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怒りを止めるためには何が必要ですか

回答数回答 2
有り難し有り難し 21

私は昔から周囲の人に大人しい子だといわれてきましたが一度怒り出すとなかなか怒りが収まらないという癖があります。普通は年とともに落ち着いてくるものだと一般的に言われていますが私は恥ずかしながら年を重ねるごとにその傾向が強くなっているような感じがします。一度怒りを感じると何か月も引きずってしまいます。
お経を覚えたり心療内科に通ったり色々やっているのですがなかなか改善しません。お坊様方は怒りを覚えた時どうやって心を清浄にしているのかご教授していただけないでしょうか。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

怒りと向き合うことをしますよ。

拝読させていただきました。

人は誰しもが人生の中で誰と何よりも対話しているかと考えると...自分自身と答えになります。
いわゆる自問自答ですよね。

怒りも相手という縁と、それにともなう原因という「因縁」というものであり、これには善悪は分かれますが、相手に怒りを覚えているようで、実は自身の心が許可していないものなのです。

よく「寛大」「温和」「雄大」など様々な熟語でその人の器の大きさを表現するときに使用するものですが、このような怒りに変えない、怒りを覚えない、怒りを買わない。
これには、自分の観念をどこかで押し付けていないことでもあり、相手の言動にとらわれない心構えをしているものです。

年齢を重ねるにつれ、さまざまな経験を蓄積されます。その中で賞賛されることもあれば、非難されたこともあるものです。
自己評価を知らずのうちに高めてしまっていたり、知らずのうちに固定観念が形成されたりもするものです。

この年齢を重ねるにつれ、危険なのが “こだわり ”というものであり、築き上げてしまった経験により、自身が正しいと思い込んでしまうこともあるものです。仏教では執着ととらえます。普通という基準は人は同じように思っているものの、実はまったく異なる普通というコレクションを人は持ち合わせています。

怒りを鎮めていくには、ゆっくりと時間をかけて自身の内にある「どの考え方が、私を怒りに導いているのであろうか?」と、怒りと向き合うことで、盲点が顕らかになってきます。

例え)
一度、染み込んでしまった怒りは、カレースープが布に染み込み、漂白剤でも中々落ちないように、また強力なガムテープを壁から一気に剥がそうとすると壁紙まで剥がれてきます。

このように、焦らずゆっくりと沸騰した湯が時間をかけて温度を下げていくように、ゆっくりと怒りも去っていくものです。

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怒りのスイッチ

あかね雲 様 相談ありがとうございます。

怒りは、誰にでも起こります。それも簡単にすぐに、起こります。
そういうスイッチが生物の脳には備わっているのです。
つまり、生物は本来、怒りを起こすことで、危険な事や悩みや苦しみに、とりあえずの対策を行っているのです。
つまり、怒りをおこすことで、自分の気持ちに何らかの解決をしようとしているということです。
でも、その解決法は、欠点だらけで、あなたのいう様にずっと引きずったり
悩みの解消にならなかったりで、同じことを繰り返す、悪循環を起こしているのだと思います。
ですので、怒りのスイッチが入る前に、または入ったとしても、スイッチがはいらない方法や、またはその怒りを鎮める方法を練習する必要があります。
何度も繰り返し練習が必要です。怒りは本能的にスイッチが入るのですから。

では、どんな練習が必要なのでしょうか?
座禅、写経、マインドフルネスの瞑想などいろいろあります。
すぐにひとつに決めないで色々試してみることです。
そして自分に合うものを見つけて、繰り返し練習するのがいいと思います。
繰り返し練習するうちに、やがて人間の奥底には、本当は慈悲心が宿っていることに気づいていくでしょう。この気づきが訪れた時が、本当に怒りが治まっていく機会になると思います。

実は、私も怒りっぽい人間です。イライラすることも多いです。
そんなとき私の助けになるのが、慈悲心が宿っている。慈悲心を育むことが必要だと思うことです。
参考にしているのは、仏教書ではありませんが
ラッセル・コルツ著『コンパッション・フォーカスト・セラピーに基づいたアンガーマネジメント』(星和書店)です。
興味があれば読んでみてください。
一礼
追伸:お礼メッセージありがとうございました。愛情のホルモンといわれる、オキシトシンが出るように、瞑想や読経も意識してみるといいかもしれません。アンガーだけでなく、種々のネガティブ的な感情の対処としても、コンパッションを育むことをお薦めします。宜しければご相談ください。前出の本も読んでいただけるようで、ありがとうございます。再礼

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質問者からのお礼

法源様、釋考修様回答ありがとうございます。

元々大人しかったせいか人から軽んじられることが多かったことが影響しているのかもしれません。自分の心と向き合い何が自分を怒りに駆り立てるのか考えてみることが大切ですね。
釋考修様が進めてくださった本を読んでみようと思います(読書は好きです☺)教えてくださり感謝します。

ちなみに写経、瞑想はしてます。今年に入ってから般若心経、観音経偈文、正信偈を暗記しました。お経は心が安らかになりいいですね。

私事の悩みにお付き合いしてくださったこと心から御礼申し上げます。

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