無為で日々同じ生活に耐えられない
生きにくさとは昨今よく言われる言葉ですが、今時分はその病にかかっているようです。
朝起きて、仕事に行って、帰宅して食事して、入浴して、眠る。
間にはインターネットがあり隙間はそれに費やされる。
実は私精神的な病をもう5年以上も患っておりまして、投薬はだいぶ減りましたがこの虚無感が急に襲ってきて規定量以上の薬を摂取してどうにか仮初めの安寧を得る生活を続けています。
父が亡くなってそれが加速したようにも感じています。
とにかく日々に感情が湧かない。
機械になったような無為な日々が時々心底恐ろしくなるのです。
暮らし方を変えようと地方の1次産業に従事を志しましたが、大きなハードルを越える力はスポイルされてしまっていてそれすらままなりません。
このままクラゲのような生活が続くのかと思うとますます精神にダメージが蓄積し虚脱状態が続いています。
大きなブレイクスルー(父の死さえも凌駕する)がないと打ち壊せない自分の殻なのでしょうか?
それとも指で押しただけで壊れるシャボン玉のような簡単なことなのでしょうか?
今もこのことが頭を支配して仕事に対する情熱すら奪われつつあります。
ご助言頂けたら幸いです。
欲に流され、後悔と言い訳をするのが染み付いてます。わかってはいるけど熱病のように。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
自分の脳内情報にばかされているだけ
まず同じ生活と思っておられることにすでにものに対する誤った見方をお持ちであるという事をお考えいただきたいと思います。
私も以前、心が落ち気味の時はそのように思えてならなかったものです。
あなたを覆っているものがあります。
あなたが自ら表現されたシャボン玉です。
そのシャボン玉とは、考え、思い、自分をむしばむジャンクな情報のことです。
たとえば過去の忌まわしい出来事の記憶、不安、自己否定感情、フラッシュバックなどなど。
それらは全部、今現実に起こっていることではないですよね。
それをきちんとあなたの脳みそが「あ、これは思いで事実ではない」「あ、これはインナー、インサイドで、外の現実ではない」と見極めればそのシャボン玉はすぐに割れます。
簡単な方法は、眼を動かしなさい。耳で聞きなさい。
その瞬間に一瞬あなたが日美逞しくペダルをこいで運転している思いの世界の画像が消えます。その瞬間に観るべきです。「ああ、これが思いではなく、事実の世界か」と。
思いの世界に住せず、今日一日、今一瞬、二度とないこの現実の一瞬一瞬に心を注いで、考えのシャボン玉を打ち破ってみてください。どこに退屈な事等ありましょうか。
あなたが考えの中で詰まらなものにしてしまっているだけです。
思いのシャボン玉に覆われない。現実事実リアルを生きる。
当方の坐禅会はそれがメインです。
機会があればご参加ください。
人生は大半が退屈なものです。
お仏飯はタン塩 さん。父の死、精神的な病と色々と不幸が重なり遺憾の意を示しますが、ワシはそのことを除いても人生の大半はどんな人でも機械で無為な日々だと思います。
ワシも修行中も朝起きて、坐禅をして、お勤めして、ご飯を食べて、掃除をして、トイレに行き、寝るの生活を繰り返してきました。修行を終えてからも、暫くは一人で同じことを繰り返してておりましたが、ここにきて寂しくて無為な日々と思うようになりました。
なぜか?暫く考えてましたら、変化が無いことよりも仲間がいないことに虚無感を感じていたことでした。そこでワシは色々なコミュニティーに参加しました。居心地がいいところや悪いところ、全く相手にされないこともありました。そんなことを繰り返しているうちに「充実してるなー。」と思うようになり、今でも続けております。無理しない程度に・・・。ちなみに決して交友関係が増えたわけではありません。友達が増えたわけではありませんので、単に友達を作ればいいというものではありません。ワシは失敗と成功を繰り返すたびに充実感が増した気がします。何が成功で失敗かは自分の価値観ですので答えられませんが、細かいこと気にせずに1度自分の興味のあることから初めて見てはいかがでしょうか?
それが無いなら、お坊さんに質問されたのですから、お寺の行事に参加されてはいかがでしょうか?東京ですから色々とありますよ。仕事に差し支えない程度に・・・。
同じ瞬間は二度と無い
お仏飯はタン塩様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
無為で日々同じ生活・・同じことの繰り返し・・無機的な毎日・・確かに私たちは時に無気力となり無為を感じることがあるかもしれませんが、実は、この世界では同じ瞬間、同じことが繰り返されるというのはあり得ないことでございます。
問い「何も好きなことがない」
http://hasunoha.jp/questions/301
『・・実は、同じことを繰り返しているようで、同じことを繰り返せていることなどあり得ない現実にも気付くことが大切となります。日々、取り返しの付かない毎日を私たちは過ごしています。できる限り、日々、瞬間、瞬間を大切に過ごしていきたいものでございます。・・』
問い「現在の一瞬だけを強く生きるコツ」
http://hasunoha.jp/questions/308
『・・結論的には、つまり、「現在の一瞬(一瞬の連続体)でしか生きていない」自分のありようを理解すると、自ずと、この一瞬一瞬に集中して、大事に大切に過ごしていけるようになるのではないだろうかということでございます。・・』
そうですね・・気分転換に少し自然へと目を向けてみて下さい。例えば、山登りしたり、河原・海辺を散歩したり、時に家族や友だちと共に歩くのも良いでしょう。その自然の変化、躍動に次々と面白い発見、気付きがあるのではないでしょうか。
かく言う拙生も、毎日、季節毎、同じように境内や墓苑の清掃、落ち葉掃除、草刈りを繰り返していると、時にこのループ作業、死ぬまで続くのかと思うと、嫌になることもありましたが、実は都度都度同じようなことをしているようで、少しずつでも違うことに気づいていく時、この縁起なる世界のありよう、空なる世界のありようを理解させて頂けて、誠に有り難いと思うようになれました。
お仏飯はタン塩様も是非、日々の違いの発見、同じ瞬間は二度と無いということにお気づきを賜りまして、この一瞬一瞬を大事に大切に過ごしていけるように調えていって頂けましたらと存じております。
川口英俊 合掌