演技をしないで生きてても幸せになれますか?
私は現在主人と息子(3か月)の3人暮らしです。
初めての子育てで、わからない事ばかりで毎日奮闘しています。
私の幼い頃の家庭での思い出は辛い事ばかりでした。父親は定職につかず家でお酒を飲んで気に入らない事があると私に暴力を振るいました。
母には暴力をふるわなかったのですが、そんな父に怯え助けてくれず知らないふりをされていました。
私は両親に気に入ってもらおうと必死で何をされても笑顔で素直な自分を演技して生きてきました。
いつの間にか自分自身の事がわからなくなってしまい、突然不安におそわれたり、感情がシャットアウトしてしまいます。
そのためか、主人や子供との接し方がわからず混乱します。
今までは我慢や演技で乗り越えてこれたのに、子供が産まれてから何かがか変わったようで、
感情に抑えがきかず不安定です。
主人の優しさの受けとめかたがわからず傷つける事をしてしまいます。自分が嫌になります。
本当は幸せで暖かい家庭を築きたい気持ちは人一倍あるのに空回りしています。
家族や家庭の意味がもうわからない状態です。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
前世から決めたこと
まりもさまココロのご相談ありがとうございます。
私は日蓮宗・源妙寺住職の渡邊源昇と申します。
こちらに質問されるのも勇気がいった事と思います、そのお気持ちが無駄にならないように誠意をもってお答え申し上げます。
はじめにお経に書かれている、仏さまのお話をさせていただきます。
お釈迦さま(仏さま)が生きている頃、お釈迦さまにもの凄く嫌がらせをしてくる提婆(だいば)という方がいました。ある日、お弟子さんが「お釈迦さまはどうして提婆の悪口を言わないのですか」と質問をされます。
するとお釈迦さまは「実はあの嫌がらせをしてくる提婆は、前世で私の師匠だったんだよ。そして今世で、私は師匠から形を変えて嫌がらせを受ける。その試練を私は乗り越え、今よりもっと魂をレベルアップする約束をしたんだ。」と言われました。
まりもさまも、さぞお辛い経験をなさったと思いますが、仏さまの教えに習って考えると「今の苦しみは、前世であなたが約束してきた」事なのです。そしてあなたに嫌がらせをしてきた方や、これから嫌がらせをしてくる方は前世の師匠かも知れません。
「なぜ今そんな苦しみを味あわなければならないのか」と考えた時、それはあなたが更に一段成長する時期だからこそ、今の苦しみがあるのだと思います。
嫌のことの原因を、他人に求めても見つけることはできません。変えられるのは自分の心だけなのです。
お辛い経験をなさった心中は十分に察しますが、どうかそんな考え方も参考にしてみてください。
演技も内容によっては必要と思います。
「幸せだから笑う」のではなく「笑うから幸せ」なのです。
例えば、演技をしようとした瞬間はまだですが、笑って楽しそうな顔をした瞬間はもうあなたの心は幸せなのです。
それを続けていれば、心が自然と幸せになってくるものです。
誰でも、我慢だけを繰り返していても幸せにはなりません。「誰よりも幸せで慈愛に満ちたまりもさんの姿」を頭の中で一生懸命イメージしながら演技をしてみてください。
必ず心と目の前の環境が変わってくるはずです。
今のあなたは母親の立場になり、更に一段魂がレベルアップする修行の時期です。
心より、幸せをお祈りしています。 合掌
俳優の病
世界的に有名な映画俳優さんでも、俳優業の職業病として、❝演じる❞が故に、本来の自分を失うという事があるそうです。
演技のキャラに縛られることもあるでしょうし、幼少期からの親の言いなり生活で、その頃から演じる事を強要されてきたからです。
そうすると次第に、本来の姿、自然らしさを求め、大自然(⇔人)を愛するのだそうです。
あなたの長年の悩みには❝人間❞がいつもそこに介入していたのが、自覚できますでしょうか。❝人我(にんが)❞が入ることで、そこに都合、不都合が生まれているのです。
でも、それは、相手に対して迎合、へつらいをしようとする、自分の自我なのです。
たとえば自然を相手にしている漁業、林業、農家の方々でも、本当に一人でやって自然だけ相手にしてれば苦しみはありません。
組合に所属する、家族を養う、関係する人間が増えると、人間が相手になり、迎合してしまうものです。
われわれ坊さん業界でも宗派組織の巨大化で、さまざまな人間の価値観に縛られ、人我が介入することで身動きが取れなくなることもあります。
畑も野菜も怒りません、悩みません。演技もしません。
人間は怒り、悩みます。人間が相手だからです。
人間は世渡りの中で自分に嘘をつき、演じます。一日平均30嘘をつくとも言われます。
反対に人間の都合相手に仕事をしているクレーム処理係のようなお仕事に従事している人であっても、負担なくサラリとしている人もいます。
それは自分が、自分の都合で相手にイイ顔をせず、自分をちゃんと生きているからです。
人間の相手に合わせようという都合は、実は、結局自分の都合なのです。
そこから解放されたければ、イイ顔をしないで、自分を生きことです。
嫌われることや拒絶されることを恐れず、自分を貫き通してみてください。
嫌な事、困る事には、上手に「それは、しんどい」と相手に伝えることです。
自分を本当にいきる。
そこに何も失われるものが無いことを気づいてください。
嫌われたからって、何も失うことはないのです。
私なんか、他の僧侶より多数回答で嫌われたり、同業界人に煙たがられることもあります。
それでも!私は悩み苦しむ皆さんが悩みを無くして、笑顔になって頂きたいのです!この世の悩みを無くす事にできる限り尽くす!これが私の僧としての使命なのですっ!←演技か
どうか安心して悩んで、いつでも相談を寄せてください。
自分の内なる声に耳を傾けていって下さい。
まりもさん
幼いころに
父親に暴力を振るわれ
母親は助けてくれず知らないふりをしてきた
そして
両親に気に入ってもらおうと
何をされても
笑顔で素直な自分を演技して生きてきた
自分の内なる声に蓋をして
両親から気に入られる自分を
自分として生きてきてしまったため
本当の自分がどうしたいのかが
分からなくなってしまった。
もしくは
内面の声が聞こえてきそうになると
必死になって守ってきたものが壊されるような気がして
不安を感じてしまうのではないでしょうか。
本当に辛かったと思います。
ただ、あるがままのお子様の存在が
長年抑圧されてきた
本当のあなたに呼びかけ
本当の自分を生きたい
自分の声を聞いてもらいたいと
心の奥底で叫ばせているのではないでしょうか。
あなたの外側に正解はありません。
自分の内なる声に耳を傾けていって下さい。
もう演技しなくていいのだと思いますよ。
環境が変わったときがチャンスです。
まりもさん、はじめまして。
暴力を受けて育った環境は、今目の前にありますか?
たぶん、優しいご主人と、可愛いお子さんとの間に、孤独を味わった子供の頃は存在しないはずです。
すべては、あなたが一人で抱えていること。
お子さんに同じ思いを与えたいですか?
いいえ。
きっとお子さんにだけは自分と同じ思いをいだかせたくないと願っておられるはずです。
まりもさん。
今あるあなたのご家庭の中は、あなたが育った場所ではありません。
そこには、お父様もお母様もおられません。
そこは、優しいご主人と、可愛いお子さんに囲まれた、あなたの新しい世界なのです。
今まで無理にでも笑顔を演じて来られたんですもの。
今こそ、あなたのなりたかった自分を演じないでどうしますか。
もう忘れて良いんですよ。
そこでのあなたは、素直な自分を出して良いんです。
そこは、あなたのために用意されたステージなのですよ。
人は、こうなりたいと思ったら、まず形を真似します。
好きな周りの人や、テレビのキャラクターや、芸能人を真似して、自分を演出したことがありませんか?
人は、真似をしないと箸の持ち方すら解りません。
それを続けていくうちにいつしかそれが自分自身のものになってゆくのです。
お子さんが生まれた今だからこそ、あなたが新しい自分を創っていけるんじゃないですか?
大丈夫。
きっと、あなたの思う幸せなご家庭を築くことが出来ますよ。
助け合いのできる家族
まりもさま
子育て中のお母さんは心も体もバランスが崩れやすいと言われています。考えることも多く、悩んでいる方もたくさんいられます。
まりもさんもお気付きのように、我慢や演技は、嘘をつくことになり、心に負担がかかります。温かい家庭を築きたいということなら、その子育ての悩みや不安を嫌味や遠まわしの表現にならないように旦那様に伝えたらいかがでしょう。
本当の温かい家庭は、お互いを思いやり辛い時は支え合える関係でありたいですよね。
助けて欲しい時は、素直に助けて!と声にできるといいですね。
肩の力を抜いて、下ばかり見ないで、上を向いて生活してください。顔を上に向けると、気持ちがスッと明るくなりますよ。
子どもになりましょう
まりもさん、はじめまして。
徳島県の法話と天井絵の寺 觀音寺 中村太釈です。
まりもさんが幼い頃に父親から暴力を受け、自分の身を守るために演技をしておられたのですね。結婚して子どもを授かっても、演技をし続けているのですね。
子ども(3ヶ月の息子さん)は演技をするでしょうか。
思ったまま、感じたままに行動しているはずです。眠たい時は、寝る。嫌な時は泣く。お腹が空いたらお母さんに甘える。新しいものを見つけたら触ったり、口に入れてみたりする。
子どもは、お母さんに気に入られようとして演技していません。
まりもさんは、もう演技しなくてもいいのです。すべてを理解し、受けとめてくれるご主人と息子さんがいるのですから。
演技の仮面をはずして、子どもになりましょう。