亡くなった愛犬への後悔の気持ち
1週間前、16歳1ヶ月の愛犬が旅立ちました。私が昨年妊娠し、産まれる1ヶ月前に愛犬の脳腫瘍がわかり、それから毎日実家に通って介護をしました。お腹の赤ちゃんより、愛犬第一でした。里帰りしましたが、実家にはフルタイムの仕事をしている母しかおらず、日中は愛犬1人なので、赤ちゃんと愛犬のお世話をしていました。初めての育児、介護、いつ起きるかわからない痙攣発作、想像以上に辛く、上手くいかず、追い詰められ適応障害になりました。心療内科に通い、服薬して4ヶ月間自宅療養しました。
療養中は月に3.4回ほどしか愛犬に会いに行けませんでした。今、痙攣が起きていたらどうしよう、1人で逝かせてしまったらと考え、病状が悪化しました。心を入れ替え、今は自分と子どもを大切にしようと決めました。今までどこか子どもを疎ましく思っていました。でも子どもと向き合ったことで、子どもが可愛くて仕方なくなりました。
そして6月、何時間もの痙攣の末、寝たきりになりました。私の体調も良くなり、それから毎日子どもを連れて実家に通いました。午前は子どもを支援センターで思いっきり遊ばせ、午後から愛犬と子どものお世話をしました。 脳腫瘍の痛み、自力で排便できないので悲鳴をあげ、その度にマッサージをしました。痙攣が起きたら座薬をさし、調子がいい時は抱っこして散歩しました。でも、子どもはハイハイをするようになり、目が離せません。だから、愛犬が鳴いていてもすぐに駆けつけられなかったし、あまり構ってあげられなかった。でも、何故か弱っていく愛犬を目の当たりにしているのに、育児は楽しくて、介護は辛かったけど私らしくできました。
亡くなる前日、たくさん抱っこして、感謝の気持ちと大好きを伝えました。亡くなる数時間前、意識もなく、一切何も口にしなかった愛犬が水を飲みました。母と私は大喜びで頭を撫でました。そしたらもう見えていない目で私の方をチラッとみたんです。信じられませんでした。
亡くなる時はみんなが寝ている部屋で、母の隣で亡くなりました。とても穏やかで優しい顔をしていました。全く苦しんだ様子がありませんでした。
でも、後悔ばかりです。今まで愛犬第一だったのに、病気でいきなり私が会いに来なくなり、育児優先で必要最低限の介護しかできなかった。見捨てられた、僕への愛情が薄れてきた、と思いながら亡くなったのではないか。
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看取りには必ず後悔が伴います
いきものには必ず生命の終わりがあり、終末期には苦痛が伴います。それはいきものならみなそうで、人間にも他の動物にもかわりはありません。
偶然、ちょうどいま高齢のおじ様の介護をなさっている方とテキスト上のやり取りをしていたのですが、少しずつ弱っていかれるおじ様の病状に対してお医者さんを含めて誰もなす術がなく、生命の終わりに来る苦しみを見守っているしかない状況だそうです。
十数年前、実はまったく同じことをカナダ人の女性医師とのメールのやり取りのなかで書いたことを思い出しました。お医者さんでもやっぱり死につつある身内の老人に対して私たちと同じように思うんだなぁ、と思ったことを覚えています。
あなたの文面を拝読していて、ペットでも身内の人でも大切に関わってきた人にとって、あなたのお悩みは共通の、そして永遠のお悩みなのだろうと思いました。
実は私も今年還暦なので、何人もの身内を見送ってきました。生命の終わりには苦痛が伴いますし、医師は医療に無知な家族に選択を迫りますから、結局、選択した者が後々まで苦しみ、後悔することになります。どのみち終末期で長く生きられないと分かっているのですが、選択した者から苦痛が消えることはないと思います。
しかし、見方をかえて生命を持つ者にはかならず死という終わりがあり、それは不変の真理なのだから、どのように生きてきた時間を共有し、お互いが幸せな時間を共有できたかに目を向ける方がよいともいえます。看取りに伴う後悔は普遍的なものなので逃れようのないものだけど、あなたと共に生きたことで愛犬ちゃんはきっと幸せだったと思うんです。そこにものの見方を移してごらんになっては如何でしょう。お互いに出合ってよかったね、いっしょにいられてよかったね、と愛犬に感謝する気持ち、幸せだったと考えてみるとプラスの面が見えてきませんか。
すべてのいきものは死にます。そして死には苦痛が伴うことが多く、看取った者には後悔がつきまとう。これは変えようのない現実です。じゃ、いのちというものは惨めな、いたましいものなのでしょうか。そうではないはずです。愛犬があなたと暮らして幸せだったなら、そのことを喜ぶ。一緒に居られて幸せだった感謝する。そういう見方をしていくことでしか愛犬の死を受け入れていけないように思うんです。あなたが悲しんでいることを愛犬は喜ばないですよね。
質問者からのお礼
温かいお言葉ありがとうございました。出会えた喜び、楽しかった思い出を胸に生きていきます。