日本の仏教では、なぜ、お供えに、お酒が供えられるのですか?
日本の仏教の戒律では、お酒は禁じられていて、律宗の門の前にも「不許葷酒入門内」と書かれた石碑が置かれています。
しかし、お寺(国家祈祷を行う、観光寺院 、葬式寺院ともに)へお参りすると、必ず、日本酒やビールが供えられています。
これは、日本の仏教の戒律に背くものであり、どうしてお酒が供えられているのか、いつも不思議に思っています。
この疑問に答えてください。よろしくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
神仏混交の名残だと思います
多分、明治以前まで、日本で神仏混交(神道と仏教が混ざった状態で信仰されていた)だったからだと思います。
多くのお寺さんは、隣り合わせで神社があります。これはもともと神社とお寺が一緒だった名残です。神様も仏様も一緒に信仰されていたのです。住職が祝詞(のりと)をとなえていたという話も聞きます。明治時代に神仏分離令が出て切り離されました。
神道では、お酒をお供えものとして使うので、明治以後もお寺にお酒をお供えする風習が残ったのでしょう。
ちなみに、ダルマさんは、仏教の実在の人物ですが、神社でもお人形が売られていますね。
仏教と神道は、明治時代に無理に切り離されましたが、日本人の感覚は、いまでも神仏混交のままなのだと思います。
古くからの習俗です。大切にしたいものです。
そうですね
私も、仏様にお酒をお供えするのには違和感があります。
しかし、うちのお寺でも、お盆前にギフト用缶ビール詰め合わせをお供えにくださる方もいます。
ご本尊へのお供えというよりはお中元感覚なのかもしれません。
また、お墓や仏壇に、亡くなった方が好きだったお酒をお供えする人もいます。
日本では、仏事は亡くなった方への供養と一体化していますから、亡くなった人が好きだったお酒やビールをお供えする、という感覚もあるのかもしれませんね。
ちなみに、うちのお寺ではお盆の行事や年に数回の会議などで役員さんや檀家さんにお弁当やビールをふるまう機会があります。
檀家さんから「お供え」にいただくビールはそこで活躍します。
質問者からのお礼
質問に答えていただき、ありがとうございました。
願誉浄史様も、違和感を持っておられるとの事で、安心しました。お中元の感覚で、ビールなのですね。また、亡くなった方の好物を供えているのですね。
光輝様のお答えのように、神仏習合の名残りなのかも、しれませんね。
柳原貫道様は、天皇は、釈尊を外国の神と見なしていたから、おかしくはないとの事ですが、院政期にもなると、天皇は出家したり、授戒したり、仏教の祈祷は、天皇家にとっても、なくてはならないものになり、仏教(釈尊)を異国の神としては、見なしていないと思うのですよ。なので、どうかなあと、思いました。私見を申して、すみません。