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過去の不倫に対する後悔と罪悪感

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有り難し有り難し 17

はじめまして。
大変身勝手な相談になりますが、数年前に私は既婚者の方と不倫をしてしまい相手の家庭を壊してしまいました。

当時私は17歳でフリーターをしていて、既に親元を離れて一人暮らしをしていました。
言い訳になる事はもちろん承知ですが、私は親から「お前なんて産みたくなかった」「死んで欲しい」などの事をいわれ続けながら育ちました。

常に心の中には不安、孤独、悲しみ、寂しさなどの負の感情が自分の中に渦巻いていて、そんな状況下で既婚者の彼からアプローチされるようになり私はそれを受け入れてしまいました。

正直、誰でもよかったんです。
自分に好意を寄せてくれる人なら既婚者だろうと、独身だろうと、なんでもよくてとにかく心の穴を埋めてくれるなら誰でもいいと当時思っていました。

しかし、お付き合いを続けていく上で私も彼の事が本気で好きになってしまい
彼もまた同じような気持ちになってくれたようである日突然、彼が奥さんに「好きな人が出来たから離婚したい」と告げた事から不倫がバレてしまいました。

私はもちろん、相手の奥さんに呼び出され当たり前ですがすごく怒られて、責められて奥さん側の親戚の方達にも責め立てられました。
まだ若かった私は、自分の非を認めずに、自分の味方がいない状況で自分を守ろうとばかりし、謝ることすらせずに逆にその場でも暴言を吐いたりと酷い態度を取ってしまいました。
その後、多額のお金を相手の奥さんから請求されたのですが彼から「自分が払うから君は払わなくていい」と言われ、私は一度もお金を払うことなくそのまま彼と結婚しました。
しかし、結婚してすぐにDVが始まり、更に無けなしの貯金を取られるなどをしてすぐに離婚。

その後も別の男性からDVを受けたり、大切な物を盗まれたりと嫌な出来事ばかりでしたが、あの時私が1つの家庭を壊してしまった罰だと受け止めました。

しかし最近になり平穏で穏やかな日々を過ごすようになりその不倫の事をずっと思い出すようになりました。

初めの頃こそお金の支払いが遅れれば、私の携帯に奥さんから催促のメールが届いていたのですがもう何年も連絡はきておらず、彼は俺が支払うと言ったもののあの性格ではきちんと支払っているとは思えません。

私は結局、罪を償うこともせずに逃げてしまいました。
こんな私が穏やかな日々を送っていていいのでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「償う」とはどういうことか。難しいですね…。

はじめまして。過去のお辛い出来事と、それについて今のお気持ちをお聞かせいただきました。責められるようなことをしてしまったというのはあるのですが、「よく頑張って来ましたね」とお声がけさせてください。お辛かったでしょう。

さて、

>こんな私が穏やかな日々を送っていていいのでしょうか。

とのこと。仏教では生きとし生けるものの救いが願われています。あなたもそこから漏れません。あなたも救われるべき存在です。

ですがそれは後悔や罪悪感を感じず、過去を切り捨てて生きていいということではありません。むしろ後悔や罪悪感をも引き受けて、過去の経験から問われながら、今を堂々と生きていくことこそが救いなのではないでしょうか。

罪を償うということについて、慰謝料の支払い義務など法律的なことは専門の方にお尋ねください。
それ以外の意味で、罪を償うとはどういうことか一緒に考えられたらと思います。
「償う」とは同価値のものを持ってきて埋め合わせるということでしょう。その最もわかりやすいものがお金なのでしょう。でもそれで本当に償った事になるのでしょうか。

なにかを埋めるのに他の何かを外から持ってきて埋め合わせる。それは臭いものに蓋をするようなもので、匂いの大元そのものには対処していないのです。

あなたで言うならばそれはしてしまったことによる罪悪感や後悔でしょう。確かに同価値と判断された金銭を支払えばその気持ちも落ち着く面はあるのかもしれません。でもそれで本当に済むでしょうか。

あなたは冷静に生育環境と自身の行動の因果関係をみていらっしゃいます。おっしゃる通りあなたのしたことと、あなたの環境は無関係ではないでしょう。誰だって犯罪者になろうと思って生まれてくる子はいないのに、環境や境遇次第でそうなってしまい得る様に、人はそれらと無関係では生きられません。ですがそれだけでは自分の主体的な意思選択が認められない運命論になってしまいます。それは虚しいです。

あなたがしたことはあなたの環境や境遇のせいだった。だからあなたにだけ責任があるのではない。これが第一段階の救いです。解放です。

でもその環境の中で、自分の境遇は自分の選択と無関係ではないと、もう一度責任を背負い直すのが第二段階の救いです。主体性の確立です。

その一連の歩みに、罪を償うということが含まれるのではないでしょうか。

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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
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質問者からのお礼

早速の回答ありがとうございます。

「あなたがしたことはあなたの環境や境遇のせいだった。だからあなたにだけ責任があるのではない」
このと言葉にすごく救われた気がします。

けれど、最初の方に書かれていたように慰謝料の支払い義務に関しては
当時、私はまだ未成年で更に年齢が18歳未満である事から青少年保護育成条例に守られていた事
話し合いの際に示談書のような物を書いたのですが、年齢的に保護者の同意がなかったために無効になる事
それらの法律などを言い訳に今まで償いもせずに逃げてきました。
確かにお金を支払う事だけが償いでは無いかもしれません。
それでも今も尚、何もせず怖くて逃げ続けている自分はとてもずるい人間のように思います。
こうやって、思うだけで何も行動にうつせず、お相手に償いをしない自分は人としても最低ですよね。

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