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モラルとは

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私はスーパーでレジ係としてアルバイトをしています。最近あるお客さんが、10個以上の商品を1個ずつレジに持ってこられて全て2円引きにして買われます。
何度も私のレジに並んでこられるので、流石におかしいと思い、何度も2円引きは出来ませんと伝えました。するとそんなこと言うのかと怒り出し店長を呼べと怒鳴りだしました。店長が対応してくれた後も、他の店員に私のことを愚痴りに行ったり、他のお客さんにまで、あの女のレジには並ぶなと言っていました。
私は間違ったことをしたのでしょうか?
モラルとはなんなのかと思いました。
店長も私の言ったことは間違いないけれど大きな問題になってややこしくしたく無いから、おかしいけど2円引きしてあげてくれていいから。と言いました。こんな人がどんどん増えていくと思うと、これからの世の中、何でも許され、上手く丸められたり、隠蔽ばかりの世の中になるのではないかと思いとても恐ろしいです。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

社会では「試合に負けて勝負に勝つ」のあり方も

うささん、こんにちは。

変なお客に絡まれましたね。残念ですが、世の中には常識で生きていない人がいます。
あまりに理不尽ですが、そういう人とも付き合っていかなければいけないのが、社会の現実です。正しいことが必ずしも通らないこともあるのです。でもそれを排除することはできません。ではどうするか?。そうい人と付き合うテクニックが必要になります。私も営業をしている時はそんなことがありました。たとえ相手を正論で打ち負かせても、お客が気分を害して買ってくれなくなれば、それはビジネスでは負けになります。例えこちらが正しくとも頭を下げる。するとそういう人は満足する。結果的に商売が上手くいきます。これを「試合に負けて勝負に勝つ」といいます。ビジネスではそういうことがたくさんあります。結果こそが求められるのがビジネス社会です。冷たいですが・・・

 でもプライベートの空間では、暖かく生きたいですね。損得勘定だけでは判断できない価値の世界。それが信仰の世界だと思います。そういう非情の世界に暖かい世界を作っていきたいですね。思った人から実践です。一緒に頑張りましょう!合掌

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言ったもん勝ち、やったもん勝ち

このような行為をされる方は、たまに見かけます。
今回のような行為は、確かに見ていて気持ちのいいものではありません。
あなたが、イライラされた理由はわかります。

しかし、そのお店では何回も並んではいけない、というルールはあったのでしょうか?
ルールとモラルは違います。
店長が出て行ってその行為を認めているところを見ると、ルール違反すれすれのところだったのでしょうか。
逆にお客さんが謝っていたら店長も強気に出て、きっちりお金が返ってきていたかも知れません。

まさに言ったもん勝ち・・・

世の中のルールってあいまいなものが多く、結局は個人のモラルに任されるところが多いですよね。
それを利用して、自分だけ良ければいいと思う方はたくさんおられます。

私が飲食店で食事をしていた時の事。
二人組の客は、二人掛けの狭い席に案内されていました。
みんな渋々と。

そこへ、別の二人組がやってきました。
店長が二人掛けの席に案内すると・・・・
「あそこの広い席空いとるやんけ」と強い口調で言ってのけたのです。

店長が「二人組の方は狭い席で案内しております」と言い聞かせようとしましたが・・・
「空いとるのになんであかんねん」「ワシらは客やぞ」とすごまれると、あっさりと広い席へ案内されました。

事の成り行きを見守っていた私は、きっとこの客は追い返されるだろうと予測しておりましたが、予想外の対応でビックリしました。

まさに言ったもん勝ち・・・

このように、自分の価値観と違うものを見せられるのもまた、この世で生きる修行だと、私は捉えています。

あなたの言いたいことは充分に理解できますが、モラルを逆手に取られる方もいるという事実を認め、あなたの道徳観を磨いていって下さい。

「生きる事は修行」
善通寺19世 私の師である祖父の言葉です。

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時宗の寺院で住職をしています。 今の時代、お寺の在り方とは、僧侶とはいっ...
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お客様がそうしたいんだからいいのでは?

仏教は、自分と他人の悩み苦しみを減らすための教えです。
そういう意味では、他人の悩み苦しみを減らすよう配慮するのは、必要なモラルかもしれませんね。

まぁでも、同じ店で同じ商品を買うことは、誰にでもあります。
それがたまたま、同じ日に、たくさんだっただけ。
20回レジに並ぶなら、20人別々の新しいお客さんだと思って、同じレベルの接客をするのが、プロのサービスでしょう。
だいたい、2円のためにレジに並んでもめんどくさいだけですよね。
私だったらめんどくささの方が勝つので、損だとわかっててもまとめ買いします。

「お一人様何個まで」とかお店に掲示してるなら別ですが、そうでないなら、そのお客さんは、ルール違反はしていないのです。

自分自身の悩み苦しみを減らすという観点からお話すると、
欲・怒り・怠け・プライドなどの煩悩は、悩み苦しみの原因になります。
何度もレジに並ばれて「面倒くさい」とあなたが感じたのだとしたら、それはあなた自身の怠けの煩悩です。
そのお客さまにむかつくのは、あなたの怒りの煩悩。
そのお客さまを「モラルがない」と見下したいのは、あなたのプライドの煩悩です。
全て、あなたの煩悩の色眼鏡が原因かもしれないのです。
いい勉強になったと思ってください。
毎日、「欲・怒り・怠け・プライドは煩悩」と心の中で唱えるようにしてみてください。
あなたは、きっと、ものすごい人格者に成長できるはず。
そのとき、あなたは、本当に必要なモラルを理解できる大人になっているかもしれません。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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