妬みを消化するにはどうすれば良いでしょうか
この度、7つ上の兄が結婚をします
お相手の方は私と同じ年で、母いわく外見も似たような派手ではない人だそうです
その相手の方の家はいわゆる金持ちです。相手の方も親御さんのお仕事の系列でよい地位についてお仕事をされている、教養豊かな人です。
私はまだお会いしていませんが、手塩にかけて大切に育てられたことがよくわかると母が言っていました
私の家の背景になりますが、私は両親が40を過ぎてからの子になります
両親とも忙しく、また両親とも戦時中生まれのせいか子供に時間を割くことも少なく、今でいえばネグレクト気味でしょうか。三食食事はなく、服も下着以外は繰り返し、風呂も週1、2回の有り様でした
髪をとかす、風呂にこまめにはいる、衣服を毎日変える..人並みの価値観を持つのに、ずいぶん大変な思いをしました
また私が高校生のころから金銭的に苦しくなり、自分の進学費用、衣服や交際などはアルバイトなどでまかなってきました
生まれつき腎臓を悪くしており、今も虚弱で、体調を崩しがちです
兄の交際相手の方はそんな私とは真逆、恵まれた環境、教育、若い両親、健康、仕事、私の憧れそのものの存在です
なぜそんなよい方が兄と..と思いました
どうやら相手の方のご両親が私の父方の家柄を気にいっているとのことでした
話もすすみ、縁談は6月に結納を予定しています
その話になったとたん、自分の気持ちが不安定になりはじめました。
最初は兄をとられたみたいな子どもじみた寂しさかと思いました。
しかし、日を追うごとに亡父への憎しみ、高齢で産んだ母への怒り、がんばって生きてきた自分が馬鹿らしい惨めだ、と考えるようになりました
いままで一般的な家庭をもつ友人に対して似た感情をもったことはあります
それらをうまくかくして生きてきた自信もあります
その隠してきた感情が何倍何倍もあふれて、ひとりになると苦しくて涙が止まりません
兄の幸せを願いたい、交際相手の方はなにも非がないのだから憎みたくない..でも憎いのです
他人と自分を比べたくない、でも比べてしまいます
このままでは惨めでも必死に生きてきた自分すら憎み苦しいです
よい方向に向かうにはどうすればよいか、どうかご助言お願いいたします
結納の際には晴れ晴れと二人の門出を祝えるようになりたいです
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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人生は自分磨きの旅です
ぽむりん さんのご質問を読ませていただきました。自分の環境と比べてお兄さんのお嫁さんになる方の環境が恵まれているので、妬みの気持ちがあり、祝福する気になれないということですね。
人間の持っている負の感情には、ひがみ、ねたみ、そねみ、うらみ、いかり、などがあり、大昔から人の心を苦しめています。仏教ではそれを消し去り、平穏な心を取り戻すことを目的の一つとしています。その方法は現代で云うと医療に似ています。まず苦しんでいる状態を正しく把握し、次に苦しんでいる原因を探り、苦しみを消し去る方法を考え、最後にそれを実践するという流れになります。
妬みという感情は、負の感情ですから、思い出すと眠れなかったり、楽しめなかったり、笑えなかったりという作用を引き起こします。体の中では、細菌などへの抵抗力であるナチュラルキラー細胞やT細胞の活動力を弱め、病気になりやすい環境を作り出してしまいます。体に対して良いことは一つもありません。
妬みの心を満足させるためには、自分をお嫁さんと同じところまで引き上げるか、お嫁さんを自分と同じ環境にしてしまうしかありません。何故なら妬みという感情は、自分と比較することで起こるからです。この原因をお釈迦様は無明と見抜かれました。無明とは、物事の道理を知らない、物事の真実を知らない所から起こるものです。
ぽむりん さんはその原因を自分の比較する心ではなく、亡父への憎しみや高齢で産んだ母への怒りに置き替えられているところも見受けられます。
お嫁さんの環境をぽむりんさんがコントロールすることは出来ませんし、亡き父の過去を変えることは出来ません。同じようにお母さんの過去を変えることも出来ません。
ぽむりんさんは、自分の努力ではどうすることも出来ないことに対して、感情をぶつけているのです。これでは何も変わりません。
唯一変えられるのは、自分です。自分を磨いてお兄さんのことを素直に喜んであげる自分を作って行くことです。
例えばテレビでビルゲイツが6兆円以上の資産を持っていると聞いて妬みますか?うらやましいとは思うかも知れませんが、お嫁さんに対する妬みとは違うと思います。これはいろんな状況を勘案して、妬んでもしょうがないと思わせているのです。このように人間には、現状を正しく見ることで、心を平穏に保つ力が備わっています。これからは、自分磨きの生活に勤しんで下さい。