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何も楽しみがないという80歳の義母に何かしてあげたい

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我が家から車で一時間程のところに義母は一人で暮らしています。12年前に義父は他界していて、40代後半の次男は大学卒業後、神奈川県で仕事をしていて独身です。義母は趣味が全く無く、出掛けるといえば、病院と買い物と町内の行事(現在、組長です)くらいです。最近ひざが痛いようですが、今までに大きな病気もなく入院の経験もないほど健康です。若いころは、パートや内職をやっていたそうです。主人の話では家族旅行は一度も行ったことがないそうです。娘たちが小さい時に温泉旅行など何度となく誘いましたが、トイレが近いからとか頭がフラフラするから心配と断られて実現していません。義父は行きたがっていましたが、義母の体調を考えると無理強いは出来ませんでした。娘たちが中学生くらいから、年に五、六回ほどしか遊びに行かなくなりましたが、主人は二、三週間に一度車で買い物に連れって行っています。主人が行けない時は私が行くと言っても遠慮されてしまいます。我が家は一年半前に引っ越しをしました。前の家からは実家まで車で20分の場所でした。少し離れたので不安がないように以前と変わらないようにしています。我が家にとっては全然平気な距離なのですが、義母にとっては、すごく遠くに感じているようで、気を使っています。主人も引っ越す前と職場は同じで通勤時間もあまり変わりません。娘たちが20歳を過ぎた時に、実家はもうあなたたちの方になっていくねと義母が言ったのが印象に残っています。嫁の私には何も言いませんが、主人に何も楽しみがないと言う義母に何か楽しみを見つけて欲しいと思うのですが、カルチャーセンターなどには興味がないようです。出不精の母に何かしてあげれる事はないでしょうか?


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

身内の健やかな日々が、お義母さまの生きる張り合い

拝読致しました。涙が出るほど、真心のこもったご相談内容でした。

傘寿を迎えられ、息災に過ごされているご様子で本当に喜ばしい限りです。また、高齢社会とはいえ、80歳の方が組長として町内行事に参加されているというのは素晴らしいことですね。その他、買い物や病院など定期的に外出されている訳ですから、年齢的に考えても決して生活行動範囲が狭過ぎることもなさそうです。
膝の痛みは、加齢による変形性膝関節症などが疑われますが、膝を支える筋力を維持する必要性がある一方で、痛みをこらえて無理に歩き回ることは決して良いことではありません。

膝の痛みが生活の支障になって来ているのであれば、将来的なことも考えて「デイサービス」という選択肢もあります。要介護認定を受けられて(恐らく要支援)、月に2~4回程度施設に通うのです。介護保険が施行されてからの通所介護施設の多くは、介護サービスとしてのクオリティーを重視しており、送迎や入浴、食事はもちろん付いていて、レクリエーションが大変充実しています。定期的に外部から招いて、催し物を行う施設もあります。
ただ、メンタル的にクリアな方ばかりではありませんし、ご本人がそれだけ活動的であれば、「病人扱いするな!」と思ってしまわれるかもしれませんね。ケアマネさんによくご相談なさって、その必要性を十分理解して頂くことが肝要かと思います。

現時点では、お義母さまなりのペースで、人生を楽しんでいらっしゃるのだと思いますよ。「実家はもう貴方たちの方になっていくね。」と仰ったお義母さまのお言葉に、何物にも代え難い幸せを感じていらっしゃる…私には、そう感じます。
そして、子ども達の幸せ、孫の成長、そんな身内の健やかな日々が、お義母さまの生きる張り合いとなり、ぐーたんさん達の「心づくし」がお義母さまの人生を更に豊かにして差し上げていると確信しております。
ぐーたんさん自身も、そんなお義母さまから自信を授かって下さい。

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初めまして。桑木茂光と申します。 大阪最北端に位置する能勢町にございます...
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自分で出来ることを教えてあげましょう

膝が痛いと言うことですから、白胡麻油とか馬油を買ってあげてオイルマッサージを教えてあげましょう。痛みのある場所とその上下に、次いで手首と足首に手のひらでぐるぐると回しながらすり込みます。手首足首のマッサージは全身の循環を促して継続して実行すればいろんな病気の改善につながります。アーユルヴェーダのオイルマッサージなどは全身をするので家庭では簡単に取り組めませんが、手首足首のマッサージはどこでもいつでも、やってあげられるし、自分でも出来ますね。手首足首には経絡が通っていますので、簡略ですがこのマッサージの効果はおおきいのです。自分でやってみて効果があれば、知り合いの方にも教えてあげましょうと言う気持ちになって来ます。
人間は何事も自分で獲得することがいいのです。人にしてもらうことに依存するようになると介護される人生に疑問も抱かない人間になりますね。元気で生涯自立出来るとどんなに素晴らしいことでしょうか。
アーユルヴェーダとは人の役に立つことをいうのです。仏教の素はアーユルヴェーダだと言われています。御釈迦様は自立した合理的な人間であるべきだと仏教をアーユルヴェーダを土台に起こされたのだと言われています。仏教は優れた衛生学なんです。
手首足首マッサージやってみて下さいね。
きっと気づくことが多くて人生が楽しくなります。

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山内 宥厳
楽健法と楽健寺の天然酵母パンを普及しはじめてかれこれ半世紀になります。楽健...
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あるカウンセラーの話

20世紀の有名なカウンセラー、ミルトン・エリクソンのお話です
「一人暮らしの寂しい女性がいる。年老いた両親を亡くしてから、彼女はますます引きこもりになって、ほとんど外出もしない。彼女が唯一出かけるのは日曜のミサだけだ。どうか、一度彼女を訪ねて欲しいと。」エリクソンは、知り合いの医者から依頼を受けたそうです。
 エリクソンはその依頼を承諾し、その年老いた女性のお屋敷を訪問し、「家中の部屋を全部見せてもらいたい」と屋敷の中に入りました。中はとても薄暗く、廊下も、リビングも、ほとんど日が射さないかのよう。台所も二階の客間、書斎、も同様でした。どの部屋も薄暗く、湿っており、彼女の寂しさを映し出していました。庭に通じる渡り廊下にさしかかったとき、エリクソンはその角に紫色の可憐な花を付けた鉢植えを見つけました。エリクソンは、その花に命の息吹を感じたそうです。
「あの花は?」
「あ、あれは、アフリカン・バイオレットです」女性はうつむきがちに答えました。
「では、約束してほしい。できるだけ多くのアフリカン・バイオレットを増やしなさい。そして、これからはミサに行ったら、そこに来ている人びとから聞き出しなさい。誰かお誕生日の人がいるか、結婚記念日などのお祝いの日が近づいている人がいるか、そして、その相手にこの花を贈るのだ。アフリカン・バイオレットをね。約束できるかな?」
「はい、わかりました」女性は答え、エリクソンの言う通りバイオレットを増やして贈ることを始めました。
やがて婦人は教会で花を配ることを通して人々との交流を取り戻し。元気で忙しくして、引きこもりとか鬱の症状を出す暇もなく、「バイオレット婦人」の愛称で親しまれるようになったのだそうです。時は流れ、エリクソンのところに一つの郵便物が送られて来ました。送り主は、彼に依頼をした医者です。中には一冊のタウン誌が入っていて、その表紙には優雅に微笑む年老いた貴婦人の写真とともにこんなタイトルが。
「バイオレット婦人と呼ばれたその女性は、多くの人びとに愛され、惜しまれて、静かに眠りに就いた」
あなたのお母さんにこの話の通りに行動しなさいという事ではないのです。お母さんの中に何か行動を起こすものがあるという事です。それは、たぶん、何か命の息吹を感じるもで、お母さんの好きなことでしょう。そこをあなたは支えていけば良いのでなはいのでしょうか。

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お寺の法務(法事などのご先祖の供養)と 唱題行・写経・法話・カウンセリン...
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質問者からのお礼

早々のご回答ありがとうございます。確かに母は、膝が痛いと言っている割には、年配の方が使用している四輪のショッピングカートは、いよいよお婆さんみたいで、まだ使いたくないと言っているくらいなので、私たちが思うほど心配ないのかもしれません。近所の方はデイサービスを利用しているようですが、母は、まだその気がないみたいです。おいしいものも食べさせたいと外食にも誘うのですが、コレステロールなどを気にしてほとんど行ったことがありません。でも母なりのペースで人生を楽しんでいるのなら、それが何よりです。ありがとうございました。

母にとって、それが何なのか分かる日が早く来ればと思います。最近は、近所のことでイライラすると愚痴も増えてきたので、好きな事、楽しめる事を見つけられる手助けが出来たらと思います。
ありがとうございました。

オイルマッサージ是非教えてあげたいと思います。アーユルヴェーダ、エステサロンで耳にする言葉でしたが、深い意味があるのですね!勉強になりました。ありがとうございました。

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