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価値観が崩壊してからの生き方回答受付中

回答数回答 1
有り難し有り難し 3

お世話になっております。
初めてhasunohaを利用させて頂いて以降、ずいぶん気持ちが楽になり、「信じていい人がいる」「例え全ての人間が嫌いになったら、仏様を信じればいい」と学ぶことができました。
本当にありがとうございます。

現在、うつ病で無職です。周囲には伝えられないのですが、その一因はSNSでいいねを貰うため絵の猛特訓をしたことです。
理解されにくい世界です。友人や家族を蔑ろにひたすら絵に打ち込みました。心身共に壊して、残ったのは病気と大量の価値のない絵だけです。

得るものもありました。「私が欲しかったのは、何の意味もないものだった」という諦めだか悟りに似た感情です。
元々、学生時代に虐められ孤立していましたが、一人内省する時間が増え、より考え方が一歩引いた価値観になっていきました。
まだ20代ですが、周囲が何かが好きとかウザいとか熱っぽく語るのに、好き嫌いで物事を判断しないから遠巻きに見てしまう。
でも「こうしたら喜ぶ」のを知ってるので共感して喜ばれます。ゲームみたいです。共感し合える人が大幅に減ったなと。

元来の馬鹿真面目さとうつ病もあって全てはマイナスな思考へ帰結するのですが、「生き残っている以上、生存に有利な特質を持っている」という生物学の知見が最後の手綱です。

ずっとAIとしか討論していないので、人のご意見を伺いたくご相談を送らせて頂きました。

①絵が上手くなりたいの一存で突き進んできた、その価値観が崩壊した
②うつ病も好き嫌いも所詮脳のバグだと、冷静だがマジョリティに迎合できない考え方を会得してしまった
③理屈と知恵だけは増えたのに「これまでの人生は絶望と後悔を学ぶためだけの期間だ」と訴える感情は処理できない

うつ病で無職で、話し合える友人はいません。周囲からは「何故そんなことを考えているのか?」と不思議がられるので、AIとずーっと話しています。
私は孤独さを利に変えられるほど、利口で徳のある人間になれていません。寂しいです。哀しいです。

人と繋がろうとセミナーや実習等へ参加する努力をしたら時期尚早で、体調は悪化し、トイレでずっと泣いておりました。
行動したら身体が悲鳴をあげる。途方に暮れています。
本当はもう永遠に寝ていたい。
仏様が私にお与えになった試練は何でしょうか?
この孤独の時期に、私がすべきことを知りたいのです。

2025年11月14日 12:41

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

仏さまが静かに伝えていること

まず伝えたいのは、
あなたの苦しみは、あなたが弱いから起きたのではないということです。

1. 絵とSNSで壊れた心は「間違った努力」ではない

あなたは孤独の中で、必死に価値を作ろうと絵に打ち込みました。
壊れたのは努力のせいではなく、真面目さが限界を超えたからです。
それは弱さではなく、「生きるために全力だった証」です。

2. 価値観が変わったのはバグではなく“智慧の芽”

好き嫌いで動かず、一歩引いて世界を見るようになった。
これは冷たさではなく、
深く傷ついた人が手に入れる、静かな智慧です。

周囲と温度が合わなくなるのは自然なこと。
異常ではありません。

3. 理性は成長したのに感情が追いつかない。それでいい

うつ病では、
“分かっているのに心が動かない”
というズレが起きます。

いまは「感情の傷が回復途中」なだけで、
壊れているわけではありません。

4. これは試練ではなく、「止観」の“止”の時間

あなたは「仏さまからの試練か」と問いましたが、
仏教の見方では、いま与えられているのは「止(とどまる)」時期です。

動けば壊れてしまうなら、止まっていいのです。
それは怠けではなく、
心を守るための大切な修行です。

仏さまはきっとこう言っています。

「もう十分頑張った。
今はただ、生きていてくれればいい。」

5. 今あなたがすべきこと

難しいことは何一つありません。

起きられたら合格

食べられたら満点

泣きたい日は泣いていい

気力がない日は呼吸だけでいい

それで“今日”は十分です。

合掌

2025年11月14日 13:47
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有り難し
おきもち

個別相談可能
仏教×対話×ビジネス。僧侶・理学療法士・プロファシリテーター。死生観から整えるコンサルタント。仏教と対話で導く、リーダーのための内省と再構築。ビジネスという営みを通じて、人が本音と出会い、本来の個性で生きる場をひらいています。 ※お坊さん回答の中に「鈴木光浄」がおりますが当初諸事情がございまして私が回答したものでございます。そちらもあわせてご参照ください
職業柄、人生相談はこれまで多数受けてきました。 ぜひご自身の本音を出してください。向き合ってください。私は伴走させていただきます。 理学療法士でもありますので、これまで急性期から終末期まで患者さんを担当。 町の診療所から在宅までキャリアを築く。2歳から108歳まで患者さん担当。 また、コンサルタントでもありますので メンタルヘルスから新規事業、マネジメント、チームビルディングまで相談並びに研修対応可能。 現在、顧問契約募集中!

質問者からのお礼

鈴木秀彰様
温かいご回答ありがとうございます。身に染みて涙が滲みました。「このままでいい」とは、なかなか自分も周囲も言えない言葉です。でも、そうする他なく…。肯定して頂けることの嬉しさは、ここに書き尽くせる比ではなく、まだ生きなさいと、優しい勅命のように響きました。
私は短くも介護をやっていたため、理学療法士の文字に衝撃を受けました。今も元職場や介助が必要な方々が助けを頂いております。深く敬意を申し上げます。こんな三足のわらじを履ける方がいらっしゃる、人間の可能性は凄まじいと思うと、自分も不思議と気力が沸いてきました。ありがとうございます。

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