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仏教に関してのちょっとした疑問

回答数回答 2
有り難し有り難し 16

こんにちは。
仏教に関してちょっとした疑問があります。
お寺さんや宗派によって決まり?ルール?教義が違うと思いますが、教えてもらえたらありがたいです。

1. 食事と不殺生
お寺では建前上、肉魚を食べない精進料理だと思いますが、食と不殺生を考えた場合、下記の場合はどう考えるべきなのか教えていただけたら幸いです。

頂いたものや出されたものとしての肉魚に関しては美味しく頂くのは分かるのですが、不殺生を考えると生きてる牛や鶏、魚などを絞めて食べるのはNG?
魚釣りで釣れた魚を食すのも不殺生に引っかかるからNG?
生きてる生き物を絞めるのはダメだけど、誰かに絞めてもらったものや店で売ってるものを食べるのはOK?

2. 各宗派の大まかな教義はネットや本で調べたら分かりますが、一歩踏み込んだ部分を学びたいと思った時、どういう方法を取るのが一番良いのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

2025年5月21日 4:40

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

三種の浄肉、宗派の書籍、僧侶に聞く

現代の日本の僧侶はそこまで厳密に守っていない人が多いですが、初期仏教においては「三種の浄肉」という考え方があります。
ウィキペディアによると、
殺されるところを見ていない
自分に供するために殺したと聞いていない
自分に供するために殺したと知らない
の3つの条件を満たす肉なら食べても良いということです。
これは出家者のルールであり、在家信者は、日常生活でできるだけ殺生しないという程度でしょう。
各宗派の教えは、各宗派が出している書籍を読むのが良いでしょう。
その上で、疑問点は宗派の僧侶に質問するしかないでしょう。
また、浄土宗でいえば「五重相伝」など、口伝のみ(密室での伝授のみ)の内容もあります。
あと、大半の僧侶は学問的な宗学や仏教学に詳しくなく、日常の実践や法事等に必要な知識しか持っていない(修行時代に習った知識でも普段使わなければ忘れていることもある)かもしれません。

2025年5月21日 6:53
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

不殺生とは何か 〜命との向き合い方を考える〜

翠樹さんの問いは、まさに仏教の核心に触れる、真摯で深いものでした。
その探求心に、心から敬意を表します。

【一】食と不殺生についての問いに

仏教における「不殺生戒」は、「命あるものを無用に殺さない」という教えです。
しかし、現実の生活では命を頂くことが避けられない場面もあります。

ここで、私のお慕いするご老師から頂いた
お言葉を申し添えます。

不殺生戒とは「ことさらに殺さない」こと
自分の命も、他の命も、粗末にしない。

この考えは、仏教の目指す「中道」極端に偏らない道と響き合うものです。

● 生きるための命の頂きは感謝と敬意をもって受けること。
● 娯楽や快楽のために命を奪う行為は慈しみを欠く行為として、戒められます。

これは僧侶や修行者が食事の前に唱える
「五観の偈」の心に深く通じています。

現代の生活者がすべてを精進に切り替えることは難しいですが、「どう食べるか」ではなく「どう頂くか」が問われる。
それが仏教におけるいのちとの向き合い方の根本です。

【二】宗派を超えて一歩踏み込んだ学びへ

「ネットや本を超えて学びたい」というお気持ちも、まさに仏道そのものです。

おすすめの道を、いくつかご提案します
・仏教系大学の公開講座(駒澤大学など)
・地元のお寺の坐禅会や法話会
・信頼できる僧侶との対話

仏教は「独りで進む道」ではありますが、「共に歩む道」でもあります。

最後に、ブッダの言葉をお届けします
「刀を捨て、怒りを離れ、心やさしくして、害さぬことを選べ。」
法句経 第270偈

翠樹さんのように、自分の在り方を問い、仏の言葉に耳を傾けること。
その歩みは、すでに仏道そのものです。

これからも「いのち」にやさしいまなざしとともに、静かな歩みを続けてください。仏の光は、いつもその心にともにあります。

合掌

2025年5月22日 18:17
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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

-工藤 卓元様

ご回答有難うございます。
食に密接に関係する不殺生戒の考え方がよく分からない状態だったので、ご説明を読んで「なるほど、そういう風に考えればいいのか」と納得しました。
今、仏教とは何か?という事を学んでいますが、非常に難しいと感じています。
上記の不殺生戒もそうなのですが、言葉と意味は理解できるのですが、今回の様に食と絡めるとどう解釈するべきか等。
大本の仏教は一つですが、日本には色々な宗派があるので宗派毎の解釈なり考え方があり、調べたり学んでいくとなんでこんなに複雑なんだろう。よく分からんなとなります。

勉強法に関して、なるほど。今まで仏教系大学の公開講座に関しては思いもつきませんでした。
一度確認してみます。ありがとうございます。
当方、仏教とは?禅宗(曹洞宗)とは?疑問や考え方を知り学び理解する為、お寺さんに行った事があるのですが、不殺生戒然り色々な疑問が湧き出て解消する事なく残ったままでしたので、今回1つの疑問が解消できたので有難いです。
また何かありましたら、よろしくお願い致します。

-
-願誉浄史様

ご回答有難うございます。
三種の浄肉のお話、すごい分かりやすく納得しました。有難うございます。
勉強法に関して、ためになるお話ありがとうございます。また、「「五重相伝」など、口伝のみ(密室での伝授のみ)の内容」もあるなど、知らなかった事を知れたので感謝です。
「あと、大半の僧侶は学問的な宗学や仏教学に詳しくなく、日常の実践や法事等に必要な知識しか持っていない(修行時代に習った知識でも普段使わなければ忘れていることもある)かもしれません。」
ここの部分に関しては、私自身も実感している事で、お坊さんによっては質問したとしても有耶無耶な答えでよく分からなかった事が多々あります。
これからは疑問や知りたい事がある場合は各宗派の僧侶に質問して、解決しなかった場合はこちらのサイトを使うか、各宗派の総本山なりに問い合わせするしかないのかなと考えています。
この度は有難うございます。
また何かありましたら、よろしくお願い致します。

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