPSといって、手術など侵襲が加わった際にまれに起こる原因不明の疼痛症候群で、防ぐ手立ても、有効な治療法もないものです。同意書にも記載してあり、十分に説明しています。患者さんもとても良い人で、「しょうがないね、大丈夫ですよ」と言ってくれます。過失ではないしある程度しょうがないとは分かっていますが、「手術しなければこうはならなかった」とか、「他の人がやれば起こらなかったかもしれない」など自責の念にかられてしまいます。今は休日でも、病棟で苦しんでる患者さんのことを考えてしまって落ち込んでしまいます。
医療といえど完璧ではない、失敗も含めて目の前のことを一つ一つ学んで次に活かさなければならない、と分かってはいますが…
医者の仕事は非常にやりがいがあるし、これからも頑張って患者さんを助けてあげたいと思っています。
今後医者を続けていく上で、心構えや、何かお言葉などあれば賜りたいです。よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
学び続けたい 人類の失敗と成功を
リスリースさん、今回のご相談は、医師としてだれもが必ず通る大事な関所ですね。「医者の仕事は非常にやりがいがあるし、これからも頑張って患者さんを助けてあげたい。だからこそ、失敗も含めて目の前のことを一つ一つ学んで次に活かしていきたい」というリスリースさんを、私は全面的に応援したい一人です。志を立てて長年の勉学と研修を重ね、無事に医師となられ、今こうして大切な現場に立ち続けてくださることに感謝を申し上げます。hasunohaでご自身の心の内を吐露できるリスリースさんは、素晴らしいです。私自身、リスリースさんの相談を通して医師の尊い葛藤を学ばせていただけるからです。
私は、日頃、地元小学校の絵本の読み聞かせに行っています。現在も止まないロシア-ウクライナ戦争が始まってしまった2日後のことです。その日は5年生の教室に入りました。子どもたちの1/3はニュースなどを通して戦争を知っていました。私は子どもたちに質問しました。「皆さんは何の勉強をしていますか?」子どもたちは口々に国語・算数・理科などと、教科の名前を挙げました。私は、「皆さんは、人類の失敗と成功を学んでいるのですよ。今回の戦争は大人の失敗です。とても悲しいことであると同時に、その失敗からも皆さんは何かを学ぶことが出来ます。私も学び続けたいです。」と話し、かつての戦争に学ぶ絵本を読みました。
リスリースさんは、もう充分ご存じですね。あなたが今まで学んできだことは、「人類の失敗と成功」であり、数多くの先輩医師たちの失敗と成功なのです。それは、「失敗なくして成功なし」ですね。
ただ、技術がどれほど発達したとしても人間の死を止めることができないように、人間の限界は必ず存在するでしょう。それは、人間に謙虚さという心を育ててくれるでしょう。他人に対する謙虚さ、いのちの対する謙虚さ、自然に対する謙虚さ、そして自分に対する謙虚さはとても大切なものだと思っています。その点でも、今回のご相談はとても大切なご相談でしたね。また何かの壁にぶつかったときは、この時の自分に立ち返って、またゆっくり歩み出してください。
リスリースさんの持つ様々な力が存分に発揮され、直接関わる患者さんだけではなくご家族の支えにもなり、そのことがリスリースさんをも支えていく日が来ることを、hasunoha 一同で応援していきます。また、ご相談くださいね。
自責の念を少しでも和らげるために
はじめまして、よろしくお願いいたします。
リスリースさんはとても優しくて繊細で真面目な感じがいたします。
それが長所であり短所なのかも知れませんね。
事例として適切ではないかも知れませんが。
私は腰痛が酷くて神経ブロック注射をしたことがあります。出産ぐらい痛い気がしました。その後、腰痛は改善しなくて治療を諦めました。私は主治医を責める気持ちは1ミリもなく。寧ろ、感謝しかないです。ほとんどの医療従事者様には感謝しかないです。
大学病院で原因不明と言われたこともありましたし、それでも今、こうして生きているのは関わってくださった皆様のお陰ですから。
カウンセリングの仕事をしていますと、リスリースさんと同じように反省や振り返りをよくします。
深夜に「今から薬を飲んで死にます」と言われたこともあります。
考えたらキリがないです。限界を感じたら上級カウンセラーにリファーをするしかない、定期的にカウンセリングを受ける、それでもその日のコンディションなどでクライエントさんを傷付けてしまいます。「言い過ぎてしまったなぁ」とか。
私はあるときに「ある程度は開き直るしかない、過去と他人は変えられないから」と腑に落ちて楽になりました(時間はかかりました)
リスリースさんも理想の先生がいますよね?その先生だったら辛いときはどうやって乗り越えるかイメージができますか?
また、エゴグラム診断もされてみては?
アダルトのAとフリーチャイルドFCを上げることを意識をしてみると自責の念が和らぐかも知れません。
ストレスがある時はクリティカルペアレントCPとアダプティッドチャイルドACが高くなっています。
「こうあるべき」を緩めたら楽になる気がいたします。
ご参考になれば幸いです。
また何かありましたらいつでもhasunohaにお越しくださいませ、お待ちしております。
質問者からのお礼
おふたりともありがとうございました。失敗から学ぶことが間違ってなかったことが再確認できました。また理想の先生ならどういう風に乗り切るかイメージする、というのがとても参考になりました。
まだ時間はかかるかもしれませんが、目の前のひとつひとつに集中して頑張ろうと思います。ありがとうございました。