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過去の記憶と今の自分

回答数回答 2
有り難し有り難し 25

以前相談させてもらったものです。
前回息子の事を相談させていただいたんですが、今回も息子との関わりについて相談させてください。
以前から息子の事でイライラしてしまい、強く怒ってしまいます。
後で冷静になって考えた時、そんなことで怒らなくてもと思うような事でも、その時の感情で強く怒ってしまうのです。
正直、顔を叩いた事も過去あります。
甘えたいのもわかっているのですが、甘えられるのも苦手です。
そして、最近、息子が自分自身の事を蔑むような言い方をしだしました。
「僕は怒られてばかりでバカだから」とか…
その時、どうしようもない罪悪感が私を襲います。

自分自身、幼少期に親から褒められた記憶や抱きしめられた記憶がなく、怒鳴られた事、人と比べられた事しか記憶にありません。
そんな親にはなりたくないと思いながらも、自分の親と同じやり方をしてしまっています。
悪循環になっている事はわかっているのですが、どうしたらいいのかわかりません。
どうか、力をお貸しください。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

難しいかもしれませんが。

こんな事を試してみませんか。ちょっと難しいかもしれませんけど。

子供さんを抱きしめて、抱きしめたままでこう言ってください。
抱きしめたままなら顔が見えないので言いやすいかと思います。

「お母さんは、あなたが大好きです。
でも、お母さんはあなたと上手に触れ合う事が苦手です。
叩いてしまった事もありましたね。ごめんなさい。
これからも上手にできるか自信はありませんけど、一生懸命やりますね。
おぼえておいてほしいのだけど。
お母さんはあなたの事が大好きです」

難しいかもしれないけど、一度できれば何度でもできますよ。
抱きしめたりするのは難しいですか?
あの子が生まれて初めて抱きしめた時から、ずっとあの子はあなたの子供さんですよ。

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有り難し
おきもち

こんにちは。芦川宗念と申します。 48歳で出家して、現在小さな山寺の住職をしている新米坊主です。 以前は床屋の芦川稔さん。今は妙心前堂慈峰宗念和尚禅師でございます。

良いところを褒める努力も必要ですよ

他人を見ていると、長所よりも短所が目立つものですし、良い点よりも悪い点の方が目につきますよね。子育てにおいても、同様だと思います。直したい、注意したい「欠点」の方が目につき、必然的に怒鳴ってしまうことが多くなる。どこの親も同じですよ。

でも、注意し怒鳴るばかりでは、子供さんだってたまったものじゃないですよね。私も経験してきたことですし、あなた自身も経験してきたことだと思います。長所もあって、短所もあってこそ、一人の人間です。また、長所と短所は表裏一体な場合も多いんです。
「娘の性格と私の性格」  http://hasunoha.jp/questions/5474

暖かい、大らかな心で子供さんを見守ってあげましょう。どうしても叱らなければならないこともあると思いますが、一つ叱ったら、別の機会に必ず一つ褒めてあげましょう。あなた自身が褒められたことが無く、叱られた記憶だけであることを悲しく思うなら、「褒めてあげる努力」をしましょう。

日々の生活の中で、物事の善悪を教え、正しい生活習慣を躾ていくことは大事です。ですから、叱ることは大事です。叱ることは必要です。但し、普段から事の善悪を教え説明し、きちんとした躾を行った上で、違反行為や怠慢があった時にきつく注意するようにしてください。ただ怒鳴り散らしたり、八つ当たりするような𠮟り方にはならないように注意しましょう。

 子育てしていく上で、愛語が大事です。
「利を説いて叱る。情をもって叱る」 http://hasunoha.jp/questions/3538

愛語には、やさしい言葉「春風心」ときびしい言葉「秋霜心」があります。春風心は春風のようにふんわりと人を包んであげる言葉。秋霜心は短い言葉だけれど、この一語の厳しさは私たちを目覚めさせ変えてゆく力をもらっている言葉。    酒井大岳著『正法眼蔵の愛語に学ぶ』より

子供さんを叱るにしても、子供さんへの愛語となる叱り方を心がけてください。

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有り難し
おきもち

個別相談可能
 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努めております。決して容易いことでは有りませんが、一期一会の気持ちで相談に、葬儀法事に励みたいと思います。    最初法学部部にで学び、4年間ほど公務員をしていました。(税務署勤務)その当時の学びと経験を終活相談に活かしたいと思います。                                              昭和63年5月に住職となってから、30年が過ぎてしまいました。仏教学・禅学もそこそこ真面目に学んだつもりですが、宗教学・宗教民俗学に力を入れて学びました。そういう分野については丁寧な回答が出来るかも。
一人一人の気持ちに寄り添い、傾聴に徹して、心をほぐしてあげられるよう、努めたいと思います。 それと同時に、完璧に出来るとは限りませんが、其の人が歩むべき方向を一緒に考えてあげたり、次の一歩を踏み出せるよう背中をおしてあげられるよう、努めたいと思っております。

質問者からのお礼

ご回答、本当にありがとうございます。
お二人様の言葉を見て、今の自分はこんな事できていないなと改めて痛感しました。
抱きしめる…なかなか難しいですが、少しずつ心がけて行こうかと思います。
叱る中にも愛を忘れず、これからも努力していこうと思います。
ありがとうございました。

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