回答 2
有り難し 21こんにちは。
私は、以前から気になっていたことがあります。
「人間は、人それぞれ何かを成し遂げるために生まれてきた」と
聞いたことがあります。
個人個人、この世でやることがあって、正を受けたというような
内容です。
言い換えると、その人それぞれに、生まれてきた意味があると
いうような考えになるかと思います。
私は、本当にそうなのかと考えています。
人は、そういった「見えない大きな意志」で
生まれてきたのでしょうか。
生まれてきた意味、というのはあるのでしょうか。
昔から結構聞かされてきて、そのせいか、
「私が生まれてきた意味」って何だろう、とよく考えてしまいます。
何か、雲をつかむような質問で申し訳ないのですが、
疑問に思っていたことなので、教えていただきたく思います。
お手数ですが、何卒よろしくお願いいたします。
お坊さんからの回答 2件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
そういうのはキリスト教的な発想です。創造主たる神が目的の達成を目指し、意図目的をもって１つ１つを創るわけですからそのような話の流れになります。でも、お釈迦さまはそんなこと一言もおっしゃっていません。では仏教は何を説くか？
全ての事物には原因と結果があります。過去・現在・未来にわたる原因と結果の網の目のような繋がりによってこの世界はできています。ゆえに全ての個は繋がりによって生じているのだから、個であると同時に全、全であると同時に個です。
これが縁起思想。この原因と結果を網の目で例えたのが華厳経のインドラ網であり、川の流れと泡で例えたのが徒然草。さらに個と全を変動的に捉えて言い換えたのが般若経の色即是空・空即是色で、個と全のクローズアップ・ズームアウトで捉えて言い直したのが華厳経の一即一切・一切即一。一即一切をさらに一挙手一投足に落とし込んだのが道元禅の威儀即仏法で、あるいは言葉や心の作用に落とし込んだのが法華経の一念三千。
何が言いたいか、仏教は生きる意味なんか語っていません。だって、そもそも意味を持つような自分がいないと悟るのが仏教ですもの。個は全です。
全が個なんだから他人もいない。自分も他人もいないというのは、言い換えれば他人も自分も等しく大きな自分。だから協力し合って生きないと愚かですよね？自分勝手に生きるって自傷行為ですよね？みんなで不誠実に生きたら悪因車が煽りまくり、急ブレーキ急発進しまくり、事故りまくりで大渋滞しますよね？みんなで誠実に生きて善因車でスムーズな交通を楽しみましょう。と、そういう話です。それを生きる意味と言いたいなら、まぁそれは１つの表現としてアリと言えばアリ。
そもそも意味なんて人間の認知の産物です。そんなものよりあなたの空腹感こそがリアルな生命です。それがあなたの中に存在する過去・現在の全ての結果であり、全ての未来を内包するもの。それが生命力であり、悟りであり、仏。
なのに脳内でグダグダ理屈作り出してアーだコーだ言うのが煩悩。
グダグダ言ってねーで全心全霊で生きろ。テメーに繋がる原因全てがテメーを生かしてんのに、テメーの勝手な理屈でカサブタ作ってんじゃねーよ。空気読めや。
至高の存在を目指すな、余計なモノを落とせ。そういうのが仏教です。
面白いと思いません？ワタシすっっっごく面白いと思います。
pre様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
「生まれてきた意味」、理由、価値などは、「これだ」と決定して言えるような実体的なものがあるわけではありません。
もちろん、実体的に無いとは言っても、何もないわけではなく、色々な因縁（原因・条件）などに依存して一応はあり得ているようなものとなります。
世間的にも、良い因縁に依れば、良い結果としての意味・理由・価値となり、世間的にも、悪い因縁に依れば、悪い結果としての意味・理由・価値となる、また、更に色々な因縁に依って変化していくものにもなります。
できれば、世間的にも、あるいはそこから一歩出た出世間的（仏教的）にも、良い因縁を調えることにより、良い結果として参りたいものとなります。
川口英俊 合掌
大慈様
ご回答、ありがとうございました。
確かに私の考えは、全知全能の神様があって成り立つものですね。
的外れな質問をしてしまった感があり、恥ずかしく思っています。
色々余計なことを考えずに、今ある事象に真摯に、一生懸命取り組んでいきたいと思っています。
長年疑問に思っていた内容がハッキリして、嬉しく思います。
これからも色々質問させていただくかと思いますので、またご縁がありましたら
ご回答お願いします。
ありがとうございました。
川口様
ご回答いただき、本当にありがとうございました。
良い因縁に巡り合うためにはどうしたらいいのか、雲をつかむような感覚ですが、
私に起こる色々な事象について、真面目に取り組んでいきたいと思います。
まだまだ暑い日が続きますので、お体に気を付けてお過ごしください。
ご回答いただいたご縁に感謝したいです。
では、失礼いたします。
