生まれてきた理由
最近誕生日を迎えて、生まれてきた意味を考えてみましたがよくわかりませんでした。両親はなぜ私を産んだのか。
実家は決して裕福ではなく、勉強はできた方でしたが、経済的に希望の進高校には行けず、もちろん大学も行けませんでした。本当は就きたい職業がありましたが、進学できなかったためその夢は叶えられず、仕方なく特に興味もない仕事をしています。
全てを親のせい、お金のせいにするのは間違っているかも知れませんが、生まれてきた家庭環境によって歩める人生が変わってきてしまうのに納得がいきません。親には悪いですが、ちゃんと育てられないなら産まないで欲しかったと思ってしまいます。
産む前に子供の将来のことを考えて欲しかったです。
本当は産んでくれた事に感謝すべき誕生日にこんな事を思ってしまう自分も嫌で、負のループから抜け出せません。
なぜ私は生まれてきたのでしょうか。生まれた意味が分からないのになぜただただ生きるために働かなければいけないのでしょうか。
人間不信
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
あなたmiさんが望んだからです。
結論から言えば、あなたmiさんが望んだからです。
宇宙には偶然はありません。親が勝手に産んだ訳でもありません。
むしろ、あなたmiさんが、今の両親、そしてすべての環境を選び、そして、様々な経験も今日のような課題に取り組むためです。
そして、未来は、今こうして創造しています。
だから、過去の愚痴を言わず、どうしたら価値ある人生になるのかを考え、行動すればいいのです。
考え方は自由です。創造も自由です。
「こんな目にあう」のは、誰かのせいだと考えているかぎり、どうすることもできません。
「問いながら、生きる」を大切に
miさん、おはようございます。私はご法事で、このようなご法話をしています。
「人間は、古今東西共通に根本の問いを持って生きてきました。その問いとは、私はなぜ死ななければならないのか。死ななければならないのに、なぜ生まれてきたのか。この理不尽なことの多い世の中をなぜ生きているかねばならないか。生きていくとするならば、どのように生きていくことが出来るのか。死んだらどうなるのか。このいのちはどこに行くのか。亡くなったことを次の世代が、どう偲んでくれるのか。この根本の問いを考える 大切な機会がご法事やお葬式です。」
miさんは、誕生日がきっかけで人類が共通に抱えてきた根本の問いを問うことになったのです。とても、素晴らしいことだと思いました。考えたけれど、生まれてきた意味が分からないとのことでしたね。幼い頃から学生時代を含め、すぐ回答が得られる問いを与えられ続けてきた私たちは、回答がすぐに見つからないと、途端に不安になってしまいます。ちなみに、miさんは、いつまでにこの意味をわかりたいですか。そして、その意味を自分で見つけたいですか。それとも、他人から教えてもらう方が良いですか。でも、他人から与えられても納得しないでしょう。そうならば、その問いを胸に秘めながら(=時々、心の宝箱から取り出して)生きていけば良いのです。根本の問いとは、すぐに答えが見つからず、それを問いながら毎日を生きるというタイプの問いだからです。意味がわからないから働かないという極論ではなく、意味を問いながら働くということです。その両輪が動くことによって、miさんの人生に奥深さが出てきます。
全世界が新型コロナ騒動ですから、miさんのように希望の学校に行けず、希望の就職ができなかったと悩んでいる人は、大変多いと思います。そもそも、地球という限られた空間の中で生きている私たちですから、無限の可能性というのはあり得ません。だれしも、そしてどのいのちも、地球の変動そして社会の激変の影響を受けながら、なんとか生きているものです。むしろ、有限だからこそ考えるのでしょう。そして、助け合うのでしょう。許し合い、分かち合うことが出来るのでしょう。さらに、自分がなしえなかったことを次世代に託していくのでしょう。「どうか、本当の幸せに出会ってくれよ!」と。「問いながら、生きる」を大切にして日々を重ねてくださいね。