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自閉傾向の娘の育児、気持ちの切り替え方

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前を向いて走ってきたつもりですが、最近は頻繁に振り返って本当にこれで良かったのか不安でたまらなくなります。

来月3歳になる娘がいます。発達検査は年齢相応でしたが、自閉症の疑いがあります。実際、コミュニケーションの取り方に違和感があります。

1歳半検診で引っ掛かり、行政に相談も続けてきました。
集団に慣らすため、今年度から幼稚園のプレに週2回通っています。
そこで他の子との違いに愕然として病院を受診、発達検査を受けました。
私にはママ友がいませんでしたので、娘は同年代の子と関わる機会があまりありませんでした。なのでプレではママ付き合いを頑張って、園外で遊んでくれるお友だちも出来ました。とはいえ、娘はマイペースに一人で遊んでいますが。
来月からは週に1回、療育も始まります。

私はものすごく運が良かったのです。
プレは15人募集に対して応募が50人で、抽選で当たりを引きました。
噂に聞くママ同士のトラブルもありません。
娘の状況を幼稚園に伝えると、入園しても大丈夫、加配の先生も付けられると言ってもらえました。
発達検査は半年待ちでしたが、キャンセルが出て3ヶ月で受けられました。
民間の療育も1年待ちでしたが、偶然キャンセルが出て、待ったのは2ヶ月ほどです。

それでも、本当にこれで良かったのか、他にも道があったのじゃないか、間違った道を進んでいるのじゃないかと考えてしまいます。

私は娘を決め付けてしまっているのではないか。
他にも向いている園があったのではないか。
プレのママさん達には娘の状況を言わなければ良かったのではないか。
娘をお友だちと遊ばせるにしても、ここまでする意味があるのか。
ただの私の自己満足で、自分が褒められたいだけなのではないか。
そんなことはない、と自分に言い聞かせても自信が持てません。

娘はマイペースで甘えん坊ですが、明るく元気な女の子です。私がアレコレしなくても、娘には自分で伸びる力があると頭では分かっています。

それでも何かしないと不安で、したらしたで娘に悪影響だったかも、と不安になり、今度はやる気がなくなってしまうという悪循環です。

育児に正解はないといいますが、私が迷い不安がるとそれが娘に伝染してしまいそうですし、心を強く持ちたいです。

不安を取り除く、とまではいかなくても、気持ちを切り替えられる方法はないでしょうか?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

人は人によって育てられます

こんにちは。普段は保育園で子どもたちと遊んでいるお坊さんです。

私の周りにもわが子が発達障害と診断されたご家庭があります。

当然ながら保育者はその子の「最善の利益」のために必要な支援や家庭とのつながりを持とうとします。子どもの「最善の利益」とは、「その子がその子らしく生きていく」ために周りの大人が知恵を出しあい、支えあい、守り抜いていくことを意味します。

さて、ご家庭と子育てをご一緒するにあたり、普段からお伝えしていることがあります。

1.障害はその子の個性であり、障害を取り除いたり克服するといった考え方はしない。

お母さんはよく学ばれ、理解されていると思いますが、「自閉症を治す」という考えから悩まれるご家庭があります。何らかの状態から「治す」ということはつまり、今のわが子を否定することにもつながります。

2.(1と関連して)わが子の個性を引き算ではなく足し算で見ていく。そして、とにかく褒める。

どうしても他の子と比較すれば、遅れや不足が頭をもたげてきます。生まれてまだ間もないうちに、どうして大人はその子のアラや欠点ばかり見つけようとするのでしょう。比較して何かを得ようとせず、もっと褒めて、ステキなところをいっぱい見つけて、また褒めましょう。
そのために、様々な専門職や周りの大人の知恵を借りて、私自身もわが子のことをいっぱい勉強していきましょう。

3.人は、人に依存することで自立していくもの。人との関わりのなかで育てられます。

その子がその子らしく生きていくために、多くの人と関わり、大人はそれを仲介し、多くの人から愛されてこそ、子どもは育っていきます。でも、世の中は厳しい。どこかでつまづくかもしれないし、大きな壁にぶつかるかもしれない。
そんなとき大切なのは、一人で切り抜けていく強さよりも、誰かを頼ることが出来て、頼られる誰かがその子の周りに大勢いることでしょう。人は独りで生きられないのです。
そのために自閉症のことを周りの大人が理解し、共に支えあうつながりの輪こそがその子の自立を助けることになるでしょう。

お母さんはここに挙げたことを、わが子のため懸命に取り組んでらっしゃると思います。
仏さまのお慈悲のこころを「親ごころ」と例えますが、その尊さを実感しています。
お母さんには、これからもたくさんの愛情をわが子に注いであげて下さいね。

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有り難し
おきもち

北海道の内陸にある浄土真宗の寺院を預かっています。法名(仏弟子の名前)、釋...
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質問者からのお礼

真慧様

返信ありがとうございます。
まさに、プレに行くようになってから他の子と比べてばかりでいます。家にだけいた時は、ただ娘の成長のみを喜べたのに、と苦しく思ってもいます。
また、娘に出来ることが増えるにつれ、褒めることが減ったことに気づかされました。以前は出来なかったことが出来るようになると、褒められるのではなくもっと早く!だの言われるのはおかしな話ですよね。

「誰かを頼ることが出来て、頼られる誰かがその子の周りに大勢いること」
この言葉はこれから娘を育てる上で、とても大切にしていきたいと思います。困っている時に助けて、と言えるように娘を育てていきたいですし、まだ、私自身もそうあれるようにしたいと思います。

ありがとうございました。

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