心の持ち方を教えてください
私は悪口や陰口を人から言われやすい人間なのかもしれません。
またそれを非常に気にしてしまう人間です。
子供の頃に学校生活の中で言われた悪口やその時の状況を今でも覚えていて、気持ちが沈んだりします。
地元に住んでいるので、その人達の今の状況も分かります。
その人達は笑って幸せそうに暮らしています。
見かける度に、不幸になれとか心の中で思います。
心の中で憎しんで思うだけで、口に出して言いません。それどころか、見かけてしまったら目をそらしたり、違う方向に行きます。堂々としていられません。たぶん自分の心の中でその人達が怖いなという感覚が残っているんだと思います。
私に心の持ち方を教えてください。
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悪口や陰口を言われるのは辛いですね。誰しも気にしてしまい、傷つきます。
お釈迦さまの実例をお伝えしますね。
あるところに、お釈迦様のことを妬んでひがんでいる男がいました。
「なぜあんな男にみんな陶酔するんだ。みんなの前で罵(ののし)って、人気をおとしてやろう」
と計画し、ある日、お釈迦さまの毎日通る道で待ち伏せすることにしたのです。
いつものように道を歩いてこられたお釈迦さま。そこに現れた男は、お釈迦さまの悪口をみんなの前で言いふらします。お釈迦さまは、ただ黙って、その男の言葉を聞いておられるのです。一緒にいた弟子たちはくやしい気持ちで、
「あんなひどいことを言わせておいていいのですか?」
とお釈迦さまにたずねました。それでも、お釈迦さまは一言も言い返すことなく、黙ってその男の悪態を聞いていました。男は、一方的にお釈迦さまの悪口を言い続けて疲れたのか、しばらく後、その場にへたりこんでしまいました。どんな悪口を言っても、お釈迦さまは一言も言い返さないので、なんだか虚しくなってしまったのです。
その様子を見て、お釈迦さまは、静かにその男にたずねました。
「もし他人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかった時、その贈り物は一体誰のものだろうか」
こう聞かれた男は、突っぱねるように言いました。
「そりゃ、言うまでもない。相手が受け取らなかったら贈ろうとした者のものだろう。わかりきったことを聞くな」
男はそう答えてからすぐに、
「あっ」
と気づきました。お釈迦さまは静かにこう続けられました。
「そうだよ。今、あなたは私のことをひどくののしった。でも、私はその ののしりを少しも受け取らなかった。だから、あなたが言ったことはすべて、あなたが受け取ることになるんだよ」
男は顔を真っ赤にして、その場を去って行ったそうです。
悪口や陰口は、あることないことを大げさに言ったり、事実ではないことがほとんどです。それでも私達はその事に気にしてしまい。傷ついてしまいます。しかしお釈迦さまは、逃げることもなく、じっとその悪口を聞いて、口ごたえもしませんでした。お釈迦さまは、悪口や陰口を聞いても、心の中には入れず、鏡のように跳ね返していたのですね。だから心も傷つかず、心も平静を保っていられたのです。
私達も、そのような忍耐と、悪口や陰口を跳ね返す、強い心を持っていきたいですね。
質問者からのお礼
お釈迦様のお話を教えてくださり、ありがとうございました。
相談してよかったです。
日々の生活の中でこのお話を心に留めて過ごしていきたいです。