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周りの目を気にする人の子育て

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有り難し有り難し 7

私は誰からも嫌われたくないと思ってしまい、自分自身の細かい会話や行動をすごく気にしています。
仲良い人でも知り合い程度の人でも、今日の会話や対応はおかしくなかったか寝るときに考え込んでしまうこともあります。
独身の時は私自身の言動を最大限に気を付ければよかったのですが、子どもが大きくなってきた今では、子どもを通して私自身の評価が気になってしまってきているように感じます。

例えば、子どもの一歳の時の発表会で、子どもがどんどん前に出てきてしまい他の子とかぶってしまうことがありました。きっとその保護者さんはうちの子どもに対して「邪魔」とか思っているだろうなと思ったら、謝罪した方がいいのではないかと悩みました。
その時は、その方に会ったら謝罪しようと決めたのですが会えないまま転園してしまったので、今でもモヤモヤが残っています。

子どもの言動までどうこうできることではないし、子どもと私は別であることもわかっているのですが、子どもがわざとでないことで相手を傷つけてしまうことがあるかもしれないと思うと、今はただただ恐怖しかなく、今後もっと色々な問題があるのかと思うと、生きていくのも辛くなってきました。

色々な人に「気にしすぎ」「謝りすぎ」とよく言われます。
世の中すべての人に好かれることはないこともわかってます。
でもどうしても気になってしまって気になってしまって、苦しくなって辛いです。私の評価が下がる、子どもが嫌われる、この先絶対あることです。
私が子どもを産むべきでもなかった。
色々考えてしまいます。
なにか少しでも周りを気にしないで子育てできる方法はないでしょうか?
ご教授いただけたら幸いです。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

世の中はあなた中心には回っていません

あなたが懸念されているように、明らかに人間は他者のよい所やすぐれた点はあまり見ない反面、悪いところや失敗に目を向けがちです。「ひとの不幸は蜜の味」というのは人間社会の真理であると断言できます。だから平気でうそをついてでも人の足を引っ張るなんてこともやってしまう訳です。だから、気を付けていなきゃならないのは間違いないと思います。

ですが、自分の行動の一挙手一投足が全部、他者の批判の的になってしまうというのは考え違いです。その証拠に、取るに足らない人間がただの印象だけでいい人扱いされたり、たいへん立派な行いをなさっている人が評価されなかったりします。後の方の立派な人が評価されないのは人間の本性がそうさせてしまうのかもしれませんが、つまらない人の取るに足らない行動がへんに祭り上げられているのを見ると、他者の評価なんて大したことはない、誰も周りの人のことなんてキチンと見てはいないということを知らされます。

あなたが恐れていることは、ある種の真実でも事実でもありますが、世の中はあなた中心に回っているわけではありません。誰もあなたのことを24時間監視していませんし、注意を向けているわけでもありません。そんな暇は子育て中のお母さんにはないことはあなた自身がいちばんよくご存じのはずです。あなたはトロンプでも、プーチンでも、菅義偉でもありません。その辺のふつうの女性です。基本、注目されているわけがないんです。

なのに、「ああ思われてはいないか」「こう思われていたらどうしよう」と考えおられるのは、ご自身が世の中の中心にいると錯覚しておられるんです。こうした考えを仏教では卑下慢といいます。慢心の一種ですね。

じゃ、どうしてそういう性格を持つに至られたかというと……、と犯人捜しをしても仕方なので止めます。

で、どうやったらよいのかといいますと、かっこいい言葉でいうと自己肯定感を高めること、つまり、自分自身を愛おしみいたわることです。これには私の宗派の浄土真宗のご法話を聴くのがいいです。仏さまに愛されていることを知らせてもらえますからね。誰かに愛されていることが実感できたらよいと思います。また直接宗教に関係ないものでしたら、ネフという方の『セルフコンパッション』というベストセラー本をお勧めしたいです。

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私はお坊さんといっても、ひと様に何か答えらしいものを提示できるような立派な...
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課題の分離を。

いぬざめさん
こんにちは、小山と申します。ご相談、拝読させて頂きました。日々の子育てご苦労さまです。

なるべく自分の価値観を押し付けない事も大事だと思います。「子供が嫌われる」と言うのは自分の価値観で、好きや嫌いを分けてしまっていると思われますので、自分の物差しでなるべくは見ないようにしてはいかがでしょう。

悪い方向へ考える事が癖になっているように思われますので、まずはお子様の短所を長所に置き換えて見てみるのも一つだと思います。「癇癪をおこす」は「感情を表現できる」、「言う事を聞かない」は「自分の考えをもっている」など少しづつ考え方、見方を変えると気持ちの置き所も変わると思います。

私も子供がいますので、子育ての苦労は少しは理解しているつもりです。なので、大事なのは課題を分離して誰の課題なのかをまず明確にして取り組むことだと思います。
例えば、いぬざめさんの課題、お子様の課題は何なのかを別々に紙に書き出して明確にしっかりと意識すると解決策が考えらると思います。お子様が自発的に考えて経験していくと事が重要ではないかと思います。

できない、やらない理由を探すのは簡単ですが、出来る理由、可能性を考える事がご自身を変えられる唯一の手段だと思います。
いぬざめさんの悩みが一日も早く解消されますよう、お寺にてお祈りしております。 合掌

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有り難し
おきもち

日蓮宗僧侶で妙経寺副住職でございます。 仏教・法華経の教えまた、日蓮聖人...
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質問者からのお礼

お二方のお話を何回も何回も読ませていただきました。今までは頭ではわかっているつもりでいても、あまりよくわかっていなかったというか、納得していかなかった部分があったのかもしれませんが、今回コメントを読んでいるうちにストンと心に落ちた部分があり、生きることが少し楽になった気がします。

今まで生きてきた中で、あまり生きていたいと思うこともなく、かといって死ぬ勇気もありませんでしたが、これを気に自分自身としっかりと向き合い、子どもと家族と一緒に幸せに生きていける道を探していきたいと思います。
本当にありがとうございました。

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