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悩みはどうやって受け止めたらよいでしょう

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有り難し有り難し 3

初めまして。
悩みを受け流したり、心の中に閉じ込めてたつもりが、
我慢しすぎかなって思った頃には、吐き出し方がわからなくなりました。


いったいどういう感情なのか、自分でもわからないのですが、
いつからか、我慢しようとすればするほど、まるでナイフでも刺したかのように、
心臓がズキンとして、恐ろしく悲しい気持ちになります。


吐き出すことが難しいなら、考え方を変えたらいいのかなって思ったのですが、
どのような心で受け止めて、どのような思考に落としこめばよいでしょうか。


つたない文章ですみませんが、以下経緯となります。


実家暮らしで、両親との関係は良好です。


しかし、私から両親の良くないところは指摘しづらく、私よりも長い時間生きて、
様々なことを教えてくれた人に対して指摘するのも、すごく気が引けます。


また悩みを打ち明けようにしても、両親も話したいことがたくさんあるようで、
私が仕事場で寝泊まりすることもあり、たまに家に帰ってくると、
「今日ね…」と一日の楽しい出来事を話してくれますが、
真剣に話したいことを遮られたことが何度もありました。


職場では、仕事も人間関係も良好です。


深夜まで作業することも多い仕事ですが、
どんな苦しいことも一緒に乗り越えてきた仲間がいるので、
安心して、一緒に仕事ができます。


が、その安心/信頼を得るに至るまでに、会社のために、みんなのために、
プライベートを後回しにしていたために、恋人や友人たちとは距離ができてしまい、
彼らに悩みを打ち明けにくくなりました。


もちろん、仕事ではきちんと意見や指摘をしますが、
一緒に食事をしたり、イベントを行う際に、
無意識のうちに、上司や後輩の希望を優先していて、
自分が本当に希望しているものを言うことが、苦しくなっていました。
集中してるときは、心から、誰かの為に!って思うのです。


今の私にとっては、誰かと面と向かって本音を話すことは、
とても勇気が必要で、涙が止まらなくなることもあり、会話が困難になります。
心の奥底の、きっと答えなんか見つからない、と思う汚い自分も大嫌いです。


今までお坊さまに相談したことはないので、
新しい視点を得られるのではないかと思い、投稿させていただきました。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

たくさんの歌からヒントを受け取ってください

さちさん、おはようございます。さちさんは、周りの人のことを気にかけながら、思いやりをもって生きてこられた方なのでしょう。でも、ときおり、「私のことも聞いて!」という思いが湧き出しますよね。私もさちさんと同じように「聞いて!」との思いがあふれることがあります。お互いの遠慮やしがらみ・甘えがあるため、一番わかってほしい人に一番分かってもらいにくいのが現実なのかもと感じています。だからこそ、多くの方々は、その思いを仏さまやご先祖につぶやきながら生きて来られたのだとも気づきました。

 さて、悩みの吐き出し方法です。一番始めやすいのは、「その日のメモ」を書くことです。布団に入って寝る前に、1日の出来事の中で心の中に引っかかっているものをを書き出すのです。日記ではありませんから、飾って書く必要はありません。心の中を空っぽにするためですから、メモ程度で良いのです。それについて、深く考える必要はありません。書いてためておくと、何かのきっかけでそれらを読み直すことが出来たり、自分が何に悩んでいるのか、それをどうしたいのかが受け止めやすくなるでしょう。

 もう一つは、さちさんの身近にある歌や詩に自分を重ねる方法です。(お経も歌の部分が多いですが)私自身もある頃からいろんな歌を聞くようになり、歌に込められたメッセージに気づくようになりました。「つらいのは私ばかりではない」「本当は、みんなつながりあって生きていきたいと願っている」「けれど、素直な気持ちを邪魔するそれぞれの心がある」「でも、生き物の長い歴史に思いを馳せた時、今ここに私があること自体が奇跡なのだ」「そして、いのちの歩みすべてに無駄なことは一つもないのだ」これらのことを多くの歌から受け取ってきた私です。さちさんは、どんな歌が好きですか。その歌からどんなメッセージを受け取っていますか。

 ちなみに、どうしても伝えたい話がある時は、「今から大事な話をしたいので、聞いてください」と先に切り出しておくことをお勧めします。さちさんは聞き上手なので、上司や後輩だけでなくご両親も、さちさんを見ると「話したい」スイッチが入ってしまうのでしょう。それを「聞いてください」と宣言することで、相手が話を聞けるように状況を整えることにつながると思いました。
 どうぞ、参考になさってください。ハスノハに相談を寄せていただき、有り難うございました。

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有り難し
おきもち

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん...
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質問者からのお礼

げんさん、読んでくださって、本当にありがとうございます。
おっしゃる通り、分かってほしい人に届かない思いがあって、
「一番わかってほしい人に一番分かってもらいにくいのが現実」と、落とし込むのも、伝われ伝われと焦る気持ちを落ち着ける考え方の一つだなって思いました。

書き出したことを、後で見なおして、自分自身で新しい見解を見つけるということにとても納得しました。
確かに、今までも「何でこうなるんだ」って悩んだことが、
時間が経って思い出したときには、何か経験に蓄えができてるような感じで、
「なるほどそういうことか」と自分で納得しちゃうこともありました。

また、最近、落ち込みっぱなしで、好きな音楽はほとんど聴いていなかったのですが、
今好きなアーティストも、気持ちが通じ合ってるかも、と思って聞き始めたのが
きっかけで、今回話を聞いてもらえたことも、すごくうれしいので、
久しぶりに、様々な聴き漁って、共感できる何かを探して気持ちのよりどころを探してみようと思います。

少し改まった感じがちょっと恥ずかしいのですが、自分から積極的に話を切り出して、両親にも、伝えたいことをきちんと伝えてみます。

素敵なアドバイスをくださって、本当にありがとうございました。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ