hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

自分の将来像が描けない。

回答数回答 4
有り難し有り難し 26

私は就職活動中の25歳大学院生です。
就職する時に大切なことは5年後、10年後の計画や目標を立てる
ことだということを何度も人から言われるのですが
そもそも自分のやりたいことがない私には将来的な計画や目標を
立てるのが難しいのですがどうすればいいのでしょうか?
また、仕事をしてから初めて自分のやりたいことがわかるという
意見もあるようですが今の自由に職業選択ができ、職業を自分で取捨選択し、その責任を自分で取らなければならない時代にはあまりこの意見はつじつまが合わないような感じがするんですがどういう風に
考えていくのがいいんでしょうか?
なにかアドバイスいただけたら幸いです。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

自分は他人のために何ができるのか。

亀山純史と申します。私の考えを少し述べさせていただきます。

確かに仕事[職業]はそれが自分のやりたいことであれば、それに越したことはないでしょう。でも、果たして何人の人が、自分のやりたいことを今現在、自分の職業としてやっているのでしょうか。私も平日は高校で英語の教員をしていますが、果たして高校の英語教員が自分のやりたいことであったかは「?」ですね。様々な人との出会いの中から、自分の歩む道を模索し、その結果どこかで妥協したりしながらも、一応目標を立てて、それに向かって精進した結果が現在の職業である、ということです。私が思うには、仕事の基本は、他人のためになす作業で、自分のためではないと思っています。もちろん、世の中には自分のやりたいことがそのまま自分の職業になっている人もいます。しかし、もしも自分のためだけのものならば、その人がなしていることは単なる自己満足でしかありません。勉強も仕事もそうです。「他人のために、または未来の子孫のためになす作業が、勉強であり、仕事である。」というのが私の考えです。仏教には「自利即利他」という言葉があります。自分のための作業―自利―は、そのまま、他人のための作業―利他―にならなければならないのです。自分の悟りの境地に安住せず、そこから他者のために動き出してこそ、仏道は完成するのです。
自分のやりたいことを探すのではなく、「自分は他人のために何ができるのか。」を考えて就職活動を行ってはどうでしょうか。

{{count}}
有り難し
おきもち

hasunohaを訪れてくれた皆さん、こんにちは。私は浄土真宗本願寺派の僧...
このお坊さんを応援する

大きな人生の目標を決めてみては

計画を立てるのも立てないのもどちらでもいいのではないですか。大きな目標みたいなものを決め、ノートなどに書いておいて、そっとしまっておく。
そこに向かうように心は自然に動き出します。

お坊さんは、あまり計画的ではない方が多くいると思います。葬儀などの関係で計画が立ちにくい生活、という事もあるし、将来や過去を心配したり引きずる生き方が望ましくない事を知っているのだと思います。

ですから、「こんな家庭を築きたい」とか、「こんな生活を送りたい」という、大きな目標だけ決めておいて、そこに向かうような仕事選びをしたらどうでしょうか。そんなにぶれないと思いますよ。

{{count}}
有り難し
おきもち

禅宗 曹洞宗 僧侶。神奈川県西部円通寺住職。小学校教師。 悩みを吐き出す...
このお坊さんを応援する

昔と変わったのは…

マッピーさん、はじめまして。

就職のための第一条件に「目標」を掲げることに苦慮しておられるご様子。

5年後、10年後の目標を立てることが重要という意見もよくわかります。

ただ、マッピーさんのおっしゃるような、自分で職業を取捨選択でき、その責任を自分で取らなければならないのは、今も昔も何ら変わりはありません。

変わったのは、職業が増えたことによる選択肢の増加と、経営学などの学問が働く前から耳に入る情報量の増加による弊害だろうと思います。

採用する側が就職希望者を取捨することも、昔から何の変わりもありません。

逆に言えば、就職希望者を取捨選択する企業側の間口を狭くしている理由は大きく2つ。
経済的な理由と、もう一つは就職希望者のモラル低下です。

就職倍率が高くなると就職に関する学問的要素が増え、知識ばかり豊富な頭でっかちの希望者が増える。
知識ばかり豊富になると、六に仕事も出来ないまま権利を主張する社員が増える。
能力以上の権利を主張するような人材を避けるためにハードルを高くする。
ハードルが高くなると就職倍率が高くなり、またそのための学問が増える。

今の学問は成功という2文字に主眼を置いたものが多いので、どうしても大企業とかグローバルに視点を置いてしまいがちです。

ですが、ご存じのとおり、日本の中小零細企業の割合は99.7%以上。
その中でのグローバル展開企業は凡そ2割。
つまり、先進的学問とおおよそ無関係の企業が全体の8割を占めているわけです。

仕事柄、中小・零細のトップの方とお話しすることも多いのですが、一様におっしゃるのは、新卒従業員やアルバイトのモラル低下の話です。

現実として企業では、既に量では補えないほどの人材の質の低下が叫ばれているのです。

企業側は、
「目標を掲げていない社員=やる気の見えない社員」よりも「郷に入っても郷に従わない=使えない社員」の方に、実は苦慮しているという実態があります。

目標を立てて望まれるに越したことはありませんが、企業ニーズに合った目標を立ててみるとことも大切かもしれません。

昔は「骨を埋める覚悟」という言葉をよく聞きました。

そこまで思う必要はありませんが、目標よりも「やる気」の方が必要な世の中になってきているようですよ。

{{count}}
有り難し
おきもち

生活できれば何でもりっぱな仕事

とにかく、大事なのは生活費を稼いで自立することです。
能力に見合う仕事につけば充分でしょう。
大学院で学んだこと、その中でも毎日普通にやっていたことが、実は他の人にはないあなたの技能かもしれません。
真面目に勉強することだけが特技ということなら、公務員試験を受けてみるのもよいでしょう。

仕事をしてみて初めてわかる世界というのはあります。
仕事をするまで名前さえ聞いたことがなかったような資格とかもあるし。
パートを始めた主婦が資格をどんどんとって最終的には独立して自分の事務所をかまえたりもあります。
出会いは不可思議ですね。

{{count}}
有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

さまざまなご意見ありがとうございました。
 自分のための目標が同時に他人のためになることが大切だという考え方が仏教には
 あるんですね。会社のために自分は何ができるのか初めに考えたいと思います。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ