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やりどころのない怒り

回答数回答 2
有り難し有り難し 63

会社に70になる老害がいます。常識常識言う割には本人に全く常識が無く、大したことじゃないのにすぐ大声を出し、大騒ぎします。この前も女性社員に難癖をつけ恫喝し、会社をやめると言わせました。(辞めはしませんでした)また、金に汚く、詳細のわからない領収書を持ってきて、質問すると大騒ぎします。旅費も大幅に水増しして請求してきます。

僧侶の皆様には怒られてしまう言い方かもしれませんが、本当に人間のクズだと思います。生きている価値が無いと思います。こんな輩に毎日腹を立てています。会社からいなくなってくれないからには、自分の内面的なものでどうにかするしかないと思う事があります。いいアドバイスをお願いします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

怨憎会苦からの解脱方法

憎い人との出会いは避けられないものですが、その憎い人が憎い人でならならなくなる方法は、その人の「実物」を見ることです。
アナタは無意識のうちに、その人に自分の価値観のラベルを張り付けてしまっているのです。
確かに、誰がみても「おかしい」「すさまじい」人はいます。
ゴミおじさんなどもまさにそのたぐいでしょう。
ですが、禅ではその人には、良いも悪いも、好きも嫌いもついていない所をみろ、と説きます。
実物とは、自分の好き嫌いや価値観のラベルを張り付ける前の姿です。
その人を嫌いになり出した0・1秒前はどうだったでしょうか?ただの人であったはずです。
また、たった今、その人が目の前にいない時はどうだったでしょうか?
忘れていたはずです。
あなたが問題にしていなかったからです。
拾い上げること、ピックアップがなかったから問題にもならなかったのです。
この様に、好ましくない事、キライな事というのは「自分にとって都合が悪い」事が生じた習慣だけが問題であって、その人と出会っていない時や問題にしていない時には、まるで問題になっていないはずです。
さらには、その人と同じ部屋にいても、そのことを忘れている時には、まるで問題になっていないはずです。禅では、これを無心といいます。
わたくしする気持ちがないから、無私心とも言います。
無心とは、空っぽになれという事ではありません。
その事の中に居ながら、そのことを忘れていることです。
たった今、あなたは、立っていながら自分の足も、座っていながら腰も、忘れられていたはずです。
そういう、そのことの中に在りながら、そのことを忘じている様子を大事になさってください。
自分がひきよせを起こさなければ、その人が、ただ、そこに「ぼん」といるだけなのです。
あなたはアナタを生きることです。
もう一度、申し上げます。
その人には、あなたの思ったラベルは何一つついていません。
自分の私的な、良し悪し、好き嫌いを除いて、その人そのものを、肉眼だけで見ることです。
すると、そこに自分の思いを重ねる以前の「ただの」その人に出会う事が出来るはずです。
キーワードは「無私」「無評価」「ノンラベル」。
それが、あなたにとっての、仏道修行です。

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有り難し
おきもち

お気持ちよく判ります

必ずしもご高齢の方とは限りませんが、「一体何なんだ!」という相手は誰にでも存在することでしょう。
結論から申し上げますと、家族とか他人とかいう属性にかかわらず、最終的には結局は受け入れるか否かでしょう。
勿論、排除しても結構です。相手を自分のテリトリーから排除することが出来なければ、自分が相手から遠ざかるの一つの解決方法でしょう。ただ、その人からは逃れることが出来たとしても、何処に行っても程度の差はあれ、必ずまた嫌な人が現れることだと思います。
また腹を立てて、イライラしても、ほとんど相手は意に介していないことが多いですし、まともにやり合って喧嘩にでもなったら、結局損をするのは自分自身です。だから泣き寝入りじゃないですが、「あの人はそういう人だ」と割り切って付き合うしか無いと思います。

佛教が扱っているのは、他人の心や周りの環境を変える方法ではありません。あくまでも自分の心、気持ちの持ち様を変えていく方法です。ですので他人の言動に腹を立てたら、自分は一体その人の何に対して腹を立ててるのかを、冷静に観察してみるのも一興です。
ほとんどの場合は、「自分の尺度に合わない」ことが多いと思うのですが、考えてみれば自分だって「他人の尺度には合わない」行動をしているものです。だからある程度は、お互い様だと思うしか無いと思います。
それともう一つは腹を立てても、自分にとって何一つメリットはありません。
先ずはそのことを、繰り返し自らに言い聞かせて、本当に必要な問題がある時は、冷静に周りの人達とも相談しながら、解決策を協議するのが宜しいかと思います。

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有り難し
おきもち

昭和39年生。昭和62年佛教大学卒。
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質問者からのお礼

山本様、丹下様ご回答ありがとうございます。この人物の事は本当に嫌いで、夢にまで出てくる位です。考えると吐き気がするときもあり、会社で実際に2回ほど嘔吐したこともあります。ご両名様のアドバイスを参考に、今後は自分の内面の修業を思います。今後もよろしくお願いいたします。

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