子育てについて
TVの特集でこちらを知りました。
よろしくお願いします。
30代後半に女の子を授かり、現在、小学生になります。
年齢もあってか、それはもう可愛いく愛おしくてなりません。
昨今、児童虐待等の報道が多くありますが、それを見ているとなぜこんな幼い子に酷い仕打ちができるのか?と心が痛くて堪りません。
しかしこのような気持ちになるのに、我が子を叱る時に決して手は出しませんが、恫喝とも言えるような叱り方をしてしまいます。
きちんとして欲しい、分かって欲しいと言う気持ちが強く出てしまうのか、そのような叱り方をしてしまいます。
その後は、罪悪感のような気持ちになり自己嫌悪に苛まれます。
報道のようなことで心が痛むのに、自分は言葉の仕打ちで似たようなことをしていると思ってしまいます。
普段の私を見ている回りから「良いお父さん」と言われると、なぜか辛く感じてしまいます。
こんな私は偽善者なのでしょうか?
支離滅裂な文章になって申し訳ありません。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
子育ては、2つのフォローを通して
亀山純史と申します。
まず、子育てに正解はないということ。それは子ども一人ひとり異なった存在(だからこそ、ひとり一人が尊いわけですが)ですから、その子にあった子育てを模索していくしかないと思います。お釈迦様の説法も、対機説法(教えを聞く人(機)の能力・素質にふさわしく法(仏の教え)を説くこと)と言われております。
ただ、それではご相談に対して、何も解決策にはなりませんので、私の場合をお話ししたいと思います。私には高校3年生の息子がいます。高校3年生になっても、やはり自分の子どもとなれば、それは愛おしいものです。ですから、何かしてはいけないことをすれば、厳しく叱ることがあります。しかし、そこで終わらないことです。私はそのあとに2つのフォローをします。ひとつは、なぜ叱ったのか、ということの確認。それともう一つあります。それは、激しく叱りつけたことへの自己反省の言葉です。そして、この2つのフォローは、まず激しく叱りつけたことへの自己反省の言葉です。その上で、なぜ叱ったのか、ということの確認です。なぜ、はじめに自己反省か、と言えば、自分は正しい、という思いを否定することが大切だと思うからです。自分が正しく、相手は間違い、という考えでは、心を開いてくれる人でも、心を閉ざしてしまうのではないか、と思います。
こんな思いを持ちながら、私は息子と接していますが、そうすれば、親子の人間関係を壊すことなく躾けることが出来るのではないかと思っています。
以上が私からの回答です。ご参考になさって頂ければ幸いです。
理を説いて叱る。情を以て叱る。
理を説いて叱る。情を以て叱る。
基本的には、亀山さんと同じようなことを申し上げたいと思っております。但し、宗派が違うと、切り口も異なります。人が違うと説き方も違ってきます。出来れば、「みんな ちがって みんな いい」回答にしたと思いながら、右往左往しております。
仏教の教えの中に、「四摂法」という教えがあります。丁寧に説明すると字数制限を超えちゃいますので、京都府亀岡市の神應寺御住職の説明を御参照下さい。
「第68話 ほとけ心をおこす」http://www.eonet.ne.jp/~jinnouji/page9/houwa/page158.htm
叱るという行為は、この「四摂法」の中の愛語でなければならないと思います。詳しくは、道元禅師が書かれた『正法眼蔵』の中の「菩提薩埵四摂法」をじっくり勉強して頂きたいところですが、この「愛語」について、 酒井大岳老師と言う方が著書『正法眼蔵の愛語に学ぶ』の中で素晴らしい解釈しておられます。その一部を紹介させていただきます。
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愛語には、やさしい言葉「春風心」ときびしい言葉「秋霜心」があります。春風心は春風のようにふんわりと人を包んであげる言葉。秋霜心は短い言葉だけれど、この一語の厳しさは私たちを目覚めさせ変えてゆく力をもらっている言葉。
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なお、上記書籍は絶版になっており、5年ほど前に改訂版として
『たったひとことで人生は変わる 「愛語」のすすめ』
http://books.rakuten.co.jp/rb/11314060/
という本が発刊されているそうです。
こういう言葉を戴き、こういう解釈を教えて戴いても、私は力量が不足しているせいか、なかなか上手くは出来ません。子育ては、一生かけての修行だと思います。これからも、悩み苦しむことも多いと思います。「愛語」という基本がある事を忘れず、頑張って下さい。
質問者からのお礼
亀山様
お返事ありがとうございます。
仰る通り、「子育てに正解はない」そう思います。
ご自身のことからお話しくださり、よく分かりました。
2つのフォローを考えながら、子供と接していきたいと思います。
吉田様
四摂法の中の愛語、聞きなれない言葉でした。
教えていただいたURLをみて、ゆっくり読んでみたいと思います。
ありがとうございました。