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目が覚めてしまいました。

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有り難し有り難し 16

朝、目が覚めたことにがっかりしています。
仕事がないのは気が楽だけれど、何もない空間にひとりぼっちで放り出されてしまったようです。
誰かと会う予定はないし、連絡する相手もいない。
人の輪の中にいれば、必ず自分は弾かれてしまう。
どうして?と言う疑問にも、答えてくれる人はいません。
目が覚めなければよかったのに。
居場所がない現実にいるくらいなら、ずっと夢の中にいたい。
馬鹿で、甘えた考えがずっと頭から離れません。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

まだ目が覚めてない

朝起きてあさイチでモーソーしちゃったというのです。そういうのは。
思考のモヤモヤからまだ目が覚めてないのです。
だから今の自分に難癖付けて、オチた心境になる。みんな思考のDISりです。顔を本当に洗ってくることですな。
禅はそういう人間のネガティブな迷いの雲に覆われる前の真実のFACE、本来の面目を見出すことです。起きても顔を洗い続けた生き方です。
あなたは起きても思考で寝ぼけているから苦しいのでしょう。起きてもネガティブな夢を見ている。そういう生き方を迷いという。だから本当に心の覆い覆われを洗面と共にぬぐってアンタの考えで塗りたくる以前の本当の今日一日に目覚めることです。バカで甘えた考えというのは「こっち」でしょう。あらためてオハヨウゴザイマスすることですな。厳しいようですが甘やかしてもまた寝ぼけるのが人間。ガツンと冷たい法の水ですが、これによって本当に目が覚めると良い目覚めになるでしょう。
「ああ、私ってだめだなぁ」とか思うのもそれも迷妄の夢。思考のDISり。頭がまだ眠っているのです。目が覚めるように自分を導いてあげることがあなたを最高に輝かせ、輝かしい世界を見せることのできる真に自己を愛する力です。
世界は私があれこれ思う前からとっくに目覚めているものです。世界と一緒に目を覚ましましょう。お釈迦様も坐禅の後に星を見て「我と大地有情と同時に成道」=「世界と共に目が覚めた」のです。言わんとするフィーリングを会得して目の覚めた人生が手に入りますように。

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おきもち

お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

質問者からのお礼

丹下覚元様
お言葉をありがとうございます。
お礼が遅くなってしまい、申し訳ございません。
甘えた考えというのは、なかなか捨てられないものですね…
冷たい水で顔を洗っても、全然目が覚めなくて困っています。

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