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因果応報って本当にありますか?

回答数回答 2
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私は因果応報があると信じたいです!

私は高校の時に部活でイジメられました。
女子が3人しかいない部活なのに二個上の先輩にはぶられました。
その先輩は今詳しくはわかりませんが、恋人もできて順調な生活を送っているそうです。

その先輩が卒業したと思ったら、同期の男子に「サボリ」と言われ続け、周りの先輩や後輩にも「あいつはサボリだ」とレッテルを貼られ、何をしても「お前サボリのくせに」と白い目で見られてました。
その同期は去年デキ婚で結婚し、幸せらしいです。

大学は保育教育系に進んだので、実習を沢山行きました。
様々な実習先でイジメられ、別の道に進みました。(中には良い先生も実習先もありましたが、耐えられませんでした)
意味分からないくらい意地悪されました。(いじめる先生は経験上ベテランに多かったです)
そんな先生達は今も働いていることでしょう。

私は今の仕事や生活を後悔はしてません。
時々悩んだり、落ち込んで弱ったりもしますが…。

でも、何だか腑に落ちないです。
どうしてあの人達は今幸せそうなんだろう?とふと思うのです。
そういった時に因果応報ってあるの?ないの?と疑問になります。
そして、こんな人達のことでも時々思い出して「不幸になればいいのに」とか考えてる自分もいつか因果応報で何か回ってくるのでしょうか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

煩悩が強くなれば苦しみが増える法則

煩悩(欲・怒り・怠け・プライドなど)が強くなると、悩み苦しみが増えるのです。
では、どうやったら煩悩が増えるのでしょうか?
たとえば、悪いことをすればするほど煩悩が強くなるのです。
怒れば怒るほど煩悩が強くなるのです。

あなたをイジメた人達は、イジメた行為によって煩悩が強くなり、苦しみが増えたのです。
たとえば、怒っているとき、苦しんでいるのは怒っている本人です。
嫌なことがないなら怒る必要がないのに、嫌なこと(苦しみ)があるから怒っているわけです。
因果応報の法則では、彼らが怒ると、怒る癖が強まり、余計に怒りんぼになる、つまり余計に苦しみやすい性格になるのです。
彼らは、例え周囲から幸せそうに見える結婚をしても、怒りやすいムカつきやすい性格だったら、旦那さんや子供のちょっとした行為にでもムカついて苦しみストレスを感じる毎日です。
あなたをイジメた人達は、幸せな環境でも幸せを感じられないかわいそうな性格なのです。
せっかく来てくれた後輩や実習生を喜んで迎えたら幸せな気分になれるのに、ちょっと気に入らないところがあるとムカついて苦しむのですから、大変お気の毒な性格なのです。
だから、後輩に少しでもムカつくと、その苦しみにたえられずイジメたりするのです。
彼らは、幸せになる能力が低いから、その(幸せを感じられない)苦しみにもがいて他人に八つ当たりしていたのです。
で、その生き方を反省しないで、むしろもっと苦しみを増やす悪行を重ね、さらに苦しみやすい性格になっているのです。(罪業・カルマの法則)
怒れば怒るほど怒り癖がつく。
逆に、慈しめば慈しむほど慈しみ癖がつき、苦しみは減ります。(善業・功徳の法則)
あなたは、彼らのようにならないために、怒りではなく慈しみの心を育ててください。
あなたをイジメる人には、心の中で「あら、お怒りですか?お気の毒さま!」と笑いましょう。

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おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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未来に向けてどう歩むか、どう行動するかが、大事です

 現在の状況は何らかの原因とそれを取り巻く条件によって成り立っています。

 あなたの現状や周囲の方の状況に対して疑問や嫉妬や不可解の感情を抱くのも、理解できます。因果応報という言葉を正しく理解されていないように感じます。あなたがいくら善い行いをしても、あなたを取り巻く条件が整わなければあなたの望むような結果とはなりません。あなた自身の責任ではないことで、残念な結果に終わるということも少なからず有ります。
 周囲の方々の現状に納得できないということは現実に多々あります。しかし、「隣の芝生は青く見える」という俗諺がありますが、我々は他人の言動や状況を正確に公正に把握できるとは限りません。単なる思い込みや勘違いの場合も少なくないのです。過去を振り返ることは一概に悪いことではありませんが、現状に不満がある場合、あなたが今をどう生きるか、あなたがこれからをどう生きるかが大事なんです。

 因果応報の現れ方はとして、善因善果、悪因悪果と理解している方が多いようですが、これは間違いです。善因楽果、悪因苦果が正しいのです。その内容は私が下手な説明するよりも、NHK『こころの時代』の中で良い説明がありますので、こちらを参照ください。
http://h-kishi.sakura.ne.jp/kokoro-531.htm

 因果応報が有るのか?無いのか?
   有ると思います。「こんな人達のことでも時々思い出して「不幸になればいいのに」とか考えてる」段階で、あなたの心の中が悪循環を繰り返していると思います。そういう意味での因果応報をあなた自身が繰り返しています。これが続けば、仕事のモーテイベーションに影響したり、人間関係を悪化させたりします。
 自業自得について説明する場合、あなたの未来はあなたのこれからの行動で決まる。あなたの未来はこれからのあなたがつくる、と説明しています。因果応報についても、同じことが言えます。

限られた字数では説明が不十分かもしれません。下記の回答も参考にしてみてください。
http://hasunoha.jp/questions/5249
http://hasunoha.jp/questions/5857
http://hasunoha.jp/questions/5937
http://hasunoha.jp/questions/12140

 

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 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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質問者からのお礼

回答して下さったお二人とも、ありがとうございます。

吉田俊英様
因果応報についての詳しいご説明ありがとうございます。
とても勉強になりました。
別の質問での回答も読ませていただきました。
己の行いは己に返ってくるということがよくわかりました。
悪循環をしていたとは、気づきませんでした。
他人の不幸を願うより、自分がどう生きるかを考えていきたいと思います。

願誉浄史様
「怒っている時に苦しんでいるのは本人」という部分に驚きました。
その後の文章を読み、「そういう考えもあるのか」と納得しました。
幸せに感じる能力が低いから、自分の目に見えないところで苦しんでいるという部分に気持ちが楽になりました。
いくら嫌な人達とはいえ、他人の不幸を望む自分は何なんだ?と考えていたので、そんな必要もなく、勝手に苦しんでいるのだと思えば、わざわざ不幸を望む時間も労力もいらないじゃないかと思えました。

お二人とも本当にありがとうございます。
これからも慈しみの気持ちを持ち、自分の人生を善く歩めるよう精進いたします。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ