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感情移入をやめたい

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友達の悩み、亡くなった人、ドラマ、歌など、耳にすることすべてにおいて感情移入してしまいます…。

たまに苦しくなったり、寝られない日もあります

つらいです

良いことも悪いこともありますが、自分自身が生きていないような気がしています。

自分のために生きるにはどうしたらいいのでしょうか?

よろしくお願いします


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

仏教的には、立派な菩薩行です

 道元禅師の『正法眼蔵』菩提薩埵四摂法』の中で、布施・愛語・利行・同事の教えが説かれています。その中の一つ「同事」とは、「他人と自分の差別を無くし、一つになる」という意味です。他人の悲しみを自分の悲しみとして共に泣き、他人の慶事を我がこととして共に喜ぶことです。

 これと同じような意味の言葉に「悲心」という言葉があります。「悲」とも言います。インドのサンスクリット語ではカルナと言います。人の悲しみ苦しみを相手の立場に立って憐れみ、救うことです。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」という詩がありますが、その中の「ヒドリノトキハナミダヲナガシ  サムサノナツハオロオロアルキ」という一節がまさにこれに当たると思います。感情移入は良いことですが、注意が必要です。ただ、一緒に泣いたり笑ったりすれば良い、というものでは無いのです。感情移入することは決して悪いことでは無いと思います。上記で説明した「同事」であり、「悲心」であると思います。タイトルにも書きましたが、感情移入してあげることも、大乗仏教で説く菩薩(人々を救おうとする仏道修行者)の修行にあたります。

 最近、傾聴ということについて少しばかりですが、学ぶ機会がありました。相手に共感することは大事ですが、同時に冷静さも必要なんです。相手の悩みや苦しみを聞いてあげることは良いことです。共感してあげることで、相手は「自分の悩み苦しみをわかってくれる人が居る。」と感じることで、かなり心が癒されます。但し、そういう悩み苦しみと言っても、時には「思い込み」「勘違い」「誤解」「身勝手さ」から生じる場合もあるんです。何でもかんでも共感してあげればいいってもんじゃないんです。
 共感しながらも、その悩みや苦しみはどこから生じて来るのか分析することが必要です。そのためには、相手の言葉や感情を上手に引き出し、相手の方御自身で自分の悩み苦しみがどこから生じたか、気づいてもらうことが最も理想的です。
 
 まあ、こんなこと最初からうまく出来っこないですが、次のような点を心がけてみてください。

  1、友達の言葉を冷静に聞き取り、その言葉の背景にある事実関係や感情を分析する。

  2、友達に共感する姿勢を示す。しかし、友達の悩み苦しみの原因がどこにあるのか、一緒に考えていく。

 

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有り難し
おきもち

 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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質問者からのお礼

ありがとうございます。
お礼が遅くなりましてすみません。
背景や原因を考えたいと考えたいと思います。

またよろしくお願いします。

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