祖父の寿命が尽きようとしています
私をとても可愛がってくれた祖父ともうすぐお別れをしなくてはなりません。
昔から狭心症を患っていた祖父は、80歳を越えたあたりから病状が悪化し、何度も入退院を繰り返していました。
今年の一月中頃に再度入院したと聞き、一月末に里帰りし、皆でお見舞いに行きました。
下の子は生後四ヶ月で、その時初めて祖父に顔を見せることができました。
しかし体は痩せ細り、ベッドに寝たきりで会話もほとんどできませんでした。
私は、もう祖父の顔を見られるのはこれが最後になるかもしれないな、とその時心のどこかで思いました。
そして昨日母から電話があり、祖父は「持って一週間」とお医者様より言われたそうです。
やっぱりもう一度顔が見たい……
その思いがありますが、私が住んでいる所と実家とは車で六時間程かかる距離です。
タイミングの悪いことに下の子が今、体調を崩しており、この距離を移動させて悪化したらそれこそ後悔すると思います。
夫の実家もかなり遠くにあり、子どもたちを預かってもらうことはできません。
私が今、祖父を想い出来ることは何でしょうか?
祖父の声や顔を思い出し涙しています。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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おじいさんにとっての一番の幸せ
僕は、祖父の死に目に会えませんでした。修行中で、祖父が亡くなっても連絡をよこせなかったのです。
結局、祖父が亡くなってから50日後、修行が終わってから祖父の死を知り、胸が張り裂けそうでした。
しかし、後からおもえば、その祖父が亡くなった時期というのは僕が修行の中で1番辛い時期でした。それを乗り越えられたのは、きっと祖父がそばにいてくれたからでしょう。
きっとおじいさんがお元気なら、「俺のために具合わるいひ孫を無理して連れてくるんじゃない!ばかたれ!」と言うのではないでしょうか?おじいさんというのは、なにより孫やひ孫が可愛いものです。
なぜなら、子孫が続く限りおじいさんのDNAは絶える事なく、おじいさんの存在はゼロになる事はないからです。
きっと、これからもおじいさんはあなたのそばにいてくれますし、あなたの気持ちは必ずおじいさんに伝わっています。
お子さんの体調が治り次第駆けつけてあげてください、でも、無理はしないでください。
あなたたちが元気でいることが、おじいさんにとってなによりの幸せだからです。
感謝の気持ちを込めて安らかな旅立ちを祈って下さい
平成23年3月17日、隣の岩手県に住む私の母親が亡くなりました。その数日前から危篤状態でしたが、東日本大震災の直後で高速道路は通行止め、一般道は寸断され、ガソリンの給油も出来ないため、見舞いに行きたくても行けませんでした。多分、その時の私の心理状態は今のあなたと同じようなものだったと思います。
会いに行きたい、見舞いに行きたいと思っても、思うようにできないこともあります。私の母親もそのことはわかってくれていましたし、あなたのお祖父さんもわかってくれると思います。
お祖父さんとの思い出を大事にし、感謝の気持ちを込めて、今を精一杯生きる。それで十分です。離れた場所に居ても、あなたの気持ちは伝わると思います。悔いの無い人生を送りたいと思っても、現実には思うようにはいきません。誰しもが病気を抱えながら、老境を迎えていきます。狭心症を抱えながらでお祖父さんも苦しかったと思います。苦しいけれど、生きてきて良かったと思える時があります。例えば、孫である、あなたの結婚。ひ孫の誕生です。
この世での人生を終えても仏様の世界からあなたやあなたのお子様のことを見守ってくれると思います。あなたが今を一生懸命に生きることが、お祖父さんがラ来世を生きる力となります。ひ孫の成長がお祖父さんを励ましてくれます。お見舞いに行けないのは残念でしょうけど、思いは伝わります。お祖父さんとの思い出を大事にし、感謝の気持ちを込めて、安らかな旅立ちを祈ってあげてください。
質問者からのお礼
お忙しい中、丁寧にご回答いただきありがとうございます。
不悪口院 恵成さま
祖父のDNAは絶えることなく、存在はゼロにはならない……そうですね、私の中にも息子たちの中にも在るんですね。
祖父を安心させてあげられるよう、今を精一杯生きます。
吉田俊英さま
祖父は私の結婚、出産をとても喜んでくれました。
私が独身の時は「わしが死ぬまでに結婚式にださせてくれ」と言い、結婚後は「ひ孫の顔を見てから逝きたい」と口癖のように繰り返していました。
今は遠くからですが、祖父が安らかに天へ召されるよう祈ります。