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仏教系大学について

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こんにちは、今受験勉強中の大学受験生です。

仏教を学びたいと思い、仏教系の大学を志望しているのですがどこの大学が良いでしょうか?
東京の大正大、駒澤大、立正大、そして和歌山の高野山大学が候補として上がっています。
自分は主に密教を学びたいのですが、それなら高野山大学か大正大と思うのですがどちらが良いでしょうか?
回答よろしくお願いします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

学者か坊さんか

 お早うございます。私は大正大学へ行っていました(浄土宗)。高野山大学は(高野山へ遊びに行った時に)一度見学しただけです。
 さて大正大学で面白かったのは、「いろんな宗派の人がいる」ということでした。私はお寺に生まれたので、ずっと「浄土宗オンリー」な環境で生きてきたのですが、他宗派の人間の話を聞けるのはとても刺激的でした(もっとも、そう大した深さではありませんでしたが)。自分や家族がごく当たり前としていた事が、実はそうではなかった(そうでない捉え方の人がいる)という発見です。一方、高野山では基本的に高野山真言宗の方が大多数でしょうから、そこは大きな違いとなります。山の上という環境も、「どっぷり浸かる」度合いには関わるでしょう。
 しかし注意いただきたいのは、(恐らく)どちらも「坊さんになる」ことを前提とした節があることです。「学ぶ」という意味では、この2校だけでなく、哲学科を検討することもアリだと思います。
 実践(体験)という意味では、大学自体よりもお寺で一般向けの公開行事への参加の方が近道ではないかと思います。また、「生活に仏教を活かしたい」のであれば、このサイトでも本屋でも「なんとかセンター」でも、身近な所からすぐ始められると思います。
 つまり、「仏教学者になる」「坊さんになる」「その他」いずれの将来像を描くかによって、選択肢が変わってくるということです。もちろん「一対一の対応…将来によって選択肢が一つになる」訳ではありませんが。大学が終わると、次は「社会」ですから、「将来の自分にとって、仏教とどう関わりたいのか」を考えることが大事かと思います。
 ということで、聞かれていないことまで話してしまいましたが、「仏教を学びたい」との思いは貴いものと感じます。どうぞご精進を。

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一般大学(一般的でもないが…)から大正大学の史学コースへ。そののちお寺。坊...
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教に重きを置くか、行に重きを置くか

 同じ密教系でも、古義真言と新義真言がああります。密教系でも、高野山大学と種智院大学は古義真言系です。大正大学の密教は智山派と豊山派ですから、新義真言です。密教に関心があるのなら、古義・新義の歴史を御存知でしょうから、その点を考慮して選択した方が良いでしょう。
 古義真言のお坊さんなら間違いなく高野山大学を選ぶでしょう。高野山には本山金剛峯寺があり、弘法大師が入定している奥の院があり、別格本山格の由緒ある寺院が立ち並びます。真言教学と真言の事相が一体となって見聞できる環境にあるといえるでしょう。真言密教を体得したいと願うなら、高野山大学の方が良いかと思います。
 ダルマさんは僧侶ではないですよね。在家の方なら、大正大学の方が良いと思います。既に佐藤師の説明でも触れれていますが、大正大学は浄土宗・天台宗・真言宗智山派・豊山派が合同で大学運営を行っています。密教のみならず、天台教学や浄土教や宗教学の専門家も居ます。広く宗教仏教を学ぼうとするなら、大正大学の方が良いかもしれません。

 ちなみに私は曹洞宗ですので、駒澤大学出身です。禅に関しては多くの研究者を抱えています。仏教でも、インドの上座部系やサンスクリットやチベット系の仏教、中国の仏教教理学(主に天台・法相・華厳)や中国禅宗史、曹洞宗の宗学や日本禅宗史は当然ですが、日本仏教教理学、そして宗教学・宗教人類学。宗教そして仏教全般を学ぶ上で広範な分野の教授や研究者が大勢います。駒澤には駒澤の良さがある。そう思っています。

 仏教には八万四千の法門があると言われています。教理教学そして仏教儀礼もかなり広範です。優れた教授優れた研究者と言えども、全ての分野を網羅できるものではありません。一冊や2冊の専門書を読んだからと言って、すべてがわかるものではありません。進むべき道は深く険しいと思います。だからこそ、学んでみる価値はある。私はそう信じ、甚だ鈍足な学びではありますが、学び続けております。

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 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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質問者からのお礼

詳しく回答していただきありがとうございます!

「仏教全般」問答一覧

良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ