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全くもって駄目です。回答受付中

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有り難し有り難し 2

最近、宮本武蔵(漫画ではありますが)の沢庵和尚の、天により今までの人生もこれから先も全ては完璧に決まっていて、それ故に全て自由と言う言葉に非常に感銘を受け、自分なりに宇宙の完璧な営みの中の一つであるから生きる事も死ぬ事もなにも恐れることはないと解釈し、何か悟りを得たような心地でいたのですが、知り合いに大きな癌がみつかり、心が嵐のようち荒れ狂ってしまいました。自分には何が起きても平気と思ってたくせに、悟りどころが全く駄目です。

2025年9月10日 1:10

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

まずは頭で理解するだけで良い

発展途上国では保健衛生の知識が普及しておらず、例えば「水を沸騰させれば殺菌できる」「手を石けんで洗えばかなり除菌できる」という知識がない人々が、下痢で命を落としているそうです。
日本人の多くは、上記の知識があります。
もちろん、知識があっても完全に清潔にはできず、日本人だって食中毒になる場合はあります。
それでも、知っているかいないかで大違い(下痢で死ぬ確率が減る)ですよね。
仏教的な(悟りにつながる)知識も、まずは知っているだけで尊いのです。
苦・集・滅・道の四諦や八正道、無常や無我、慈・悲・喜・捨の四無量心などの仏教的な知識がわずかにでもあれば、そこはすでに悟りに向かう道の上なのです。
もちろん、戒を守ったり瞑想する等の修行をして悟りへの道を進んでいかねば完全な悟りには至りませんが、少なくとも、頭で理解することで間違った道に迷うことはなくなるのです。
また、悩み苦しみの原因である煩悩も、修行していきなり全てが消えるわけではなく、悟りにも段階(煩悩が消えていくステップ)があるそうです。
ですから、煩悩や妄想雑念で動揺することはあっても仕方ない、それでも正しい教えをまずは頭で理解するだけでも尊いことだと思って、安心してください。
そして、瞬間瞬間に浮かんでは消えていく思考や感情を、ひと息ついて眺めてみれば、「たまに心が下痢になるけど毎日ではない」ことの幸せに気付くかもしれませんね。

2025年9月10日 5:46
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

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