五色の糸の意味を知りたいです。
わたしは、子どものときに、藤原道長様が亡くなられる前に、五色の糸を手に繋がれて極楽浄土へ旅立たれていったという話を本で読んで、わたしも死ぬ前に、五色の糸を手に繋いで、極楽浄土に旅立ちたいと願うようになりました。
そこでお尋ねしたいのですが、五色の糸にはどういう意味があるのですか?
すごく知りたいです。
よろしくお願いします。
過去の出来事に、クヨクヨ悩みます。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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仏様の救いを現しています
まずは五色の意味から。青黄赤白黒(しょう・おう・しゃく・びゃく・こく)の五色のことを指します。青は緑色、黒は青色というややこしい名前ですが、昔ながらの色の名前です。ただし名前そのもの、名前の読み、実際の色、色の組み合わせ、それぞれの色の意味合いもいくつか種類があるようです。私自身もいまいち把握し切れておりません。ウィキペディアには以下のようにあります。
>五色(ごしき)は、仏教において如来の精神や智慧を5つの色で表す。青・黄・赤・白・黒が基本となる五色だが、青・黒の代わりに樺・紫・緑などを含める場合など差異がある。
今の日本ではお寺の大法要の時に五色の幕として目になさることが多いでしょう。
http://www.kyoto-ranzan.jp/news/090325c.html
あるいは国際仏教旗としてご覧になることが多いかもしれません。
http://www.jbf.ne.jp/interest/symbols.html
意味は国際仏旗のリンクに書いてありましたね。面白いのが最後の「樺は仏さまの聖なる身体を包む袈裟の色で、〈中略〉インド、タイ、ビルマ等のお坊さんがこの色の袈裟を身につけています。」とありますが、樺色は黒とされることもありますので黒衣、あるいは青とすれば厳密には群青ですので紫衣にも通ずるのですねぇ…う〜ん深い…さらには木蘭のお袈裟にも通じると…
南方ではタルチョと呼ばれる旗として見かけることが多いでしょう。
http://nepaling.zening.info/kathmandu/Dscn1331_m.htm
これは檀信徒さんがお寺に奉納するものです。日本でもたまにエスニック雑貨店で売っています。
幕にせよ旗にせよ、この五色が風に揺れるほど世界に仏教が広まり、人々が幸せになるとされています。
さて、次に糸は救済の象徴であり、結縁の象徴です。平安時代ごろには仏像や仏画の手から糸を伸ばし、それを私たちが手にとってお祈りすることで、仏菩薩の救済を願いました。
http://blog-imgs-44.fc2.com/s/e/i/seikadou/img04.jpg
今でもお寺の本尊さまから本堂の外まで伸ばすことがたまにありますよ。
臨終行儀ですね
西方極楽浄土への往生(阿弥陀仏が臨終の瞬間に迎えに来てくれて極楽浄土に生まれさせてくれる)を願って、臨終のときに特別なセッティングをして、念仏しながら看取られて死ぬ方法があります。
「臨終行儀」と言います。
日本では平安時代から流行っていたようです。
臨終を迎えようとする患者は北枕、顔を西向きに(右側を下に)寝て、患者の西側(患者が見ている方)に阿弥陀仏の像を安置し、その阿弥陀仏像の左手に結んだ五色の糸を患者の手に結ぶ。
阿弥陀仏と患者がつながっているイメージを持たせるのです。
なぜ五色なのか、私も勉強不足ではっきりとはわかりませんが、
五という数と手で思い浮かぶのは、五大です。
仏教では、手の五本の指に、小指から順番に地・水・火・風・空という五大(物質のもつ5つの性質)の名前をあてることがあります。
たとえば、人差し指を「風指」と呼ぶなど。
また、お盆のときの施餓鬼という儀式で、五智如来、五如来という五体の仏様を意味する五色の幡を立てる習慣があるので、五色の糸も五如来に関係するのかもしれません。
臨終行儀は、臨終のときに念仏するのを励ます効果があります。
しかし、そのようなセッティングをしなくても念仏すればよいのです。そもそも、いつ死ぬかはわかりませんから、今日の平生の念仏(普段の念仏)が最後の念仏(臨終の念仏)になるかもしれない。
今・ここの念仏が、生き延びれば平生の念仏になり、念仏の次の瞬間に死ねば臨終の念仏になります。
質問者からのお礼
五色の糸の意味がすごくよくわかりました。
素敵な意味があるのですねぇ。
ご紹介してくださったサイトも素敵なものばかりで、とても感動しました。
大慈様。ありがとうございます。
五本の指に、地・水・火・風・空っていう物質の名前をあてるっていうお話を聴いたとき、とてもうれしくなりました。
なんていうか、いつも自然と一緒っていう気持ちになって、ワクワクします。
わたしは、地指(さっそくあてた名前を使いました)が好きです。
それと、平生の念仏を大切にしますね。
願誉浄史様。ありがとうございます。